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2002年度くらしの植物苑特別企画

伝統の朝顔・2002

 この特別企画は8月25日(日)までとしておりましたが、出物系統についてのみ、9月上旬(9月8日(日)頃)まで展示期間を延長いたします。場所は、あずまやに近接する1温室のみで、気象状況によってはあずまやにも典型的なものを展示することもあります。梅雨期の低温によって出物系統の開花が全般に遅れており、皆さんからの要望もずいぶんあるからです。
 ヨーロッパのアサガオ近縁種や一部の正木系統など屋外で展示しているものは、これまで同様に見ていただくことができます。


黄桔梗渦枝垂淡紅細覆輪桔梗咲(8月24日) 系統番号506 黄尾長立田葉紅筒白切咲 7月28日 青渦葉鮮紅色丸咲(8月31日) 青桔梗葉水色桔梗咲八重(8月31日)
青笹葉淡桃切咲牡丹(8月6日) 黄渦丸葉紅牡丹(8月6日) 青笹葉淡桃切咲牡丹(8月6日) 青笹柳葉采咲牡丹(8月24日)
系統番号597 青渦蝙蝠南天葉淡青地藤紫吹雪筒八重咲 7月22日 黄爪竜葉風鈴獅子咲牡丹(8月6日) 黄縮緬葉瑠璃色総鳥甲吹上台咲牡丹(8月7日) 青斑入渦蜻蛉葉白地赤吹掛絞星咲(8月24日)
青爪竜葉瑠璃色筒白総風鈴獅子咲牡丹(8月24日) 青糸柳葉藤紫色采咲牡丹(9月7日) 青糸柳極淡藤色撫子采咲(9月7日) 青渦柳葉江戸紫采咲牡丹(8月5日)
写真は1999年度のものです。
主催:国立歴史民俗博物館
開催期間:2002年8月6日(火)〜8月25日(日)
開催場所:国立歴史民俗博物館くらしの植物苑 [アクセス]
入苑料:通常
開苑時間:9:30〜16:30(入苑は16:00まで)

2001年度「伝統の朝顔」
国際展示特別企画(於オランダ)「日本の伝統朝顔」
2000年度「伝統の朝顔」
1999年度「伝統の朝顔」

目次:

開催の趣旨:

 朝顔がもっているたくさんの突然変異の遺伝子を見つけ出し,変化朝顔というおびただしい数の系統群をつくりあげた江戸時代後期の朝顔の園芸文化は世界でも特異であり,その後の明治・大正・昭和の文化にも大きな影響を与えながら受け継がれてきました。中世以降,日本は世界の園芸のセンターの一つとなりましたが,朝顔はその中核的な植物でもありました。したがって,その実体を浮き彫りにすることは,生活文化の特質や技術史を理解することになります。

 国立歴史民俗博物館は,1999年以降,辛うじて維持されてきた江戸時代以降の朝顔の系統を収集し,毎年,くらしの植物苑特別企画として「伝統の朝顔」の展示を開催してきました。今,いくつかの遺伝学研究室を除くと,国立歴史民俗博物館は系統を収集・維持していく唯一の博物館となっており,上記のような日本文化とその歴史の理解を促すという意味で,継続的な展示が求められています。

 今年度は,これまでの収集・維持系統を総括し,江戸時代後期から今日までのブームの中心になった系統群の歴史的な流れに重点を置いて,江戸時代後期以降の正木系統と出物系統,明治・大正以降の正木の1系統群である大輪朝顔を展示します。また,同時代の西欧での流れを対比するために,主としてヨーロッパで栽培されてきたアサガオ近縁種もあわせて展示します。

企画の概要:

 展示する系統は,くらしの植物苑で育成した以下の系統群。

 展示系統は日本の伝統朝顔についてはすべて鉢植えとします。正木系統・大輪朝顔と出物系統を2つの温室に分けて展示,主要なものをあづまやに展示。朝顔は一日ごとに開花状況が変化するので,午前7時から9時までの状況を見て,毎日,展示する鉢を交換。

 西欧の朝顔については,すべての系統を大鉢に植え込んだものをあづまやの前の広場で展示します。また,数系統をあづまや裏の畑に地植えして展示します。

◆去年の様子◆
508 青渦蜻蛉立田葉淡青切咲柳系統605 牡丹出物731 青桔梗渦葉紫覆輪桔梗咲八重
508 青渦蜻蛉立田葉淡青切咲柳系統605 牡丹出物731 青桔梗渦葉紫覆輪桔梗咲八重

展示の解説:

解説パネル(6枚)によって解説します。
 開催期間中の土・日曜日(8月10・11・17・18・24・25日)には展示解説があります。


◆変化朝顔の多様な系統◆

図1:さまざまな葉の変異
さまざまな葉の変異
図2:さまざまな花の変異
さまざまな花の変異

「伝統の朝顔」に関する掲載情報

準備状況:

