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開催要項趣旨展示構成関連の催し図録のご案内

開催要項

縄文文化の扉を開くー三内丸山遺跡から縄文列島へー
開催期間2001年3月20日(火)~5月20日(日)
開催期間 2001年3月20日(火)~5月20日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室
入館料 常設展と共通
休館日 3月26日/4月2日・9日・16日・23日/5月7日・14日
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

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縄文文化は日本列島に一万年も続いた文化ですが、利器に石器を用い、食料は狩猟漁撈と採集に頼った原始的な社会としてこれまで説明されてきました。しかしこれは今や見直されつつあります。

定住して集落を継続し、過去の経験から得たさまざまな知識をもとに季節的な動植物資源の獲得や加工・貯蔵だけでなく、栽培や保護を含む農耕要素、交換や交易、共同体的な社会のつながりの形成、大規模な記念物の構築、秩序だった集落内の各種の場や構造物の維持などが見られ、階層化した社会や複合化した生産手段を持ち、循環的な生活基盤を持つ時代であったことが見通されるようになりました。

豊かな縄文時代のイメージですが、この社会は新石器時代の大枠から脱するには至っておらず、弥生時代以降のような人口増加や政治化した社会、余剰な生産が貨幣にもなりうる米という形で半ば強制的に拡大生産され、右肩上がりに拡大する社会とは異なっていたことは事実です。

また一方で、縄文時代の内でも骨角器の発達が見られ、塩の生産が始まり、玉や漆製品などの装身具や威信材が発達していき、朝鮮半島や大陸との交流も僅かながら認められるところであり、各時代の発展要素も認められています。

このような縄文文化見直しは各地の遺跡調査で示され、祭祀遺跡として、木材加工技術として、山岳地の集落としてなど、各地での適応が知られ、広域の交易なども知られてきました。 そのもっとも集中した遺跡情報が出されているのが、東北地方の円筒土器文化の内の大集落遺跡である三内丸山遺跡の成果です。

本展では、歴博所蔵の三内丸山遺跡の既出土品ほかのコレクションに加えて、調査結果をもとにこの遺跡研究の先端の成果を紹介するとともに、他地域でも続々と報ぜられる成果の一部を各地域・各時代を横断して紹介し、縄文時代とその文化の見直しの扉を押し広げようとするものです。

展示構成

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  • 縄文列島の三内丸山遺跡を見る
  • 三内丸山遺跡を掘る
  • 復元される衣食住
  • 日々の生活と交流
  • 三内丸山ムラの構成と葬祭
  • 三内丸山遺跡を比較する
  • 縄文列島を各地遺跡から展望する
  • 付.縄文時代と現代

主な展示資料

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  • 三内丸山遺跡ほか縄文時代出土品各種(館蔵)
  • 三内丸山遺跡出土品各種(青森県教育庁所蔵)
  • 縄文時代工芸品(玉・石刀・土偶・骨製品・漆器など)(館蔵)
  • 富山県桜町遺跡出土品
  • 鹿児島県上野原遺跡出土品
  • 秋田県池内遺跡出土品
  • 北海道北黄金貝塚出土品
  • 岩手県御所野遺跡出土品
  • 青森県槻の木遺跡出土品 ほか
    *上記出土品は、石剣・勾玉・石冠・土器・漆器・彫刻木材・建築用材・耳飾・骨製品・食料残滓・衣類・炉石など
  • パネル各種
  • 模型各種(建物・遺跡ほか)
  • ビデオコーナー(発掘・復元、村と資源のCG)

展示品解説

三内丸山遺跡は青森市の郊外にある大きな縄文時代の遺跡で、江戸時代から既に知られていました。野球場建設を変更して発掘調査が続けられ、これまでの縄文時代のイメージを変える大きな成果が出てきています。縄文時代前期から中期にかけて長期に営まれたこの集落遺跡は、普通の集落の遺構だけでなく、広い領域のムラムラの中心となる役割を荷う様々な遺構も見られます。このようなムラムラの結合は、縄文文化の各地域にもできていた可能性が高いのです。三内丸山遺跡の成果を見ながら、この列島に広がった縄文文化を考えてみることにしましょう。

