開催要項
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開催期間 | 2005年8月13日(土)〜9月19日(月・祝) |
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開館時間 | 午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 通常料金(常設展と共通) |
休館日 | 毎週月曜日(ただし、祝日の場合は開館し、翌日が休館となります) |
展示主旨
春夏秋冬、日本の四季は表情豊かで、季節を伝える歳時も豊かです。現代社会に生きる我々にとって、夏は「古き日本」的な世界に多く触れる季節ではないでしょうか。うちわ片手に浴衣姿で楽しむ花火などは、その代表例ということができるでしょう。浴衣は、かつて広く一般に普及した衣装でしたが、現在日常的に身に着ける人はほとんどおらず、「伝統的」なイメージのある存在といえるでしょう。花火も、江戸時代以来、夏の風物詩として、人々の間になじみの存在です。また、暑い夏を涼しく過ごす「納涼」と切っても切れない関係の、妖怪や怪談も夏を彩る風景ということができるでしょう。こうしたものの多くは、江戸時代から明治にかけて登場したり、普及したりしたものです。
本展示では、現代社会に息づく夏の風物詩を、「浮世絵」「浴衣」「贈答」「幽霊・妖怪」といった4 つの視点で描き出します。より身近な視点から、伝統的イメージの背後に広がる豊かな世界へと皆様を誘います。
展示構成
- 浮世絵 「夏商人」「夏と花」「花火」
- 浴衣 「描かれた浴衣」「浴衣-江戸から近代まで-」「中形の型紙」
- 贈答 「瓜-夏の贈物」「正月と八朔」「重陽」「歳暮」「端午」
- 幽霊・妖怪 「応挙と幽霊」「百鬼夜行絵巻」「妖怪繚乱」
浮世絵
江戸時代以降、一般に広く流通していた浮世絵版画から、多くの人々が共感し、共有した夏のイメージをよみときます。ここでは、「夏と花」「夏商人」「花火」の3つの視点を用意しました。「夏商人」と「夏の花」では、夏の装いの中に描かれた人気役者絵を紹介します。「俳優見立夏商人」は金魚など商う行商人姿で彼らを描き、「当盛六花撰」は彼らに季節の花の彩を添えたものです。また、「花火」では、「両国大花火夕涼之景」をはじめとして、浮世絵の夏の画題として人気があった両国の花火を紹介します。我々がもつ夏のイメージと当時の人々のイメージを重ねて見たいと思います。
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浴衣
夏の装いである浴衣は、貴人が湯浴みなどの沐浴に際して着用していた「湯帷子」に始まり、その略称であるとされています。平安時代以来の歴史をたどれますが、江戸時代には家庭着・労働着から祭礼の衣装にまで用途が広がり、一般的な存在として普及します。こうした、夏と浴衣の結びつきを、浴衣が普及した江戸時代を対象に、作る、装う、洒落る、という3つの視点で迫ります。今に伝わる当時の浴衣を中心として、型紙を通じて浴衣のデザインの豊かさに触れ、描かれた世界から「粋」の世界に触れたいと思います。
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贈答
夏にはお中元、年末にはお歳暮、正月にはお年玉、と現在でもいろいろな贈答の機会があります。ここでは、当館所蔵の古文書から、江戸幕府の贈答に関する文書を紹介します。
正月、端午の節句(五月五日)、八朔(八月一日)、重陽の節句(九月九日)、歳暮には、大名や旗本から将軍へと季節の贈り物が献上されました。それに対するお礼状が、「徳川家康書状」などの文書になります。展示するのは、いずれも、徳川家康や徳川吉宗など、一般になじみの深い人々から出されたものです。
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幽霊・妖怪
夏を彩るものとして、幽霊・妖怪は欠かせません。盆に死者が去来するという考えの普及とともに、幽霊と夏は結びつき、怪談も現実味を帯びてきました。異様な姿で不思議な力を秘めた超自然的な存在である妖怪も、口頭伝承や文芸、絵画などを通じて、多様な関係性のなかで形作られてきました。こうした怪談・妖怪をめぐる文化について、長い歴史の中で築き上げられてきた豊かな広がりを紹介します。
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関連イベント
ギャラリートーク
午後2時から ガイダンスルーム (展示室に移動する際には、入場券が必要になります)
※集合場所:展示室前
日程 | 内容 | 講師 |
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8月20日(土) | 「妖怪」 | 常光徹 |
8月27日(土) | 「浴衣」 | 澤田和人 |
9月3日(土) | 「浮世絵」 | 大久保純一 |
9月10日(土) | 「贈答」 | 小島道裕 |
9月17日(土) | 「幽霊」 | 山田慎也 |