企画展示「ドキュメント災害史 1703-2003〜地震・噴火・津波、そして復興〜」

このページの目次
016 閉幕 03/09/23015 災害展示の読み方、見方 03/09/16014 災害とは何か 03/09/09 013 走る!歴博バス 03/09/02012 災害展示サマー 03/08/25011 後半のイベント予告 03/08/18 010 ギャラリートーク繁盛記 03/08/11009 知恵と知識 03/08/02008 博物館で一夜の避難体験!! 03/07/29007 新しい世紀の災害論 03/07/22006 チョコレート溶岩! 03/07/15005 開幕!! 03/07/08004 東奔西走・バイクと駅そば 03/07/01003 工事開始! 03/06/24002 ボランティア 03/06/17001 カウントダウン 03/06/11

毎週火曜日更新。

これまでペーパーメディアとして隔月で発行してきた「展示通信」がパワーアップ!!
電脳上で週刊化し「ドキュメント災害史1703-2003」展を「ドキュメント」します。

016 閉幕 03/09/23

7月8日から77日間にわたって開催されてきた「ドキュメント災害史1703-2003」展も9月21日をもって無事閉幕いたしました。

まさに一夏を一閃のように駆け抜けた災害史展でしたがおかげさまで4万人をこえる方々に見ていただくことができました。

災害とは、人間にとって起こってはならないできごとであると同時にそこから立ち直る際に人々の思わぬ力が顔を出すという領域です。今回の災害史展を通じてそれのさまざまな側面を少しでも考えることができればというねらいがありましたがいかがでしたでしょうか。

さて、展示は終了しましたが、図録「ドキュメント災害史1703-2003」ならびに展示の副読本「歴史・災害・人間」上巻<災害史原論>編、下巻<展示の文法>編はミュージアムショップで発売中です(http://www.rekishin.or.jp/)。

今回の展示を見逃した方、あるいは今回の展示の「感動」をもう少し味わっておきたい方がおられましたら、メール、電話での通信販売も行っていますので、ミュージアムショップまでお問い合わせ下さい。

web展示通信も今回で終わります。長らくのご愛読ありがとうございました。

015 災害展示の読み方、見方 03/09/16

「ドキュメント災害史1703-2003」もいよいよ最後の週を迎えました。

9月21日のフィナーレまでまだまだ展示場はあつく燃えていますが、ここでは、このほど(9月13日)行われた歴博講演会「災害展示の読み方、見方」の内容を紹介したいと思います。というのもこの講演会は今回の災害展の企画を裏方で支えてきたスタッフがどのような意図で展示を行ったかを語ったもので、展示の意図と現実を検証しようというこころみだったからです。

講演は、まず、篠原徹の「公募型企画展示とは何だったのか?」からスタート。歴博初の公募型企画展示のねらいとその達成度についてこの試みを推進した立場から述べられました。つづいて寺田匡宏が「災害展示のドキュメント−「展示通信」について-」と題して、今回の展示のプロセスを公開するために発行していた「展示通信」について振り返りました。そして次に、展示代表者・北原糸子が「展示の意図と展示の現実」と題して寛政雲仙普賢岳噴火の古文書史料を紹介。被災した人々のリアルな状況を語る史料でしたが「今回の展示ではなかなかそのようなところまで踏み込むことはできなかった」と正直に胸中を吐露しました。そして、最後に、展示構成を担当した西谷大が「展示の工夫と展示の文法」と題して講演。災害という自然現象を展示することの難しさに直面しつつしかし、「遊び心」をキーワードにしてどのように展示を組み立てたかを語りました。

今回の「ドキュメント災害史1703-2003」は、多くのことがはじめてで手探りで組み立ててきたものですが、その状況のなかでどのように私たちが奮闘したのかの一端を知っていただけたのではないかと思います。

さて、あと残り1週間です。最後の2日間には、展示構成責任者の西谷大と展示プロジェクト委員会代表の北原糸子のギャラリートークも予定しています。

まだ見ていない方はお見逃しなく!!