整備が進む三内丸山遺跡の夏の風景
野球場予定地で発掘中の掘立柱建物跡などのさまざまな遺跡の広がり

広い台地上の遺構の各所で特色ある遺構が地域的なまとまりを示して発掘されました。

大型住居跡の発掘
大型の竪穴住居跡で、最も大規模な例は長径32mにも及び、たくさんの柱穴や炉があり、建て替えもくりかえされています。
大型住居の発掘
人為的に台地上などに土を盛った遺構が注目されました。高く積んだ盛土遺構の断面をみています。土器や石器なども捨てられていました。
丘陵裾部の土壙墓群
子供用の土器棺墓地や道に沿った土壙墓列や配石墓がたくさん調査されていますが、丘陵裾などではこのような土壙墓の集合墓地も発掘されています。
 
丘陵裾部の土壙墓群
掘立柱の建物が並んで、何度も建て替えられたありさまが発掘されています。東や南からの道が広場に出た所の両側に、2×1間の倉庫風の建物が並んでいたものとみられます。

発掘で厖大な遺物が出ています。まだ使えそうな土器などもどんどん捨てた状況が、北に向う谷間などのゴミ捨場や台地のへり、あるいは盛土中などからも検出されます。玉類や土偶なども盛土遺構などからたくさん見つかり、儀礼などに使用した品々を送ったりしたものと考えられています。

小型土器
祭りの道具と考えられる小型土器もたくさん出土しています。
石器
当時の利器は石器でしたが、機能に合わせて発達した形を呈しています。北海道の黒曜石で作られた石器も混じっています。大半の石器は領域内の石材からこのムラで作られました。土器もこのムラで作ったとみられ、粘土取り穴などもあります。漆器や鈎針や銛などの骨角器、木製の容器や道具、植物質の編物、また編んだ布の破片などまで発見されています。
大型土偶
高さ32cmにもおよぶ大型の土偶です。土偶はこれまでに大小1600点余りが、主に盛土遺構で発掘されています。
玉類
ヒスイの玉やその破片の他に、石や土で作られた各種の玉類が盛土遺構から出土しています。ヒスイは新潟県内の原産地から運ばれたものです。
円筒形で口縁を飾った中期の土器
 
クルミが入っていた縄文ポシェット
骨角製の釣針や銛や針
 

道と墓

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高い掘立柱の建物や大型竪穴住居跡、掘立柱の倉庫列などのみえる広場に向って、幅が12mにも及ぶ大道が発見されたのが他の遺跡で知られていない成果です。この大道は、東にのびる道の他、南にものびる道があり、また各所でその枝道や生活用の細い道も発掘されました。大道の両側には、延々と墓が並んでいて、石などに飾られた大きな墓も所々にあったことがわかりました。ムラムラと三内丸山ムラをつなぐこの大道に祖先の墓が並んで、集まる人々に語りかけていたことでしょう。

復元模型

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このムラの元の姿を新しい発掘成果を加えて復元してみました。径800mに及ぶ大集落には広場とそれにつながる大道、道傍に並ぶ倉庫列や記念墓列や集合墓地、道沿いに各々設けられた竪穴住居からなる住居地域、ムラ外れにある共同の地下貯蔵庫など、地域を定めた集落の構造があり、建て替えたり、土やゴミを清掃するなどして維持されていたことがわかります。三内丸山遺跡は大きなムラでもありますが、この地からみえる広い領域の人々が集まり、領域内の集落の結合の中心となる葬祭の役割を果たす遺構を備えた大集落遺跡だったことになるものと思われます。

