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開催要項趣旨展示構成スマートフォンを使った展示案内の実験について関連の催し図録のご案内

開催要項

楽器は語る-紀州藩主徳川治宝と君子の楽-
開催期間2012年7月10日(火)~9月2日(日)
開催期間 2012年7月10日(火)~9月2日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室
料金

一般 830(560)円 / 高校生・大学生 450(250)円 /
小・中学生 無料 /( )内は20名以上の団体

※総合展示もあわせてご覧になれます。
※毎週土曜日は高校生は入館無料です。

開館時間 9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで)
休館日

7月17日(火)、23日(月)、30日(月)、8月6日(月)、20日(月)、27日(月)
※8月13日(月)は開館します

主催 国立歴史民俗博物館

展示ポスター

琵琶「白鳳」

趣旨

紀州徳川家伝来楽器コレクションは、主として紀州藩の第十代藩主徳川治宝(はるとみ)(1771~1852)によって収集されたものと伝えられています。笙や篳篥(ひちりき)などの雅楽器を中心に、吹きもの(管楽器)・弾きもの(絃楽器)・打ちもの(打楽器)など各種の楽器20数種、楽譜、その他の附属品、さらに楽器にまつわる情報を記した附属文書から構成されており、総点数161件(233点)を数えるわが国最大級の古楽器コレクションです。在銘のものを含め、その製作期はさまざまな時代におよび、古代に遡る伝承をもつものもあるほか、大陸製の楽器や珍しい調律用楽器も含まれております。点数や楽器種の多彩さ、その内容から、楽器史や音楽史上きわめて重要な、日本を代表する古楽器コレクションとみなされてきました。

これらの楽器を収集した徳川治宝にとって音楽とはいかなる意味をもち、コレクションはどのような構想のもとに生みだされたのでしょうか。今回の企画展示では、このコレクションの中から代表的なものをとりあげて公開するとともに、附属文書等から知られる楽器周辺の文化的な様相を明らかにし、江戸時代の支配者(武家)や文化人にとって「楽」とはどのようなものであったかについて考察していきます。

現代人にとって雅楽などの伝統音楽は決して馴染み深いものとはいえません。また、伝世した楽器がかつて奏でた実際の音色を、われわれは聞くことができません。そこで、展示にあたっては、古の音楽についての理解を深め、親しんでもらうための様々な工夫を凝らしました。あわせて、治宝の楽器収集をより豊かに彩った箱・筒・袋などの収納具や、楽器本体に凝らされ華麗な装飾、卓越した工芸技術についてもご紹介いたします。

展示構成

第I部 楽器の器 ~伝統音楽への誘い

ここでは「楽を奏でる器」である楽器のつくりと音楽のつくりについて解説します。現代では馴染みのない伝統楽器について紹介し、実際に音を出したり聞き比べたりできる支援ツールによって、伝統音楽の世界へ誘うコーナーです。

第II部 楽器をめぐる人々

紀州徳川家伝来の楽器コレクションに注目します。附属する文書等によって、楽器と人々との関わりが見えてきます。楽器がどのように生みだされ、どのように扱われ、人々の文化生活においてどのような役割を演じてきたのかを、様々な側面から検証します。

第III部 治宝の時代と音楽

コレクションがつくられた江戸後期という時代は、武家が雅楽へ接近した時代でした。治宝をはじめとする為政者層としての武家が求めた理想の楽について考え、このコレクションの背景にあった思想・音楽観を探っていきます。