014 災害とは何か 03/09/09

 

展示期間も残り2週間となりましたが、まだまだ「ドキュメント災害史1703-2003」は元気です。

さて、展示開始以来、多くの方にみていただき、またいろいろなご質問や感想をいただいてきましたが、その中で印象に残った質問がありました。

それは「災害とは一体何なのですか」という質問でした。この質問には同時に「災害を展示するとはどういうことですか?」「人間にとっての不幸を展示してもよいのですか?」などの変形バージョンが付随していたこともあります。

じつはこの問題はこのプロジェクトが始まってから私たちがずっと考えてきたことです。災害とは人の不幸であり、それを堂々と展示してもよいのだろうか、と。

しかし展示を進めていく中で、それこそ、地球的規模のスパンでみると偶然でしかない災害に人が出逢うことの不条理さは、すなわち、人間がこの世に存在していることの不条理と条理でもあるのではないか、という考え方もあることに気付きました。私という人間がこの世に生まれそして喜びや悲しみを感じていることはほとんど偶然に過ぎません。しかし、その偶然に意味を見いだし、生きていく力にかえていくのは人間です。

今回、「ドキュメント災害史1703-2003」の最後の部分は、鯰絵と阪神大震災のボランティアです。どちらも悲しくつらい災害を乗り切っていく人間のエネルギーを感じさせてくれます。災害とは何か、最後にあらわれる彼らの顔をみてその答えを感じていただきたいと思います。

013 走る!歴博バス 03/09/02

「ドキュメント災害史1703-2003」のバスが走っているのをご存じでしょうか?

これは今回の企画展に合わせて歴博が走らせているバスで、ボディーに江戸の花火の風景と屋形船などが描かれ、それを背景にして「ドキュメント災害史1703-2003」の文字が浮かび出ています。

東京でバスといえば鳩バスですが、これは鳩バスならぬ歴博バス。

このバスは全部で3台ありまして、東京都営バスの3つの営業所、それぞれ南千住、深川、北、の営業所に所属しています。

どこを走るかはそのときによって変わりますので、このバスをみることができた人はかなりラッキーかもしれません。

見かけたときには「歴博バスだ!!」と呼びかけてみて下さい。

012 災害展示サマー 03/08/25

今年は冷夏がつづいたり、地震が頻発したりと世間が少し騒がしい夏ですが、それに合わせるようにして、本館の「ドキュメント災害史1703-2003」以外でも災害展がいくつか開かれていますのでご紹介したいと思います。

まず横浜の日本新聞博物館では「大震災と報道」展が開催されています。これは新聞紙面によって関東大震災の状況を振り返るというもので、「関東大震災80年」を期に企画されたもの。10月19日まで開催されます。

また同じく横浜の神奈川県立歴史博物館では「80年目の記憶−関東大震災といま」が展示中。横浜はあまり知られていませんが、関東大震災の際に3万人近くの死者を出し大きな被害があったところですが、その神奈川県の被害を振り返ろうというもの。9月7日まで開催されています。

そして東京上野にある国立科学博物館では「THE地震展」が開催中。これはおもに地震学の最先端の研究と防災の備えを紹介するものでリアルタイムで地震を測定する装置などが展示されています。(10月26日まで)

どの展示も関東大震災から80年という節目に開かれたものです。示し合わせて展示が開かれたわけではありませんが、この2003年の夏というのは「災害展示サマー」として記憶されそうです。

011 後半のイベント予告 03/08/18

「ドキュメント災害史1703-2003」展も盛り上がりのうちに無事お盆を乗り切り、後半戦に入りました。

後半のイベントの予告をしておきたいと思います。

主なイベントは二つ。

一つは9月14日(日)に行われる「歴博研究集会」で、これは「歴史が伝える災害像/科学が開く防災力」をテーマに今回の災害史展の展示プロジェクトに関わった研究者が一堂に会して、研究の最先端をフォーラム形式で語り合うというもの。津波、地震、火山、そして復興のそれぞれを担当した方々が自らの研究内容を語ります。また基調講演として東京大学名誉教授の荒牧重雄さんが「日本列島 火山の歴史」と題して災害の多発するこの日本列島の歴史と自然について講演します。司会は元NHK解説委員で、現在は防災情報機構会長の伊藤和明さん。わかりやすく現在の災害史研究のトレンドを解説しますので、みなさまぜひご来場下さい。

