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開催要項趣旨展示構成関連の催し図録のご案内

開催要項

お金の玉手箱 -銭貨の列島2000年史-
開催期間1997年3月18日(火)〜5月18日(日)
日程 1997年3月18日(火)〜5月18日(日)
うち、休館日は3/24, 31, 4/7, 14, 21, 5/6, 12。 (毎月曜日は休館日。ただし 4/28は開館、5/5は振替休日につき開館、翌6日が休館。)
時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は4時まで)
料金

常設展示の入館料で観覧できます。
毎月第2・4土曜日は小中学生、高校生は入館無料です。

お問い合わせ

企画展示に関するお問い合わせはNTTハローダイアルをご利用ください。オペレータが質問をお受けします。「歴博の企画展示について」とお問い合わせ下さい。

千葉 043-227-8600/成田 0476-28-8600/#8886(プッシュ回線のみ)
平日(月〜土)9:00〜20:00/日・祝日9:00〜17:00

主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

いよいよ開催!舞台裏情報はこちら

私達は日常生活で当然のように「お金」を使っていますが、このお金には、 人類が産み出した知恵とそれにまつわる様々な営みの歴史が詰まっています。 日本においても、今から約2000年前に中国から銅製のお金がもたらされて以来、 お金との長いつきあいがあります。いつも手にしているお金というものを、 今回の企画展で振り返ってみてはいかがでしょうか。

この企画展では、多くの貴重な貨幣を展示するとともに、古文書などの文学史料、 絵巻などの絵画資料、全国各地から出土した考古資料、さらには現代に残る 習俗にまつわる民俗資料など、多面的な資料でお金を巡る日本の歴史と文化を 辿ります。また、小判などの製造工程を再現する試みも行います。いままで知らなかった お金の世界にきっと触れることができるでしょう。

本物の和同開珎や大判・小判をまだ見たことのない方から、貨幣に関心を持つ方まで、 この機会に是非ご来館ください。

図:《天正大判》
東京大学経済学部図書館蔵

図:《錦絵》(部分)
本館蔵

展示構成

  • 「東アジア世界銭貨の出現」
  • 「銭貨との出会い(弥生・古墳)」
  • 「銭貨への歩み(古代1)」
  • 「和同開珎の出現(古代2)」
  • 「輸入銭と模鋳銭の時代(中世1)」
  • 「銭貨の普及(中世2)」
  • 「鋳造技術の復元」
  • 「金・銀・銅—三貨の時代(近世1)」
  • 「生活と貨幣(近世2)」
  • 「民俗と貨幣(民俗・近現代)」
    など

主な展示資料

  • 形さまざま、お金の元祖 — 貝貨、蟻鼻銭、布幣、刀幣(中国・先秦)
  • 列島にもたらされた銭貨 — 〈重文〉長崎・シゲノダン遺跡出土貨泉(弥生)
  • 古墳に納められた銭 — 〈重文〉大阪・和泉黄金塚古墳出土五銖銭(古墳)
  • 和同開珎より古い銭貨か — 〈重文〉滋賀・崇福寺出土無文銀銭(古代)
  • 日本最古の金貨 — 〈重文〉奈良・畠山遺跡出土開基勝寶(古代)
  • 古代寺院の蓄財を示す史料 — 〈重文〉大安寺資財帳(古代)
  • 和同開珎を作った鋳型 — 〈重文〉山口・長門国鋳銭司出土銭笵(古代)
  • 世界に残るのは、わずか一枚?、絶少銭貨 — 天顕通寶(中国・遼)
  • 地中から出土した大量の銭貨 — 兵庫・堂坂遺跡一括出土銭(中世)
  • 束ねられた銅銭の塊 — 広島・草戸千軒町遺跡出土5貫文銭緡(中世)
  • 織田信長所用の銭貨デザインの刀の鐔 — 〈重文〉永楽銭紋鉄鐔(中世)
  • 大判・小判の先駆形態 — 上代方金、上代判金(近世)
  • 天保通寶の製造方法を示す絵巻 — 江戸金座絵巻(近世)
  • 日の目を見なかった試作品のお金 — 円形天保通貨寶銭(近世)
  • 小判が千枚以上入ることもある、みなさん御存知 — 千両箱(近世)
  • 商家の商売繁盛を願う正月儀礼 — 熊本・シュンナメジョ(民俗)
  • ケガレをお金で浄める — 銭洗いの弁天・死体黄金譚(民俗)