主な展示資料

※期間中、展示替えを行います。

紀州徳川家伝来楽器コレクション(本館蔵)より

  • 笙 銘「真具寿」鎌倉時代
  • 笙 銘「鳳凰丸」仁和2年(1241)信貴山僧頼尊作
  • 笙 銘「山端」元亨元年(1321)
  • 篳篥 銘「思月」
  • 龍笛 銘「青柳」
  • 連管 銘「金龍」
  • 琵琶 銘「白鳳」
  • 琵琶 銘「花月」
  • 箏 銘「葉菊」
  • 箏 銘「武蔵野」
  • 倭琴 銘「大桐」
  • 太鼓・輵鼓・楽譜・調律具など 赤阪御薗積翠池試楽図(本館蔵)
  • 西浜御殿舞楽之図(和歌山市立博物館蔵)
  • 二十五絃琴(東京藝術大学美術館蔵)
箏 銘「武蔵野」(本館蔵)
 
七絃琴(しちげんきん) 銘「幽蘭」 (本館蔵)
 
琵琶 銘「白鳳」(本館蔵)
 
袖笙 銘「鈴虫」(本館蔵)
 
笙 銘「真具寿(まくず)」皆具(本館蔵)
 
連管 銘「金龍」(本館蔵)
 
太鼓(本館蔵)
天長春鶯囀(てんちょうしゅんのうでん)の御譜
天保10年(1840)に、治宝が京都方楽人・豊原文秋より伝授された琵琶の楽譜。(本館蔵)

スマートフォンを使った展示案内の実験について

本企画展示の開催期間中、企画展示場および周辺通路にて、スマートフォン向けの情報コンテンツの配信実験を行ないます。お手持ちのiPhone、iPad、Android等のタブレット端末・スマートフォンを使って、企画展示内で使用している音声・動画コンテンツを再生していただくことができます。(ヘッドフォンを忘れずにお持ちください)

詳細はこちら(PDF)

関連の催し

第3展示室特集展示 「もの」からみる近世

雅楽を伝える-南都楽人(がくにん)辻家資料-

7月10日(火)~9月2日(日) 
第3展示室副室にて開催

創作楽弓による発音体験「一弦さん」

企画展示室前にて会期中常設  
構成・制作:伊達伸明(美術家)

歴博フォーラム

歴博講堂にて開催、入場無料、要事前申込、先着順(定員260名)

第83回 「人・音・文化-紀州徳川家伝来楽器コレクションをめぐって-」

日時 7月21日(土) 13時00分~16時30分
講師 日高 薫(当館情報資料研究系)・遠藤 徹(東京学芸大学准教授)他

詳細はこちら

コンサート「雅楽へのいざない」

歴博講堂にて開催、入場無料、要事前申込、先着順(定員260名)

※定員満了ため、お申し込み受付けは終了しました。

日時 7月22日(日) 13時30分~15時00分
演奏・舞 伶楽舎
演目 管弦 越殿楽(紀州徳川家伝来の雅楽譜による)

歴博講演会

歴博講堂にて開催、入場無料、要事前申込、先着順(定員260名)

第344回 「徳川治宝の楽器収集とその時代」

日時 8月11日(土) 13時00分~15時00分
講師 遠藤 徹(東京学芸大学准教授)

ギャラリートーク

日程 時間 担当者
7月28日(土) 10:30~ 日高 薫 (当館情報資料研究系)
8月4日(土) 11:00~ 日高 薫 (当館情報資料研究系)
8月5日(日) 11:00~ 日高 薫 (当館情報資料研究系)
13:30~ 日高 薫 (当館情報資料研究系)
8月11日(土) 11:00~ 日高 薫 (当館情報資料研究系)
8月12日(日) 11:00~ 内田 順子 (当館民俗研究系)
8月19(日) 11:00~ 日高 薫 (当館情報資料研究系)
13:30~ 日高 薫 (当館情報資料研究系)
8月25日(土) 13:30~ 岩淵 令治 (当館歴史研究系)
  • 時間は40分程度を予定しています
  • 開催日時、担当者は変更する場合があります。ご了承ください。

図録のご案内

「楽器は語る-紀州藩主徳川治宝と君子の楽-」
価格:1,800円(税込) 送料:340円

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財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話:043-486-8011(9時30分から17時00分まで)/ E-mail: shop@rekishin.or.jp