そしてもう一つは、9月13日(土)に行われる「歴博講演会」。これは「災害展示の読み方、見方」と題して、今回の展示プロジェクトの代表者北原糸子、展示構成を担当した西谷大ほかの展示関係のスタッフが展示に至るまでの意図と舞台裏をシンポジウム形式で語るというもの。今回の「ドキュメント災害史1703-2003」は各方面での反響も大きく、展示に至るまでのノウハウと災害を展示するとはどういうことかという問題提起を行います。こちらも決してかたくるしくないものを予定していますので、ぜひお越し下さい。

010 ギャラリートーク繁盛記 03/08/11

今回の展示では、ギャラリートークを展示期間全11週に合計19回実施することになっていますが、これまですでに8回がおわりました。

ここでギャラリートークがどのようにして行われているかをご紹介したいと思います。

まず、時間ですが、午後2時から3時の1時間。まず参加希望の方にはエントランスホールの災害史展のサインパネル前に集合していただきます。そして、講師の先生の紹介の後、順路にしたがって展示を見ながら解説を加え、その先生の担当したコーナーにさしかかると、そこで時間をとって長めの解説をしてもらう、という構成になっています。

だいたいの参加人数は30人から50人くらい。展示には途中、「足踏み式津波実験プール」や「復興富くじ実演コーナー」などの体験コーナーがあるため、わずか1時間の館内ツアーですが、はじめはぎこちなかった参加者のみなさんも、最後にはすっかりリラックスして帰っていただいています。

それから何といっても魅力はプロが自分の専門分野を自分のことばで語ること。ギャラリートークを聞いて、「えっ、あの無味乾燥な数字がここまで生き生きと動き出すのか」という思いを持つのは筆者だけではないはずです。

これからも毎週末実施していますのでぜひご参加下さい。(詳細はギャラリートークのページでご確認の上お越し下さい)

009 知恵と知識 03/08/02

今回の展示は展示空間の劇場化を掲げていますが、最後の「復興」の展示コーナーからエスカレーターでたどり着くのがミュージアムショップ。ここで現世に戻っていただこうというもくろみですが、ミュージアムショップでも「ドキュメント災害史1703-2003」展の世界を味わうことができます。

開催しているのは「展示プロジェクト委員会が選ぶ災害図書100選ブックフェア」「災害復興物産市場」「プロがすすめる防災グッズメッセ」の三つ。キャッチコピーは「お金で命は買えませんが、知恵と道具は買えます」。

災害図書ブックフェアでは、展示プロジェクト委員から推薦された災害に関する基本図書を精選するとともに、幅広く災害と文化をとらえた図書も販売。その他にも歴博フォーラムで講演していただいた池澤夏樹さんの図書なども揃えています。もちろん今回の展示プロジェクト委員の先生方の書かれた本も置いています。

「プロがすすめる防災グッズメッセ」は災害情報発信の「レスキューナウ・ドット・ネット」の協力を得て展開。非常食や乾パン、缶入り食パン、命の水(5年間保存可能)などの基本物資から簡易浄水器、手動発電による懐中電灯などを揃えています。

最後に「災害復興物産市場」ですが、これは島原から雲仙普賢岳平成噴火の復興関係の物産を「直輸」。お湯を入れると温度によって色が変わるマグカップやナッツ入り「溶岩チョコレート」などが好評です。

