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開催要項

開館20周年記念展示
「ドキュメント災害史 1703-2003〜地震・噴火・津波、そして復興〜」
開催期間2003年7月8日(火)〜9月21日(日)
開催期間 2003年7月8日(火)〜9月21日(日)
開館時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)
会場 国立歴史民俗博物館 エントランスホールおよび企画展示室1・2・3室
入館料 常設展と共通
主催 国立歴史民俗博物館
後援 内閣府、消防庁、文化庁、国土交通省

趣旨

  1. 主として江戸時代から近代はじめに至る間の歴史災害を取り上げ、(1)災害当時の記録類(絵図を含む)はどのような目的で何を記録するため作られたか、(2)歴史災害の記録や絵図からどのようなことがわかるか、(3)それらから災害像の復原は可能か、(4)科学的分析に基づく災害像から災害予測は可能か、などの諸点について、理系研究者と文系研究者が課題を共有することで、地変や災害の様子を一般の人々に平易で理解しやすい形で解説、展示します。
  2. 1995年の阪神・淡路大震災後、近い将来再び南海地震などの大災害発生の予測がかなりの確度で指摘されています。このため、一般の人々の災害に対する関心は急速に高まっています。災害予測には、過去の災害の正確な読み解きが欠かせないことを実際の資料に即しつつ、展示を通して分かり易く解説します。

展示構成

まず、災害実像を示す資料とそれに基づく分析を主とする第1部と、続いて災害から立ち直る姿を追う第2部からなる構成とします。

導入

展示テーマの明示と展示世界への導入(エントランスホール)。

展示のテーマを示すとともに、観覧者を展示の世界に誘う役割を持たせます。オブジェ的に、島原平成噴火遺物、バス停、レール、電話ボックス、枯れ木など。

第1部

近世・近代初めの歴史災害資料を素材に、主として理学・工学的分析手法による展示を行います。災害の全般的被害までを扱います(エントランスホール、中庭、第1室、第2室)。

災害によってなにが起きたのか、歴史社会が受けた災害の実態を絵画・考古資料などの素材に基づいて具体的に示します。さらに、その災害要因となった地球構造のメカニズムについての理学・工学的分析、および自然環境の突発的変化が現代にもたらす科学的意味を説きます。

エントランスホール [津波]

9面マルチ画面、壁面と床面、パソコン室、階段、廊下を使い津波のメカニズムと防災への取り組み、災害対応のあり方を示します。

鯰絵
鯰絵
安政江戸地震(安政2[1855]年)直後、江戸市中には多くの鯰絵が出回った。
  1. 津波のメカニズム / 9面マルチ画面
  2. 安政東海南海地震津波 / パネルと床面使用のスライド、声の解説、津波の理学的分析 学説史的理解、大坂の津波被害の実態・分析、歴史被害からなにをどう学ぶか
  3. 明治・昭和三陸津波 / 古写真のデータベース化、新聞記事の検索、パソコン
    • 階段の落差を利用して津波の高さを復元
    • 階段、廊下を利用して津波碑の実物大写真をジャバラに立てる(50件)

第1室 [地震]

地震災害を大きくするものはなにか、地震の規模か、地盤か、また、地震災害は? その被害が山崩れ、土砂災害、洪水などで恒常化することを示します。

鎮魂の灯
鎮魂の灯
阪神・淡路大震災(平成7[1995]年)を偲び、毎年1月17日、神戸のまちに鎮魂の火がともる。
  1. 善光寺 / 松代藩「地震大絵図」のタッチパネル作成、青木雪卿絵図と現代地形図との照合による地震による地変の追跡、『世俗語之種』による善光寺町の被害、地方出版による災害絵図の数々
  2. 飛越 / 近世災害絵図による災害状況と床面に地形写真を貼り付け、立体透視メガネによる災害地形復元、絵図と地図で示す地震後恒常化する常願寺川の土砂災害
  3. 元禄・江戸・関東地震の比較による首都の地震災害 / 首都の地震の被害の特徴から、パネル解説を通じて三地震のメカニズムの比較を行います。安政、関東の地震被害の比較を描かれた絵図と写真で対比。元禄・江戸・関東地震の地震特性を地図データベースで解説。出口では、地球の地下構造を潜り抜ける装置を作ることで、駿河湾沖のプレート内通過の疑似体験空間を設定し、つぎのコーナーへ。

第2室 [噴火]

