「泥絵」は、江戸時代末期に流行した庶民(しょみん)の絵画です。浮世絵(うきよえ)ほどには知られていませんが、江戸の名所(めいしょ)が描かれることが多く、中でも大名屋敷(だいみょうやしき)が好まれ江戸のみやげとして売られました。また、浮世絵で有名な歌川広重(ひろしげ)が大名屋敷ばかりを描く錦絵(にしきえ)シリーズもいっしょに公開されています。
霞が関(かすみがせき)や有馬屋敷(ありまやしき)など、同じ場所を描いた泥絵と浮世絵をくらべて 絵の描き方のちがいを見てみましょう。
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江戸景観図(えどけいかんず) 江戸時代終わりころの江戸の町を描いた洋風画です。中央に富士山と江戸城が描かれています。 |
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泥絵 霞が関(かすみがせき)
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東都名所(とうとめいしょ) 霞が関之図
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江戸及び諸国名所泥絵集 有馬家屋敷(ありまけやしき)
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赤羽根有馬屋敷前の三美人
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泥絵(どろえ)とは?
泥絵は、錦絵とよばれる浮世絵版画とちがって、絵師が自分の筆で直接紙に描いた絵画です。ヨーロッパで合成された青色絵の具であるプルシアン・ブルーのあざやかな色と西洋の遠近法(えんきんほう)を用いた画面が特ちょう的です。