災害にであって打ちひしがれているばかりでは復興は不可能です。そのための対策をミュージアムショップでぜひ手に入れて下さい。

008 博物館で一夜の避難体験!! 03/07/29

7月26日(土)、27日(日)に、「博物館で一夜の避難体験!!」がおこなわれました。

12組の小学生と保護者の方が、歴博で一夜を過ごしながら、災害時の具体的な対応を知ってもらうだけでなく、夜の博物館を体験してもらおうという試みです。

歴史災害の展示とは違い、実際の災害とどう向き合うかとなると歴博スタッフだけでは手におえません。そこで今回は、消防庁から斉藤さんと古賀さんが、市民防災研究所からは青野さんが応援にかけつけてくださいました。

消防庁の斉藤さんからは、阪神大震災の経験をふまえ、災害時に対する心構えを、青野さんからは、停電したときのために、ガラスのコップやサラダ油、ティッシュ、アルミホイルなどの台所にある身の回りにある材料を使ったローソクの作り方を教えていただきました。

夜食は、なんと非常食。お湯をいれるだけでできてしまう五目ご飯です。

そして企画展示のミュージアム・ナイトウォーキングをしたあと、歴博民俗研究部の篠原さんの解説によって、非常灯しかついていない少しおどろどろしい民俗展示室を懐中電灯たよりに探検。

最後に参加者はエントランスで寝袋で寝るという、普段は経験できない、そしてスタッフにとっても楽しくも貴重な体験の一夜でした。

007 新しい世紀の災害論 03/07/22

「ドキュメント災害史1703-2003」関連イベントとして第43回歴博フォーラム「新しい世紀の災害論」が、7月19日(土)東京銀座のヤマハホールで開催されました。(主催・国立歴史民俗博物館、後援・朝日新聞社)

フォーラムは2部構成で実施。まず午前中に作家の池澤夏樹さんによる基調講演「新しい世紀の災害論」が行われ、午後はシンポジウム「いま、歴史の知恵を私たちの備えに」が開かれました。

池澤さんの基調講演はまず、天明浅間山噴火を描いた自著「真昼のプリニウス」(中公文庫)を「人はどのように体験を認識し言語化するのか」という小説だったと振り返ったあと、沖縄の台風の話からはじめ、自然は人間の意志とは無関係に存在していること、だから自然に対して「責任をとってほしい」ということはできないこと、しかしそのなかで災害に対応するとすれば「ブリコラージュ」的な戦略が必須になることなどを指摘。マニュアル化され社会の商品化が進んだ現在における災害への対処の仕方あるいは自然とのつきあい方が提案されました。

午後からのシンポジウムは朝日新聞大阪本社社会部編集委員・山中茂樹記者の司会により、市川啓一さん(レスキューナウ・ドット・ネット)、河田恵昭さん(京都大学防災研究所)、北原糸子(国立歴史民俗博物館)、原田憲一さん(京都造形芸術大学)が討論。秒単位のインターネットの世界、日刊紙というデイリーの世界から、300年の江戸の世界、あるいは46億年の地球史の世界、さらには防災という未来の世界をつなぐという無謀とも気宇壮大ともいえる話でしたが、逆にそのような「総合知」こそが「新しい世紀の災害論」のためには必要であるということが示されました。

なお、このシンポジウムの詳細は、近く朝日新聞に掲載される予定です。(7月28日(月)朝刊15面(東京本社)、8面(大阪本社)に掲載されました。)

池澤夏樹さんによる基調講演「新しい世紀の災害論」

シンポジウム「いま、歴史の知恵を私たちの備えに」。司会の山中茂樹記者。

東南海津波について説明する河田恵昭さん。

インターネットを使った災害情報システムについて説明する市川啓一さん。

展示代表者・北原糸子による「都市と災害」。

「ガイアと会話する男」原田憲一さんによる「生きている地球と人間、そして災害」。

シンポジウムの光景。

   

 

006 チョコレート溶岩! 03/07/15

「ドキュメント災害史1703-2003」ではさまざまなイベントを予定していますが、その第1弾として「歴博探検」第1回「チョコレート溶岩で火山噴火のシミュレーション!」が行われました(7月12日)。

