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開催要項主旨展示構成主な展示資料関連の催し図録のご案内

開催要項

平成16年度企画展示 海をわたった華花
開催期間2004年7月13日(火)〜 9月12日(日)
開催期間 2004年7月13日(火)〜 9月12日(日)
会場
  • 国立歴史民俗博物館 企画展示室第1〜3室 エントランス中庭 
  • くらしの植物苑
時間
  • 博物館:午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 植物苑:午前9時30分〜午後4時30分(入苑は午後4時まで)
料金
  • 博物館:常設展と共通
  • 植物苑:通常通り
休館・休苑日 毎週月曜日(ただし、月曜が祝日の場合は翌日)
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

人間と植物とのかかわりの歴史は、生活文化の全体に深くかかわっており、かつ変化に富んだものでした。日本列島で展開した生活文化には、日本に自生 する植物群だけでなく、海をわたってもたらされた多種多様な植物群が深くかかわり、かかわり史に変化をもたらしてきました。これまで、歴史的に深くかか わってきた植物群はイネやムギのような穀類が中心に据えられてきましたが、そのような単調なものではなく、実際には、アサガオ、ボタンやシャクヤク、ウメ やキクなどたくさんの花卉園芸植物、ヒョウタンやメロン(いわゆるウリ)、ナスやトウガラシ、ワタやベニバナなどの果菜類、サトイモやサツマイモなどの根 菜類が深くかかわってきたのです。さらに、一度日本列島にもちこまれたものがしだいに波及していったという単純なものでなく、幾たびも、異なるたくさんの 系統がもちこまれ、あるものは一瞬に途絶え、あるものは急速に波及していくといったように、複雑なかかわり史をもっていることがわかってきました。

こうした海をわたった植物群については、植物の種類ごとに、また、研究の分野ごとに研究が進められ、日本の歴史あるいは生活文化史といった枠組みの 中で総合されることはほとんどありませんでした。そのため、日常生活に深くかかわっている植物とのかかわり史についても、園芸文化史など一部を除いては断 片的にしか伝えられてきませんでした。

この企画展示は、これまで個々に解明が進められてきた植物たちの歴史を日本の生活文化の枠組みの中で総合し、植物遺体や文献史料という実物と、種子 や苗から育てた生き証人の二通りの展示をとおして、海をわたった植物たちと人とのかかわり史の理解を深め、日本歴史の新しい視点を見いだそうとするもので す。

展示構成

導入部

  1. エントランス正面:船に満載の華花
  2. エントランス奥:海をわたった華花−茶道・華道の中の華花
    • 千葉県茶華道協会の協力による展示
    • 中世・近世の古典的な茶華道
    • 海をわたった華花の現代作風
  3. 階段から中庭:縄文時代から現代の船とヒョウタンをシンボリックに表現
  4. 中庭:芋(サトイモ)畑および芋の葉・茎をモチーフにした展示室入口天井

企画展示室1・2・3

遺跡出土の植物遺体や文献史料から解読した華花と人のかかわり史

展示室1
  • 縄文時代から現代まで-海をわたった華花大絵巻       
    • 平城宮址の華花、野菜涅槃図、謎と幻の植物たち 
      ベニバナ、センノウ、イチョウ、ウルシ、チャンチンモドキ
展示室2
  • 華花の履歴書-ヒョウタンからアサガオまで        
    • ヒョウタン、メロン、サトイモ、モモとウメ、キク、アサガオ
展示室3
  • 海をわたった日本の植物たち
    • 華花の履歴を解読する-材料と方法        
    • 華花とあそぼう-体験コーナー        
    • シーボルト・プランツ、植物の伝播と波及:ウンチの自然史等

くらしの植物苑

夏の伝統植物「アサガオ」「ウリとヒョウタン」「サトイモ」を中心に 世界最小ザッソウメロンから世界最長のヘビウリまで、シーボルト・コーナー等

主な展示資料

  • 平城宮址出土の渡来植物
  • 伊藤若冲筆「野菜涅槃図」の立体再現模型
  • 江戸・溜池遺跡(現首相官邸下)の縄文時代〜近代地層はぎ取り断面
  • 日本で出土した主要ヒョウタン遺物復元模型
  • 縄文時代〜近世の代表的な遺跡の出土渡来植物
  • 生きた植物を運ぶウォードの箱等

展示替え予定一覧

展示期間:7/13~8/1

展示室 資料名 所蔵先
紅綸子地梅林模様染絞縫小袖 本館蔵
紺綸子地菊水模様絞縫小袖(小袖屏風) 本館蔵
白麻地雪華菊尽模様染縫帷子 本館蔵

展示期間:7/13~8/8

展示室 資料名 所蔵先
五節句図のうち七夕図 土佐光孚筆 個人蔵
岩松宮本北野縁起絵巻(上) 本館蔵
梅花散硯箱 個人蔵
槍梅螺鈿蒔絵重箱 サントリー美術館
助六郭の花見時 本館蔵
筑紫朝顔日記 本館蔵
貴女風俗花の咲分 本館蔵
百種接分菊 本館蔵
菊の細工物 団十郎菊之丞・暫 本館蔵
菊慈童蒔絵硯箱 個人蔵
菊蒔絵文台 サントリー美術館

