総合研究大学院大学 日本歴史研究専攻

学生

秋山 笑子(あきやま えみこ)

履歴

成城大学大学院卒業、千葉県立房総のむら上席研究員

研究テーマ

近現代における利根川下流域の生業と民俗技術

研究分野

民俗学

フィールド

千葉県北部地域を中心とした千葉県全域

研究のキーワード

キーワード1 水辺

利根川下流域は、かつての水域は現在の倍以上あり、水に囲まれた生活であった。そこにあった生活は、水に関する知識の膨大な集積によってできあがったものであった。近年の生活様式の変化がひとびとの生活にどのような影響を与えてきたかを考察したい。

キーワード2 民俗変化への適応

利根川は江戸時代に河川工事によって作られた人工的な河川である。そして、その後も、政府による河川工事等の影響を受けてきて、生活基盤は常に揺れ動かされてきたが、それを受け入れて適応してきたといえるだろう。こうした適応する力の源がなんかのか考えてみたい。

キーワード3 近代化以前と以後

生業に機械が導入されて近代化が進んだとされている。この近代化以前を実体験として知っている世代が確実に減少してきた。それと共にこの世代が持っていた民俗知識も減少してきたといえるだろう。こうした民俗知識を身体で知っている世代と、まったく知らない世代でどのような変化がおこるのか、興味がある。

キーワード4 民俗の古層とは?

利根川下流域は、稲作や漁労などの水に深く関わるものを生業としてきた。また、アヤメの時期は舟を利用した観光も行われ、収益を得てきた。こうした生業と観光はまったく別のものではなく、繋がりあいながら存在する。時代の変化により古いものに新しいものをつなぎ合わせ、民俗をめぐる記憶は作りかえられていっているのではないか。それは民俗の古層なのか、それともそうではないのかを見ていきたい。

キーワード5 民俗と観光

「懐かしい」風景は観光の対象となりうる。利根川下流域も水郷と呼ばれ、観光地とされてきた。その中で、かつては農作業風景などの作業も風景の一部として見られてきた。民俗=「懐かしい風景」とはいえないが、なんらかの関係があるのではないかと考える。民俗と観光はどのような関係があるのかを検討したい。

研究業績等

論文
  • 「芸能研究と柳田國男」『民俗的世界の探求―かみ・ほとけ・むらー』 平成8年
  • 「藁の道―房総周辺の事例を中心にー」『千葉県立大利根博物館調査研究報告』第7号 平成9年
  • 「廃絶したつく舞をめぐってー利根川下流域の水運の盛衰とともにー」『町と村調査研究』千葉県立房総のむら 平成18年
その他の業績
  • 「山村生活五十年 その文化変化の研究」千葉県香取郡多古町久賀地区 (共同研究者 鎌田久子・小松清)昭和63年
  • 研究ノート「笑祭に関する一考察―山口県防府市小俣のお笑い講の事例―」『常民文化』11号 昭和63年
  • 「山武郡成東町白幡八幡神社の御旗織行事」『千葉県立房総のむら年報』4 平成2年
  • 「マコモ繁る水辺―利根川下流域のマコモ細工」『民具マンスリー』第30巻9号 平成9年
  • 「千葉県香取郡山田町志高地区宮前の土葬」『千葉県立大利根博物館調査研究報告』第8号 平成11年
  • 「生き続ける将門~近代における将門像の変遷~」企画展『英雄・怨霊 平将門~史実と伝説の系譜~』平成15年