展示プロジェクト委員の林信太郎さん(秋田大学)が隊長となった今回の「歴博探検隊」には、小中学生約30人が参加。火山学が専門の林さんが開発した、火山噴火のメカニズムをココア火山とチョコレートを用いて再現する注目の実験です。

まずはココアを盛り上げた山の下部から生チョコレートを注入してマグマの噴出を実験。チョコレートの粘りぐあいによって溶岩ドームのでき方や溶岩の流れ方が違うことを学びます。続いて、鳥海山の立体地図にココア泥流を流してハザードマップのシミュレーション。「ハザードマップ」を体感するとともに、これまた、ココアの量や濃度のわずかな違いによって被害範囲が変わることを実感しました。

マグマとなったチョコレート溶岩は掘り出してペロリ。あたりにはチョコレートの甘いにおいが漂いました。

噴火のメカニズムと対処法を知るまさに「食べる火山学」ですが、展示場にならんでいるのは実物のテフラでチョコレートではありません。食べられませんから、くれぐれもお間違えのないよう。

今回の歴博探検隊長・林信太郎さん。

ココア火山を作る。

チョコレートマグマ上昇中。注射器で下から注入しているところ。

崩壊寸前の溶岩ドーム。

粘性の弱いチョコレートマグマは山麓まで流れてしまいます。

ココア泥流を流す立体地図を説明する林隊長。

出羽の名峰・鳥海山にチョコレート泥流が!

ハザードマップのシミュレーションと比較。被害地域が重なる。

 

005 開幕!! 03/07/08

「ドキュメント災害史1703-2003」展がいよいよ開幕しました。

写真は7月7日に行われた内覧会の様子。内閣府災害復旧・復興担当参事官、消防庁長官、国土交通省河川局防災課長など150人の方々が来られオープンに先立って展示をみていただきました。

これから9月21日までの77日間「ドキュメント災害史1703-2003」の夏がはじまります!

挨拶する北原糸子代表

エントランスホールの津波展示にて解説する展示プロジェクト委員の村上仁士氏

江戸・東京の三地震について解説する展示プロジェクト委員の武村雅之氏

 

004 東奔西走・バイクと駅そば 03/07/01

今回は現場からのリポートです。いまは、展示資料をお借りしている真っ最中。スタッフが日本全国を走っていますのでその様子を伝えてもらいましょう。富士宮市には展示プロジェクトの西谷大が出かけています。現場の西谷さん、そちらはいかがですか。

いま展示する資料の借用のため、長崎県の島原市を経由して、静岡県富士宮市に到着したところです。梅雨の日本列島、天気予報は、北海道と梅雨明けした沖縄地方を除いてすべて雨です。

島原市と雲仙岳災害記念館からは、平成の雲仙普賢岳の噴火で火砕流にあった、バスの停留所、樹木、バイク、溶けたビン類などをお借りしました。特にバイクは、激しく焼けただれ、火砕流のすさまじさが伝わってきます。

資料を梱包しトラックに積み込み、ひたすら東へ。兵庫県姫路駅で、えきそば(ここでしか食べられない黄色いそば)を食べ、元気をとりもどし、富士宮市にたどりつきました。

焼けただれたバイクをトラックにのせるのところ。

姫路駅の黄色い「えきそば」。ここでしか食べられない。

ここでは国土交通省の富士砂防事務所で、富士山宝永噴火の際に降り積もった、テフラ層はぎ取り断面をお借りしました。断面をみると、こぶし大の石がふりつもった様子がよくわかります。噴火当時、これが熱く焼けて、空からものすごいスピードで降ってきました。人にあたれば、確実に死ぬだろうと実感しました。

日本各地から、展示する資料が集まっています。展示場では、いよいよ資料の展示がはじまります。

さすが東アジアの食文化の専門家、駅そばのうんちくもかたむけつつのリポートでした。お借りした資料はいよいよ展示場へ。展示オープンまであとワン・ウィークです。(trd)