展示期間:8/3~8/22

展示室 資料名 所蔵先
紫綸子地梅樹模様絞縫小袖 本館蔵
白綸子地菊籬模様縫小袖(小袖屏風) 本館蔵
黒綸子地菊水模様絞縫箔小袖 本館蔵

展示期間:8/10~9/12

展示室 資料名 所蔵先
岩松宮本北野縁起絵巻(下) 本館蔵
梅花散手箱 個人蔵
梅花散湯桶 個人蔵
梅月蒔絵硯箱 古満休伯作 個人蔵
松竹梅名残島台 本館蔵
助六色花王 本館蔵
東海道五十三次の内 金谷 朝顔 本館蔵
菊枝散硯箱 個人蔵
菊蒔絵交椅 高台寺
菊慈童蒔絵鏡箱 個人蔵
流行菊花揃(象の菊人形)染井植木屋金五郎 本館蔵
菊番付道順独案内 巣鴨町菊屋鉄太郎 本館蔵

展示期間:8/24~9/12

展示室 資料名 所蔵先
白綸子地梅樹文字模様染縫小袖 本館蔵
黒綸子地斜格子菊吉祥模様絞縫腰巻(小袖屏風) 本館蔵
水浅葱縮緬地菊籬模様友禅染縫振袖 本館蔵
大長ユウガオ 唐梅 肥後・黄山の秋

関連の催し

ギャラリートーク

月日 曜日 時間 講師 集合場所
8月 1日 (日) 10:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
8月 7日 (土) 10:30- 辻、藤下、箱田 本館:企画展示室前
8月 8日 (日) 10:30- 辻、藤下 本館:企画展示室前
13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
8月14日 (土) 10:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
8月15日 (日) 10:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
8月21日 (土) 13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
8月22日 (日) 13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
8月28日 (土) 13:30- 仁田坂、日高、岩淵 本館:企画展示室前
9月 4日 (土) 13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
9月 5日 (日) 13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
9月11日 (土) 13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前
9月12日 (日) 13:30- 辻 誠一郎 本館:企画展示室前

なお、ボランティアによる展示ガイドと体験コーナーもございます。

歴博講演会 

開催日程 2004年7月10日(土)13:30〜15:30
会場 国立歴史民俗博物館 講堂
内容 海をわたった華花−日本文化を咲かせた植物たち
講師 辻 誠一郎(東京大学)

第76回「メロンの世界 -日本のメロンは弥生から」

開催日程 2004年7月24日(土)13:30〜15:30
講師 国立歴史民俗博物館 講堂
日程 藤下 典之(前大阪府立大学)

第77回「平成のアサガオ・ブーム -現代の朝顔とあそぶ」

開催日程 2004年8月28日(土)13:30〜15:30
講師 国立歴史民俗博物館 講堂
日程 仁田坂 英二(九州大学)

公開シンポジウム

開催日程 2004年7月29日(木)13:30〜17:00
会場 国立歴史民俗博物館 講堂
内容 「海をわたった華花」 "Plants and Flowers that Crossed the Sea"  
国際植物分類学会の公開シンポジウムとして開催
オーガナイザー 辻 誠一郎・大場 秀章
プログラム
  • 開会のあいさつ 宮地 正人(国立歴史民俗博物館 館長)    
  • 「海をわたった華花」と日本の植生史  辻 誠一郎(東京大学)
  • 日本における園芸史 大場 秀章(東京大学)
  • 日本の古代(弥生〜奈良・平安)のメロンの系譜  藤下典之(前大阪府立大学)
  • 東アジアのツバキ属植物 箱田 直紀(恵泉女学園大学)    
  • ギャラリー・トーク「海をわたった華花」
備考

国際植物分類学会2004年国際シンポジウム「アジアの植物多様性」

  • 日程:7月29日(木)〜8月1日(日)
  • 主催:日本植物分類学会・国際植物分類学会・国立歴史民俗博物館・種生物学会・日本藻類学会    
  • 会場:国立歴史民俗博物館 講堂

*開催要項(英語)はこちら→http://www.soc.nii.ac.jp/jsps/iapt2004/

歴博フォーラム

開催日程 2004年8月7日(土)13:30〜16:30
会場 国立歴史民俗博物館 講堂
内容 海をわたった華花2004-人と植物の日本史-

図録のご案内

「海をわたった花華 ― ヒョウタンからアサガオまで ―」
価格:1,200円 / 送料:340円