出物系統の本葉のいろいろ(1)

複雑な突然変異遺伝子をもつ出物系統では、同じ親から葉の形が全くちがう親木と出物が分離して出てきます。今回は、昨年ご紹介できなかった系統を育てています。
<系統番号627>
左:親木 青南天葉淡藤筒咲
右:出物 青針葉極淡藤細切采咲牡丹
糸柳葉に似ていますが葉によじれがありません。
<系統番号5446>
左:親木 黄抱常葉白丸咲
右:出物 黄抱爪竜葉白風鈴獅子咲牡丹
鶏足葉ともいわれ、強く抱えた葉は鶏の足型にそっくりです。
<系統番号837>
左:親木 青渦葉紅丸咲
右:出物 青渦葉小人紅丸咲
渦系統の1品種ですが、著しく詰まっているため全体が硬く、成長しても15cmくらいにしかなりません。


出物系統の本葉のいろいろ(2)

獅子系統から「燕(つばめ)」とよばれる、植物体が小型になる突然変異が現れました。燕は完全不稔で種子ができないため、親木で保存する必要があります。複雑な表現をごらんください。
<系統番号676>
上左:黄抱鍬形葉紫丸咲
上右:黄鍬形爪龍葉紫獅子咲
下左:黄鍬形葉燕紫切咲
下右:黄鍬形掬水爪龍葉燕紫獅子咲


さまざまな変異(1)・・・・・帯化(たいか)

茎がリボン(帯)状になるので、植物学では「帯化」とよばれています。これは、茎の先端にある成長点が、突然変異によって線状に複数形成されるためにおこるもので、園芸では「石化」とも言われています。アサガオの帯化は3重劣性にならないと発現しない極めて珍しいものです。帯化系統の基本となる葉は孔雀の性質をもつ孔雀葉で丸咲ですが、立田変異が入った系統は切咲となります。茎が帯化する変異は、アサガオのほかにヤナギやユリ、アジサイなどが知られています。
<931>
青水晶斑入林風孔雀葉石化白切咲
青水晶斑入孔雀葉石化紫切咲
(系統番号はありません)


「伝統の朝顔」展オープン

8月6日(火)〜8月25日(日)まで開催される、くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔」がオープンしました。前日には内覧会が行われ、朝顔の花が咲きそろう中、辻展示プロジェクト委員代表の説明会がありました。佐倉市長をはじめとする来賓の方々や報道関係者も集まり、既に開催中の「ウリとヒョウタン」と同時開催となる3週間の展示が封切られました。
正面入口 辻プロジェクト委員会代表の解説


最近の様子(1)

朝7時頃からの手入れ風景 正木系の展示会場 東屋での展示風景

染め分けのアサガオ 車咲のアサガオ


最近の様子(2)

出物系の展示風景 朝の手入れ 東屋の周囲の大輪咲のアサガオ

木立
蔓にならない木のようなアサガオ
団十郎
茶色のアサガオ。切り込み作りで仕立てています。
采咲
出物系のアサガオで、撫子のような花です。

獅子咲
風鈴のような花をつける出物系のアサガオです。
流星獅子咲
花火のように花が広がります。出物系のアサガオのなかでも成長が遅いほうです。
アサガオのためし蒔き
出物がでるか、来年に向けてためし蒔きを行っています。どれが出物でしょうか?



さまざまな変異(2)・・・・・渦小人(うずこびと)

戦後、渦系統から出現した新しい変異です。出物の子葉は「渦」よりもっと詰まって硬く、色も濃くてサボテンのようになります。成長がひじょうに遅く、成長しても15cmくらいにしかなりません。子葉軸が短いので、地面すれすれに発芽し、ときには地面に出てこられないこともあります。会期後半になってやっと花を咲かせました。
<系統番号837>
(左)親木:青渦葉紅丸咲
(右)出物:青渦葉小人紅筒白丸咲


最近の様子(3)…8月28日

獅子咲 采咲牡丹 獅子牡丹
419 黄爪龍葉燕紫獅子咲636 青渦柳葉江戸紫采咲牡丹419 黄握爪龍葉紫総風鈴獅子咲牡丹


最近の様子(4)…9月4日

出物系統は葉が縮れたり極細だったりと、光合成しにくくあります。そのため、養分がなかなか蓄えられなくて花を咲かせる時期が遅くなります。長く待った分だけ花が咲いたときはひとしおです。今週いっぱい見ることができますので、ウルトラC級の変化朝顔にぜひ会いに来てください。
黄糸柳葉白采咲 青海松(みる)葉赤采咲 青林風常葉白獅子咲牡丹
<54-37>出物:
黄糸柳葉白采咲
青海松(みる)葉赤采咲青林風常葉白獅子咲牡丹
黄縮緬葉鳩羽色総鳥甲吹上台咲牡丹
<1089> 出物:
黄縮緬葉鳩羽色総鳥甲吹上台咲牡丹


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