近世の代表的火山災害とその噴火メカニズム、および噴火に関わる災害文化を示します。

鎮魂の灯
普賢岳・平成噴火後

雲仙普賢岳の平成噴火(平成2[1990]〜7[1995]年)は寛政の島原大変(寛政4[1792]年)の記憶を呼び起こした。

  1. 富士山宝永噴火 / 富士山形成史の概説・噴火過程の火山学的解説および宝永噴火被害の実像
  2. 寛政普賢岳噴火 / 島原藩における噴火絵図の作成過程(幕府における噴火絵図を使っての説明場面の再現)、山体崩壊シミュレーション
  3. 天明浅間噴火 / 浅間噴火史および浅間噴火泥流の謎、絵図・資料による各地での被害の差異、噴火による被害の埋没遺跡の展示、鎌原村復興絵図による復興への道のりの長さを示します。

第2部

災害からの社会的再生への道程はどのようなものであったのか、主として人文・社会科学的分析手法を用いて明らかにします。また、阪神・淡路大震災における人と社会の再生について今問われる問題を提起し、歴史災害と現代の災害に共通する要素を示します(第3室)。

第3室 [再生への道]

災害から社会が立ち直る道を個別の具体的災害事例で示しつつ、社会の復興・再生に至る普遍的問題を提示します。歴史における復興・再生の意味を現代から問います。

  1. 景観保存と開発の相克 / 象潟地震でなにが起きたか、象潟図屏風(象潟町郷土資料館蔵)を元に、地変以前の景観と以後の景観の比較をタッチパネルにより展示、地変後の本荘藩の開発と蚶満寺の抵抗をテーマとします。
  2. 町の復興・人の再生 / 清河八郎「西遊草」による善光寺地震激甚被害地の牟礼宿・善光寺門前・稲荷山宿における震災後7年目の様子を縦軸に各宿町の被害実態と復興過程の格差、困難さを提示、牟礼宿の寺院の本堂再建の富くじ箱を展示、模型で、実際に 富くじ が体験できます。
  3. 民衆の気力回復と復興願望 / 鯰絵にあらわれたテーマの数々を解読、「諸葛」の諸資料から、鯰絵のテーマを拾います。
  4. 喪失からの脱却 / 阪神・淡路大震災ボランティアを取り上げることで人間にとっての復興とは何かを示し、過去と現在を結びます。

関連の催し

歴博講演会

第一線の災害研究者が最先端の研究成果をお話しします。

「火山学者の世界一周探検記」

日程 2003年7月12日(土)
講師 林信太郎(秋田大学)
講演要旨 火山学者は変わった人種です。わざわざ噴火を求めて世界中を旅するのです。何が楽しくて火山学者は噴火の危険な現場に向かうので しょうか?この講演では火山学者をひきつけてやまない火山の魅惑と火山学者が出会った冒険についてもご紹介いたします。私の調査したアフリカやイタリアだ けではなく世界中の火山そして日本の火山 が登場します。

「津波とたたかった三陸の歴史」

日程 2003年8月9日(土)
講師 首藤伸夫(岩手県立大学)
講演要旨 豊かな漁場に近く、屈曲に富む海岸が天然の良港となる三陸地方沿岸。その前面には太平洋プレートの潜り込む日本海溝があり、しば しば大津波が発生する。リアス式海岸が津波を増幅させ、幾度も大災害を受けてきた。災害から逞しく立ち直り、年月と共に過去を忘れ、また被害を受けること を繰り返す。世界有数の津波常習地帯である三陸地方の、人と自然の付き合い方を、日本の一典型として振り返り、将来を見る手がかりとする。

「災害展示の読み方、見方」

日程 2003年9月13日(土)
講師 国立歴史民俗博物館(北原糸子・篠原徹・寺田匡宏・西谷大)
講演要旨 展示には、さまざまな楽しみ方があります。今回の展示では、災害の津波、地震、火山、そして復興を科学の目と歴史学の二つの視点 で展示しています。ではどうやったら、ちょっと難しそうな展示を百倍たのしめるのか。その秘密をお教えいたします。

歴博フォーラム

人間にとっての「復興」とは何か。新しい世界の中での災害論を考えます。

新しい世紀の災害論

日程 2003年7月19日(土)10:30〜16:30
会場 ヤマハホール(東京銀座)
内容

基調講演:「新しい世紀の災害論」 池澤夏樹(作家)
1945年生まれ。旅を通じて人間と地球を見つめる作家。『マシアス・ギリの失脚』(谷崎賞)『母なる自然のおっぱい』(読売文学賞)、『真昼のプリニウス』、『見えない博物館』など多数。メールマガジンをもとにした『新世紀へようこそ』や『イラクの小さな橋を渡って』では人間と戦争とことばをめぐる洞察を展開。web site http://www.impala.jp/