三内丸山遺跡の他に、縄文列島各地の遺跡のいくつかをとりあげ、縄文文化とその時代を伺って見ることができるように展示しました。

関連の催し

歴博講演会

「三内丸山遺跡の発掘から-成果と諸問題-」

日程 平成13年4月14日(土)
講師 岡田康博

「円筒文化と大木文化を考える」

日程 平成13年5月12日(土)
講師 鈴木克彦

「縄文都市は幻か-三内丸山の集落と祭祀の復元-」

日程 平成13年5月12日(土)
講師 阿部義平

歴博講演会ページ

歴博フォーラム

第33回「縄文文化の扉を世界に開く」

開催日時 2001年4月28日(土) 10時00分〜16時00分
会場 国立歴史民俗博物館講堂
主旨

一万年以上の長期にわたって、日本列島をほぼ覆う地域に縄文文化が展開しました。縄文文化は、土器や磨製石斧や石鏃など、世界各地の新石器時代文化と共通する文物がある一方、農耕や犬以外の家畜を欠いた列島固有の停滞的な文化と評価されてきましたが、近年は三内丸山遺跡を先頭とした各地の研究成果によって面目を一新し、見直されつつあるといわれています。どのような成果から、どのように見直されているのか、あるいはこれから見直されるものなのか、企画展示と合わせてまとめと展望をおこないたいと思います。

さらに世界各地の、新石器時代文化から、農耕社会化や分業、都市の形成や国家の成立、文字の使用や金属器の使用などが起り、次の時代に移っていくとされるのですが、日本列島の縄文文化ではどのような成果が達せられ、どのような問題点があって、新石器時代文化として、どのように評価されるものなのでしょうか。あるいは新石器時代という文化段階には、様々な多様性や可能性があったものなのでしょうか。

三内丸山遺跡の成果の理解から出発して、縄文文化の扉を大きく世界に開き、これらの問題を討論するフォーラムを開催するものです。

開催内容
時間 内容
10:00〜10:10 開会挨拶ほか 総合司会:阿部 義平
10:10〜10:50 報告1 「ユーラシアの西端と東端の新石器時代」
藤尾 慎一郎
10:50〜11:30 報告2 「中国中原と周辺の新石器時代」
西谷 大
11:30〜12:10 報告3 「東北アジアの新石器時代」
大貫 静夫
12:10〜13:10 昼食
13:10〜13:50 報告4 「三内丸山遺跡が提起する諸問題」
岡田 康博
13:50〜14:30 報告5 「メソアメリカの新石器時代」
青山 和夫
14:30〜14:40 休憩
14:40〜15:50 討論 「縄文文化の扉を世界に開く」
  • 縄文文化の見直し点
  • 縄文文化を外から見る
  • 世界史のなかの縄文文化
    新石器時代の文化の多様性
パネラー:能登 健・大島直行(司会)
報告者5名
15:50〜16:00 閉会挨拶(主催者)
お申し込み方法

フォーラム聴講希望者は、往復葉書に「第33回歴博フォーラム参加希望」と明記のうえ、住所・氏名(返信用にも記入)・年齢・電話番号を記して当館展示課展示広報係までお申し込み下さい。(定員250名。申し込み多数の場合は抽選。)参加は無料です。

お申し込み先

〒285-8502 千葉県佐倉市城内町117 国立歴史民俗博物館 展示課展示広報係
Tel:043-486-0123(代) Fax:043-486-4211

締め切り

2001年4月5日(木)必着

親子縄文教室「紋様をつけよう」

開催日 3月25日(日)
4月8日(日)・22日(日)
5月6日(日)・20日(日)
時間 1日2回(13時~/15時~)
会場 本館
対象 親子10組 (希望者は、当日エプロンを持参して下さい)
受付 当日11時より、各回とも先着10組
講師 佐原館長ほか

くわしく知りたい方は歴博までお問い合わせ下さい。

図録のご案内

「縄文文化の扉を開く」 図録
定価:1500円 送料340円

図録及び販売物についてのお問い合わせ
財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話:043-486-8011(9時30分から17時00分まで) / E-mail:shop@rekishin.or.jp