関連の催し

歴博フォーラム

第24回歴博フォーラム 銭と日本人

日時 1997年 4月 20日 (日) 午前10時〜午後3時45分
会場 国立歴史民俗博物館 講堂
司会 水藤真(全体)、阿部義平(討論)
報告・討論 西谷大、栄原永遠男、嶋谷和彦、馬場章、今村仁司、新谷尚紀、齋藤努
開催主旨

日本および日本人の成立は、その成立時から複合的であり、長い時間をかけて歴史的に形成されたり、変質したと考えられる。その定義としては客観的には言 語・地域・文化とならんで経済生活の共通性が指摘できる。この経済生活という視角から日本人の成り立ちを考察することは可能であろう。
日本列島に貨幣が中国からもたらされたのは今から約二千年前である。以来、現在に至るまで貨幣は、日本人の日常生活に入り込み、大きな役割を果たし続け ている。これまでの研究はどちらかといえば、いかにして円滑に貨幣を流通させるのかという、国家側からの財政・制度・政治史的な位置づけが一面的に強調さ れ、そうした側面での蓄積は少なくない。ところが、民衆側がどのように貨幣を受け入れ、丸い中空の金属片がなぜ貨幣として流通しえたのかという基本的な問 いに対してはまだ十分な解答が用意されていないように思われる。
今回のフォーラムでは、こうした貨幣をめぐる日本人の歴史と文化について歴史学・考古学・民俗学など多角的・学際的な討論のなかから解明することを目的 とする。とりわけ、民衆生活と銭の関係に焦点をあて、貨幣をめぐる経済外的な役割である呪術・宗教・精神・文化的な機能に注目しながら議論を深めたい。

開催内容
時間 内容
10:00~10:05 挨拶 石井 進(国立歴史民俗博物館館長)
10:05~10:15 司会者 水藤 眞(東京女子大学教授)
10:15~10:45 報告1 「貨幣の誕生と死」
西谷 大(国立歴史民俗博物館助手)
10:45~11:15 報告2 「日本古代銭貨の境界性」
栄原永遠男(大阪市立大学教授)
11:15~11:45 報告3 「近世の墓と銭 --- 銭の経済外的機能をめぐって ---」
嶋谷和彦(堺市埋蔵文化財センター技術職員)
-休憩- 展示解説あり
13:15~13:45 報告4 「『三貨制度』とは何か --- 近世貨幣史再考 ---」
馬場 章(東京大学史料編纂所助手)
13:45~14:15 報告5 「経済以前の貨幣」
今村仁司(東京経済大学教授)
-休憩-
14:30~15:40 討論 司会:阿部義平(国立歴史民俗博物館教授)
水藤 眞
パネラー:西谷 大
栄原永遠男
嶋谷和彦
馬場 章
今村仁司
新谷尚紀(国立歴史民俗博物館助教授)
齋藤 努(国立歴史民俗博物館助手)
15:40~15:45 挨拶 斉藤夫美雄(〈財〉歴史民俗博物館振興会理事)

司会進行:益田 宗(広報普及委員会委員)

申し込み

往復葉書に「第24回歴博フォーラム希望」と明記のうえ住所、氏名(返信用にも)、 年齢、電話番号を記載し、展示課教育普及係まで。

歴博講演会

第158回歴博講演会 鋳造技術と貨幣

日時 1997 年 2 月 8 日 午前 1 時 30 分 ~ 午後 3 時 30 分
会場 歴博講堂
話者 齋藤努(情報資料研究部)

第159回歴博講演会 日本人と貨幣の歴史

日時 1997 年 3 月 8 日 午前 1 時 30 分 ~ 午後 3 時 30 分
会場 歴博講堂
話者 水藤真(東京女子大学)

第160回歴博講演会 民俗学から見た貨幣

日時 1997 年 4 月 12 日 午前 1 時 30 分 ~ 午後 3 時 30 分
会場 歴博講堂
話者 新谷尚紀(民俗研究部)

来館者は誰でも聴講することができます。参加無料で事前の申し込みは不要です。

図録のご案内

「お金の玉手箱」イメージ画像 「お金の玉手箱」
定価:1,800円 / 送料:340円
図録及び販売物についてのお問い合わせ
財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話043-486-8011(9時30分から17時00分まで)/ E-mail:shop@rekishin.or.jp