パネルディスカッション:「いま、歴史の知恵を私たちの備えに」
パネラー:市川啓一(レスキューナウ・ドット・ネット・災害情報)、河田恵昭(京都大学防災研究所所・防災学)、原田憲一(京都造形芸術大学・環境学)、北原糸子(国立歴史民俗博物館・災害史)
司会:山中茂樹(朝日新聞大阪本社編集委員)
展示解説:西谷大(国立歴史民俗博物館・展示論)

申込方法 往復葉書、FAX、メールのいずれかに「第43回歴博フォーラム参加希望」と明記のうえ、「住所」「氏名(往復葉書の場合は返信用にも)」「年齢」「電話番号」を記載し、下記までお申し込みください。
宛先 〒285-8502 千葉県佐倉市城内町117
国立歴史民俗博物館 展示課展示広報係
TEL:043-486-0123(代)/FAX:043-486-4211
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp
締切 定員500名になり次第、締め切ります。
主催 国立歴史民俗博物館
後援 朝日新聞社

歴博研究集会

歴史が伝える災害像/科学が開く防災力

日程 2003年9月14日(日)午後1時〜4時30分
会場 歴博講堂
内容

地震・津波の発生確率からして、今世紀の前半には巨大災害に襲われるということがしきりにいわれ始めている。学者たちの警告だけでなく、政府の災害への取り組みがさまざまな側面に及び始めたことからをみても、これは絵空事ではない、社会全体が相当の心構えをすべき事態なのだと感じさせるものがある。

一体、災害発生の予測とはどのような学問的手順を持って進められているのか、それぞれ地震、津波、火山噴火を専門とする学者たちに語ってもらうことを企画した。「ドキュメント災害史」展の関連行事として、現代の災害研究の先端科学は過去の歴史資料の分析に基づいていることを具体的に語ってもらう。と同時、人々が災害の記憶をどのような形で後世に伝えるための努力をしたのか、現代のわたしたちはそこからどのようなメッセージを読み取るべきか、歴史学者の発言に耳を傾けてみよう。

申込方法 事前の申込は不要です
プログラム
挨拶 開会の辞 宮地正人 館長 (13:00〜13:05)
展示解説 「ドキュメント災害史」展の見所 北原糸子 企画代表 (13:05〜13:10)
基調講演 「日本列島 火山の歴史」 荒牧重雄 東京大学名誉教授 (13:10〜14:00)
休憩 (14:00〜14:10)
司会 伊藤和明 「歴史・科学・防災」に因んで (14:10〜14:25)
話題提供 「過去・未来を知る津波学」 今村文彦 東北大学教授 (14:25〜14:40)
「津波碑が語る物語」 古山豊 御宿高校校長 (14:40〜14:55)
「関東震災の地震学」 武村雅之 鹿島建設地震地盤研究部長 (14:55〜15:10)
「絵図・史料に見る噴火と土砂災害」 井上公夫 日本工営副技長 (15:10〜15:25)
「歴史に学ぶ景観の再生」 長谷川成一 弘前大学教授 (15:25〜15:40)
パネルディスカッション (15:40〜16:30)

ギャラリートーク

災害から何を読みとるか、展示を企画した研究者がわかりやすく解説します。
毎週末、14:00〜15:00 に実施! 申し込み不要。

  • 第1回 7月13日(日) 北原糸子 国立歴史民俗博物館 地震の社会史
  • 第2回 7日20日(日) 北原糸子 国立歴史民俗博物館 地震の社会史
  • 第3回 7日21日(月) 井上公夫 日本工営? 火山災害
  • 第4回 7月26日(土) 寺田匡宏 国立歴史民俗博物館 阪神大震災
  • 第5回 7月27日(日) 武村雅之 鹿島建設? 関東震災
  • 第6回 8月2日(土) 岩崎伸一 防災科学技術研究所 津波メカニズム
  • 第7回 8月3日(日) 荒牧重雄 東京大学・名誉教授 火山列島論
  • 第8回 8月10日(日) 松尾美恵子 学習院女子大学 富士山噴火
  • 第9回 8日16日(土) 北原糸子 国立歴史民俗博物館 地震の社会史
  • 第10回 8日17日(日) 今村文彦 東北大学 津波メカニズム
  • 第11回 8月23日(土) 國香正稔 富山県立雄峰高校 飛越地震
  • 第12回 8月24日(日) 中村操 防災情報サービス 関東震災
  • 第13回 8月30日(土) 都司嘉宣 東京大学地震研究所 元禄の関東震災
  • 第14回 8月31日(日) 長谷川成一 弘前大学 象潟地震
  • 第15回 9日6日(土) 村上仁士 徳島大学 津波避難
  • 第16回 9日7日(日) 古澤勝幸 群馬県教育委員会 天明浅間山噴火
  • 第17回 9月15日(月) 梅沢ふみ子 恵泉女学園大学 鯰絵
  • 第18回 9月20日(土) 西谷大 国立歴史民俗博物館 災害展示論
  • 第19回 9月21日(日) 北原糸子 国立歴史民俗博物館 地震の社会史