003 工事開始! 03/06/24

いよいよ展示場の工事がはじまりました。

今回の展示では「開館20周年記念展示」ということでとくに歴博の“建物全体”を展示空間とすることになり、総計2,300平米を使用。その展示のためのさまざまな造作の制作がはじまりました。

歴博といえば「街並みの美学」で高名な建築家・芦原義信氏の設計。1983年に竣工したこの建物によって芦原氏が日本芸術院賞を受賞したという作品ですが、その建築の構造そのものをも企画展の装置にしてしまおうというのが今回のもくろみで、それこそ大地と一体化した芦原作品を取り入れた体感する展示場となっています。コンセプトとしては佐倉城跡の大地形を活かした芦原作品の空間構成を取り込み、ビジターに巨大な展示空間に飲み込まれていただく、それが今回の展示構成の主眼です。

写真は中庭での津波コーナーの工事風景。これが全体構想の中でどのような空間を生み出しているか、実際の展示場でぜひ確かめてください。(trd)

002 ボランティア 03/06/17

今回の「ドキュメント災害史1703-2003」展では「感動を呼ぶ展示」「体感する展示」「展示の劇場化」などをモットーにさまざまな方に展示に「参加」していただくべく展示構成を組み立てていますが(詳しくは今回の展示構成責任者西谷大の「展示の文法」をご覧下さい)、このほどボランティアとして展示場での解説と装置の説明をして下さるみなさんとの打ち合わせ会が開かれました。

欧米の博物館ではボランティアが、解説はもとより博物館のさまざまな分野にわたって欠かすことの出来ない役割を果たしていることは最近になって知られてきましたが、日本の博物館においてもようやくその取り組みがはじまったところです。国立歴史民俗博物館でも久留島浩を中心とした教育プロジェクトが博物館におけるボランティアの役割に関する取り組みをここ数年続けており、今回もその一環としての性格を持ちます。

今回、展示場でボランティアの方にお願いしようと考えているコーナーは全部で4箇所。そのすべてをここでご紹介するわけには行きませんが、「さわり」だけをチラリとお知らせしますと、たとえば江戸期の災害復興はどのようにして行われたのか?復興資金集めのために行われた「牟礼宿復興富くじ」コーナーにおいて実際に富突きの点検役、読役、木札数え役、木札読役、富箱振り役をつとめていただくなど、まるごと「江戸」の世界に入り込んでもらう案内役となってもらう予定です。「歴博」マーク入りのハッピもすでに準備されました。これから展示場は少しずつにぎやかになっていきます。(trd)

001 カウントダウン 03/06/11

いよいよ「ドキュメント災害史1703-2003」展開催まで1ヶ月を切りました。展示スタッフ一同、最後の詰めにかかっているところです。

ポスターもできあがりすでに京成電鉄駅ほかにおいて掲示されていますのでごらんになられた方も多いかと思います。今回のポスターは「新聞型」。「ドキュメント災害史1703-2003」の「ドキュメント」とは「ドキュメンタリー」の「ドキュメント」でもあるわけで、従来のポスターではない新しい形態を模索する中でこの形に至りました。

デザインはいまをときめく「サイファ。」の岡野登氏。映画のポスターやフライヤーを数々手がけられ、最近では映画「マトリックス・リローデッド」の宣伝デザインを全面的に展開しています。そのほかに、代表的な作品として「サイダーハウス・ルール」(ラッセ・ハルストレム監督、2000年)、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(ラース・フォン・トリアー監督、2000年)、「蝶の舌」(ホセ・ルイス・クエルダ監督、2001年)、「沙羅双樹」(河瀬直美監督、2003年)などなど、きっとどこかの劇場で目にされているはずです。

またこのポスターは単なる「新聞型」だけではありません。折り畳めばチラシになってしまうのです。一体これはチラシかポスターか? ポスターがそのままチラシになるからといって、壁からはがして持って行かれては困りますが、いずれにせよそんなところにも注目していただければと思います。(terada)