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開催要項趣旨展示構成および主要展示資料関連の催し図録のご案内開催関連機関一覧

開催要項

夏休み特別企画 「オランダへわたった大工道具展」
開催期間2000年8月1日(火)〜9月3日(日)
開催期間 2000年8月1日(火)〜9月3日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 第三企画展示室
入館料 常設展示と同一
主催 国立歴史民俗博物館
共催 海を渡った大工道具展実行委員会(実行委員長西和夫)
後援 佐倉市・日本建築学会
協賛 ライデン市・ラインランド商工会議所

図録表紙

趣旨

道具図帖

長崎・出島オランダ商館員ブロムホフ・フィッセル・シーボルトの3人が江戸時代後期に日本で収集した大工道具(ライデン国立民族学博物館蔵)の調査研究が日蘭共同で行われています。

これらの大工道具は、江戸時代まで遡る大工道具が、日本国内にほとんど残されていないなかで極めて大きな価値を持つだけでなく、この収集品はいずれも画帳とセットになって、収集の意図なども考慮すると、日蘭交流の軌跡を端的に示すものとして重要な意味があります。日蘭交流400年を記念して、この大工道具や画帳を中心とした展覧会を開催します。

また、今回は、大工道具という限られたものを扱いますが、実際にはこれ以外の道具をはじめとする多くのものがオランダに持ち帰られています。こうしたものや情報をも含めて、商館長(商館員)らが日蘭交流のなかで果たした歴史的役割は極めて大きく、とくに商館長の江戸登りの持つ意味などについて考えます。こうした大工道具が持ち帰られた18世紀末から19世紀にかけての日蘭交流の歴史的意義を考えることができます。

さらに、竹中大工道具館に収蔵されている、江戸時代の宮大工と町大工の大工道具を、オランダに渡った大工道具類と比較することで、その持つ歴史資料としての意味を考ます。

ところで、この20年間で、大工道具はその様相を大きく変化させています。鋸一つをとっても、電動鋸ばかりとなり、建築現場から人間の手で引く鋸はなくなろうとしています。このことは、鋸の生産においても同様で、手動の鋸が生産されなくなる可能性もあります。そこで、在来の鋸生産技術を鋸の生産過程に限って、展示することによって、鋸生産の「いま」について考える機会とします。

展示構成および主要展示資料

  • 0. 写真パネル・鍬形恵斉「近世職人尽絵詞」文化3(1806)東京国立博物館蔵

A 長崎・出島・オランダ商館

大工道具を収集したのは、長崎・出島オランダ商館の商館長・ 商館員です。
ここでは長崎・出島とはどのような場所であったか、オランダ商館の説明をします。

(1)長崎・出島

  • 1.「レラント日本帝国図」秋岡コレクション 本館蔵
  • 2.「改正長崎図」延享2年 本館蔵水木コレクション
  • 3.「改正長崎図」享和元年 同上。2と3は展示替え
  • 4. 川原慶賀「長崎港図」 千葉市立美術館蔵
  • 5.「唐船蘭船長崎入港便覧」 本館蔵
  • 6.「長崎絵四艘入津之図」 本館蔵
  • 7.「幕末長崎出島遠望図」 本館蔵
  • 8. 写真パネル・石崎融思「長崎港図」 神戸市立博物館蔵
  • 9. 写真パネル・川原慶賀「長崎港図」衝立 神戸市立博物館蔵
  • 10.「当時出島図」林家本 東大史料編さん所蔵

(2)オランダ商館

  • 11. 解説パネルー現在の出島復元写真・復元過程の写真を入れた解説パネル

B オランダ商館員と江戸参府旅行=収集の旅

(1)3人の商館員―ブロムホフ、フィッセル 、シーボルト

大工道具を収集した3人の商館員のうち、シーボルトは著名ですが、他の2人は日本ではあまり知られていません。しかし、3人はいずれも日本の美術・工芸・民俗資料などの収集で重要な役割を果たし、そのコレクションは、王立骨董陳列室を経て、現在ライデン国立民族学博物館、アムステルダム国立博物館の基礎となっています。

