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No.13 No.12 No.11 No.1~No.10

No.13 鳥取市気高町の魚伏籠「うぐい」

総合展示第4室(民俗)の最後のコーナー「里のなりわいと技」には「うぐい」と呼ばれる魚伏籠(うおぶせかご)が展示されています。魚伏籠とはその名のとおり籠を伏せて魚を獲る道具のこと。「うぐい」は鳥取市気高町(けたかちょう)のため池、大堤でコイやフナを獲るために使われてきました。細い竹を紐で編んで作られていて、上部がややすぼまった円筒形をしており、底はありません。毎年秋にはため池の清掃のために水が抜かれますが、そのときに漁が行なわれます。

「うぐい」

「うぐい」の使い方は簡単。池の底に伏せる、それだけです。地元ではこの動作を「突く」と呼んでいます。魚の姿は見えません。泥で濁った池の水に、ただひたすら、やみくもに、繰返し突き続けるのです。「うぐい」に魚が入ると、バタバタッという感触ですぐに分ります。魚が入ったらしっかりと池の底に「うぐい」を押しつけて、魚の逃げ道をふさぎます。そして上の穴から手を差し入れて、しっかり魚をつかみます。慎重にネットの袋に魚を入れれば一丁上がりです。

「うぐい」を突く 入った魚をつかむ

この「うぐい突き」、気高町では毎年秋にイベントとして行なわれていて、一般参加も受付けています。ご興味のある方はぜひ。

鯉を獲った筆者

2014年11月11日 研究部 松田睦彦

No.12 「ゴジラ」立像

今年公開されている、2作目のアメリカ版『ゴジラ』は、核実験や原子力発電など、「核」を意識した作りになっています。

映画『ゴジラ』は、そもそもは1954年11月に封切られた日本映画です。この年の3月に、アメリカ軍はビキニ環礁で水爆実験を行いました。このとき、日本の漁船「第五福竜丸」が被曝し、乗員の久保山愛吉が犠牲になったほか、漁船より水揚げされた魚から放射性物質が検出され、廃棄処分となりました。そしてこの水爆実験を契機に、日本では原水爆禁止運動が広がっていきました。

ゴジラは、この水爆実験にヒントを得つつ、空襲や原水爆への恐怖を呼び起こす形で、銀幕に登場した怪獣です。水爆実験によって目を覚ましたゴジラが、放射能をはき出すというもので、人間が自ら生み出した核の恐怖を象徴した存在でした。

歴博では、ビキニ環礁の水爆実験の展示の傍らに、ゴジラが、時折おたけびをあげながら、立っています。1984年版『ゴジラ』をベースに造形したもので、東宝映像美術でゴジラの造形を手がけてきた故小林知己氏の遺作でもあります。

2014年8月21日 研究部 原山 浩介

No.11 ホンモノの青銅器の色

青銅は、銅にスズや鉛を混ぜ、熱を加えて溶かした合金を、鋳型の中に流し込んで、冷やして固めることによって作られます。中国の周代に著された『周礼考工記(しゅらいこうこうき)』には、いろいろな器物の銅—スズ合金の調合が以下のように記されています。

鐘鼎(しょうてい) の斉         スズ 14%
斧斤(ふきん)の斉                スズ 17%
戈戟(かげき)の斉                スズ 20%
大刃(だいじん)の斉            スズ 25%
削殺矢(さくさつし)の斉      スズ 30%
鑒燧(かんすい)の斉            スズ 50%

さて、博物館に展示されている銅鐸や銅矛、銅剣などの青銅器は、その名前のとおり、青緑色をしています。しかし実は、あれは本来の青銅器の色ではなく、あくまでも土中に埋もれている間に生じた錆の色なのです。

青銅は、用途に応じて上のように調合が変えられますが、その金属の色は、含まれている成分の配合比によって変わります。そして、鋳込まれたばかりの青銅器は、いま私たちが博物館でみる姿とは異なり、金属の色に光り輝いていました。

企画展示「弥生ってなに?!」(2014年7月15日〜9月15日)には、復元製作され、金属光沢を放つ銅鐸や銅矛が展示されています。銅鐸には銅86%、スズ7%、鉛7%が、また銅矛には銅83%、スズ15%、鉛2%が含まれており、いずれも金色ですが、色調が異なっています。このほかに総合展示第1展示室でも、青銅鏡など、金属光沢のある青銅製品をご覧になることができますので、どうぞご自分の目で確かめてみてください。

弥生時代中期の扁平鈕式(へんぺいちゅうしき)銅鐸と中広形銅矛(企画展示場で撮影)
 
 
復元製作された扁平鈕式銅鐸と中広形銅矛(企画展示で撮影)
 
企画展示場風景
 

2014年7月24日 研究部 齋藤 努