教育普及活動

1)歴博探検

定員を満たしましたので、締め切らせていただきます。

未来を生きる子供たちのための夏休み講座を実施します。

7月12日(土) 林信太郎(秋田大学教授)
「チョコレート溶岩で火山噴火のシミュレーション!」
8月9日(土) 都司嘉宜(東大地震研究所助教授)
「関東地震の歴史を探る」
9月13日(土) 西谷大(国立歴史民俗博物館助手)
「災害展示を100倍楽しむ方法」

2)博物館で一夜の避難体験!

現代では被災にあった時、どのような避難生活を送るのでしょうか。実際に館内ロビーを使って体験します。
企画展示「ドキュメント災害史」の見学と講師陣による説明、博物館ナイトウオーキング、災害体験談など盛りだくさんな内容。ぜひご参加下さい。

日時 2003年7月26日(土)午後7時〜7月27日(日)午前8時
対象 小学生と保護者 10組20名(1組2名) 抽選
主催 国立歴史民俗博物館
後援 消防庁
参加費 無料 (国立歴史民俗博物館までの交通費は参加者負担)
夕食と朝食(「非常食」をおいしく食べる!)をご用意いたします。
申込方法 参加希望者と保護者の氏名・年齢・住所・電話番号をお書きのうえ、ハガキ・FAXにてお申し込みください。
あて先 〒106-8611 東京都港区西麻布2-25-18
「ドキュメント災害史」展 PR事務局 「博物館で一夜の避難体験!」係
FAX 03-3486-0575
締め切り 7月14日(月) 当日消印有効
問い合わせ 国立歴史民俗博物館 展示広報係

3)ミュージアム・ショップ

お金で命は買えませんが知識と道具は買えます。生き延びるための知恵と必需品を販売します。

  • 「ドキュメント災害史1703-2003」展示プロジェクト委員会が選ぶ! 災害図書100選ブックフェア
  • 防災のプロがすすめる防災グッズメッセ
  • 災害復興物産市場

4)体験コーナー

災害のメカニズムと歴史世界へのいざないの体験コーナーを設けます。

  • 大型模型による津波波伝播実験プール
  • 2/3模型による牟礼宿復興資金富くじ体験コーナー

5)感想文コンクール

災害を生きぬいた昔のひとびとの知恵からキミはなにを学ぶか?
夏休みの作文を募集します。

対象 小学生、中学生、高校生
募集期間 2003年7月8日(火)〜9月1日(月)
大賞 1名 / 消防庁長官賞 1名 / 入選 3名
賞品 賞状と「ドキュメント災害史」展グッズ・消防庁グッズを贈呈します
発表 歴博ホームページに入選作を展示します
2003年9月10日(水)〜9月21日(日)
応募方法 「ドキュメント災害史」展を見学の上、企画展示室出口に配置する所定の作文用紙(400字詰め原稿用紙2枚)にて「感想文コンクール」係まで封筒に感想文を封入の上、郵送でご応募ください。
あて先 〒106-8611 東京都港区西麻布2-25-18
「ドキュメント災害史」展 PR事務局 「感想文コンクール」係
封筒裏面に本人の名前・年齢・住所・電話番号をお書きください。
締め切り 9月1日(月) 当日消印有効
問い合わせ 国立歴史民俗博物館 展示広報係

図録等のご案内

「ドキュメント災害史1703-2003」イメージ画像

「ドキュメント災害史1703-2003」展示図録
価格:1,200円(税込)

図録の概要はこちら

「ドキュメント災害史1703-2003」イメージ画像

「ドキュメント災害史1703-2003」サブテキスト 上下巻
価格:各400円(税込)

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図録及び販売物についてのお問い合わせ
財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話:043-486-8011(9時30分から17時00分まで) / E-mail:shop@rekishin.or.jp

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