特集展示(第3展示室)

  • これまでの特集展示
  • これからの展示

杜若(かきつばた)と菖蒲(しょうぶ)・花菖蒲 ― 意匠(いしょう)と文化 ―

2016年5月17日[火]~2016年6月19日[日]

みなさんは、佐倉市の市の花を知っていますか?これから6月ころにさく花菖蒲です。

佐倉城址(じょうし)公園には花菖蒲園があって、5月下旬になるときれいな花がさき始めます。

花菖蒲とよく似た花に、あやめや杜若があります。これらの花をひとまとめにして、「あやめ」といわれることがあります。

佐倉市は、あやめで町おこしを進める「全国市町村あやめサミット」に参加しています。今年は、佐倉市がその開催地(かいさいち)となっています。そこで、歴博でも杜若・菖蒲・花菖蒲がえがかれた錦絵(にしきえ)や着物・工芸品を展示します。

5月5日の端午(たんご)の節句に菖蒲湯(しょうぶゆ)に入ることは、よく知られた行事です。杜若は、着物や工芸品のデザインに取りいれられています。花菖蒲も数多くの品種がつくりだされ、昔から親しまれてきました。

杜若・菖蒲・花菖蒲を意匠・園芸・名所といったテーマで展示・しょうかいしますので、どうぞ見に来てください。

※意匠→物の形・もよう・色などについて工夫すること。デザイン。

 

歌舞伎(かぶき)役者の錦絵(にしきえ)
豊原国周

 

 

当盛六花撰(とうせいろっかせん)のうち菖蒲
歌川豊国(三代)・歌川広重(初代)

江戸の人びとは、園芸に強い関心を寄せていまし た。花菖蒲もさまざまに品種改良されました。 これは、第3展示室にある「当盛六花撰」の6まいのうちの1まいの錦絵です。色あざやかな花菖蒲が見られますね。

 

 

堀切(ほりきり)花菖蒲
小林清親
東京都葛飾(かつしか)区にある堀切は、江戸時代から花菖蒲が有名で、錦絵にもなっています。今も菖蒲園として多くの人がおとずれます。


杜若八橋模様小袖(部分)

杜若八橋模様小袖(かきつばたやつはしもようこそで)(全体)
杜若は、着物のもようにも用いられました。大きくしてみると、右のように杜若と八橋が見事にえがかれています。八橋というのは、湿地(しっち)などにはばのせまい橋板を折れ折れにつぎわたした橋です。平安時代の「伊勢(いせ)物語」という物語のなかにある「八橋」を思わせるようなもようです。

 

 

流水杜若水葵燕模様小袖(りゅうすいかきつばたみずあおいつばめもようこそで)
杜若は、水辺に生える植物で、水の流れとともにえがかれています。燕(つばめ)も飛んでいます。杜若は漢字で書くと燕子花と書くこともあります。花の形が燕に似ているためでした。

 

 

藤流水杜若模様振袖(ふじりゅうすいかきつばたもようふりそで)
すずしげな水色の地に、藤だなからたれてさく藤の花と、水辺にさく杜若がえがかれています。今の季節にぴったりの着物ですね。

 

 


名 称
杜若(かきつばた)と菖蒲(しょうぶ)・花菖蒲 ― 意匠(いしょう)と文化 ―
会 場
第3展示室(近世)副室
会 期
2016年5月17日[火]~2016年6月19日[日]
開館時間
9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで)
休館日
5月23日[月]・30日[月]・6月6日[月]・13日[月]
主 催
国立歴史民俗博物館

このページのトップへ

「スケジュール」へ戻る