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開催要項趣旨展示構成関連の催し図録のご案内

開催要項

中世寺院の姿とくらし-密教・禅僧・湯屋-
開催期間2002年10月1日(火)~11月24日(日)
開催期間 2002年10月1日(火)~11月24日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室1・2室
入館料 常設展示と共通
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

(1) 館蔵史料の中から未紹介の中世寺院文書をわかりやすく公開します。

これまでの館蔵の中世史料については「中世の武家文書」展、「中世の日記」展などで公開し、平成12年度には「田中譲氏旧蔵典籍古文書目録」を刊 行しました。しかし、館蔵の寺院史料については未紹介であり、これを旧来の古文書学的な様式論による展示のパターンから脱却した、新しい展示手法で展示し ます。近年の中世寺院史料論の最先端の成果をわかりやすく展示するとともに、調査研究によって再構成される歴史像や景観・歴史空間の中に寺院史料を展示し ます。

(2) 中世寺院史研究の成果を生活史の視点から整理して、中世寺院の果たした多様な機能と役割を総括的に展示します。

近年における中世寺院史研究はこれまでの宗教史や教学的研究から脱して中世寺院の多様な姿を社会史像として明らかにするようになりました。これま で中世仏教=鎌倉新仏教という歴史像に代わって、密教による国家法会や禅僧による外交交渉などが明らかにされ、新しい中世寺院像が描かれるようになってい ます。そうした新しい中世寺院の実像を中世人の宗教と生活との関係を中心に展示し、現代人の生活を考える契機としてもらいます。

展示構成

はじめに

中世では仏教が社会生活に予想以上の影響を与えており、中世寺院が多様な社会的役割と機能を果たしていたことを分かりやすく展示します。

Ⅰ. 密教と儀礼

国家護持を目的とする国家仏教は奈良仏教の特徴とされてきました。しかし、近年の研究によって、中世の密教こそ国家護持の法会を行い、宮中や権門 寺院・地方寺院や村落寺院にいたるまで、国家儀礼としての法会が社会的に浸透していたことが明らかにされてきました。

小コーナー 在地寺院の国家儀礼

宮中や権門寺院と同じ法会が地方や村落寺院でも実施されていました。

小コーナー 中世法会と音楽

法会での声明や遊宴の中から音楽や芸能が登場します。

Ⅱ. 禅僧の世界と外交

中世の禅僧が外交と深く関係したため、禅宗寺院は中国生活文化を取り入れたバイリンガルな世界でした。漢詩や水墨画が外交使節の接待の場で作成さ れました。

小コーナー 日中交流を物語る肖像画

僧侶の肖像画が、日中を往来して絵や賛が書かれました。

小コーナー 外交僧天与清啓の世界

遣明正使として、水墨画の雪舟を明に伴った禅僧の世界。

Ⅲ. 寺院の社会生活

(1) 寺院と中世の旅

僧侶は旅を多くするとともに、寺院が橋や津の維持管理などに従事しました。

(2) 寺院といくさ

中世のいくさで寺院が陣所になったり、戦死者の供養に従事したり、陣僧を派遣するなど不可分な関係にありました。

(3) 寺院と湯屋

寺院の湯屋は僧侶の潔斎・清めの場・衆議の場であったが、参詣者への湯施行の場となり、現在の風呂の源流となっていきました。

(4) 神仏との対話

中世人の神や仏との対話の跡をものがたる資料から、現代人とは異なる中世人の神仏観に接近したいと思います。

Ⅳ. 寺院と経済生活

(1) 寺院の荘園経営

権門寺院の経済的基盤となった荘園の世界をわかりやすく展示します。

(2) 寺院と茶礼

中世における宇治茶と東国における茶の世界と儀礼や遊戯としての闘茶との関係で展示します。

(3) 寺院と職人

法会で大量に使われる食膳具の懸盤とその製作に従事した漆職人の世界、出土物と中世の漆についての科学的分析の成果についてわかりやす く展示します。

エピローグ-民衆仏教の広がり

民衆生活が仏教と結合したことによって開放された世界とは。

主な展示予定資料

画像 資料名
上醍醐西風呂指図 本館蔵
結城合戦絵巻 重文・本館蔵
後宇多院宸記 国宝・本館蔵
後宇多院宸記 国宝・本館蔵
  五大尊明王座像 醍醐寺蔵
  芭蕉夜雨図 重文・東京国立博物館蔵
  東漸寺詩板 東漸寺(神奈川県)蔵

関連の催し

(1) 歴博講演会

開催日:第2土曜日午後、会場:歴博講堂、参加自由。歴博講演会ページ

開催内容

開催日 内容
10月12日(土) 井原 今朝男「中世寺院の世界」 
11月9日(土) 山岸 常人「中世の湯屋」 

(2) 第40回 歴博フォーラム「中世寺院の生活と文化」

開催日時 2002年10月19日(土) 10時00分〜16時30分 
会場 国立歴史民俗博物館 講堂
主催 国立歴史民俗博物館

開催主旨

企画展示「中世寺院の姿とくらし−密教・禅僧・湯屋−」の展示意図や試みをわかりやすく提示するとともに、さらに広がりを持った世界を、報告と討論によって描きます。また、中世寺院史研究の最先端の研究状況をわかりやすく整理し、論点と今後の課題を出し合います。更に、中世寺院の果たした歴史的機能と時代的特質を浮き彫りにし、中世寺院の社会や生活の関係を考えることによって、現代の生活を相対化して考える場とします。

開催内容

時間 内容
10:00〜10:05 開会挨拶
10:05〜10:20 趣旨説明 井原今朝男(歴博 歴史研究部)
10:20〜11:00 報告1 上川通夫(愛知県立大学文学部)
「中世寺院と国家法会」
11:00〜11:40 報告2 永村真(日本女子大学文学部)
「密教寺院の組織」
11:40〜12:20 報告3 福島金治(愛知学院大学文学部)
「中世の僧の多面性」
12:20〜13:20 昼食
13:20〜14:00 報告4 山岸常人(東京大学大学院工学研究科)
「儀礼空間と寺院」
14:00〜14:40 報告5 高橋一樹(歴博 歴史研究部)
「寺院とくらし」
14:40〜15:00 休憩
15:00〜16:30 討論
司会:井原今朝男
パネラー:上川通夫・永村真・福島金治・高橋一樹
16:30 閉会挨拶 小島道裕(歴博 歴史研究部・総合司会)

お申し込み方法

フォーラム聴講希望者は、往復葉書に「第40回 歴博フォーラム参加希望」と明記のうえ、住所・氏名(返信用にも記入)・年齢・電話番号を記して下記までお申し込み下さい。定員260名(定員を超えた場合は抽選)。参加は無料です。

お申し込み先

〒285-8502 千葉県佐倉市城内町117 国立歴史民俗博物館 展示課展示広報係
Tel:043-486-0123(代)  Fax:043-486-4211

締め切り

2002年9月30日(月)消印有効

(3) ギャラリートーク

開催日時 10月5日・26日、11月2日・16日(いずれも土曜日) 14:00から
会場 企画展示室

図録のご案内

図録「中世寺院の姿とくらし」
142ページ/ 定価1300円
図録及び販売物についてのお問い合わせ
財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話043-486-8011(9時30分から17時00分まで)/ E-mail:shop@rekishin.or.jp