  • 12.写真パネル・「ブロンホフ家族図」衝立 神戸市博物館蔵
  • 13.「阿蘭陀加比丹併妻子之図」 東大総合図書館蔵
  • 14. 伝川原慶賀「和蘭甲比丹ブロムホフ家族図」 東大史料編さん所蔵
  • 15. 写真パネル・「フィッセル自筆目録」 ライデン国立民族学博物館蔵
  • 16.「阿蘭陀芝居図巻」からフイッセル 黒船館蔵
  • 17. 写真パネル・「シーボルト肖像」 長崎県立長崎図書館蔵
  • 18. 写真つき解説パネル王立骨董陳列室 (現:ハーグ・マウリッツハウス美術館)
    外観・内観写真とライデン国立民族学博物館改修前写真=コレクションが残されたところ

(2)江戸参府旅行

長崎(出島)に閉じ込められたオランダ商館員にとって、献上品を携え将軍に謁見するための江戸参府は、長崎以外の日本を見る数少ない機会であると同時に、日本の物品を収集する最良の機会でもありました。江戸参府の経路や宿舎、大工道具収集の経緯を説明します。

  • 19. 写真パネル・「江戸参府行列図」 ライデン国立民族学博物館蔵
  • 20. 写真パネル・「フィッセル『江戸参府日記』」部分
  • 21. フイッセル『江戸参府日記』刊本
  • 22. 写真パネル・「東海道名所図会」のうち「宮」 東京国立博物館蔵
  • 23. 写真パネル・「画本東都遊」のうち「長崎屋図」葛飾北斎 たばこと塩の博物館蔵

C 収集された大工道具、描かれた大工道具

展示は大工道具であり、その迫力・美しさがよくわかるように展示されてあります。 3人の商館員は大工道具そのものを収集しただけでなく、大工道具を絵師に描かせ、絵画として残しました。川原慶賀筆「大工道具図」やシーボルトの著書「日本」の指図に描かれた大工道具を、大工道具の実物と比較して展示します。

  • 24. ライデン借用大工道具(ライデン国立民族学博物館蔵)
    • ブロムホフコレクション・・・「大工道具」18点、「道具画帖」(川原慶賀筆)1冊、
    • フィッセルコレクション・・・「道具画帖」(川原慶賀筆)のうち大工道具部分4枚、大工道具7点
    • シーボルトコレクション・・・「道具画帖」(川原慶賀筆)のうち大工道具部分4枚、大工道具(下記「日本」と対応するもの)21点、
    • シーボルト「日本」所収の「大工道具の写真またはコピー」

D 国内に残る近世の大工道具

国内で残る近世の大工道具セットは少ししかありません。そのなかで、竹中大工道具館には、二種類の大工道具セットが収蔵されています。一つは、宮大工のもので、もう一つは町大工のものです。こうした大工道具を比較することで、オランダへわたった大工道具の位置付けをします。

  • 26. 宮大工道具 竹中大工道具館蔵
  • 27. 町大工道具 竹中大工道具館蔵
  • 28. オランダへわたった大工道具と同じ鍛冶銘の鋸2点 大和市手中正氏蔵

E 現在の大工道具の製作工程

大工道具がどんな職人によって、どのような過程で作られるかはあまり知られていません。 鋸・鑿・鉋歯の、製作段階の大工道具や製作過程のパネルで、伝統的な大工道具(鋸)の製作工程を説明します。

(1)製作過程

  • 29. 鋸の製作工程実物 (新潟県三島町、東賢一郎氏製作) 実物作成行程の写真解説。

(2)現在の大工道具

近年、工具の機械化により、伝統的な大工道具が建築現場から少なくなりつつあります、また鋸のように、ここ数年で形態や製作工程が激変したものもあります。大工道具の産地分布も変化しました。
現在の大工道具の種類や形を江戸時代のそれと比較し、現状を説明します。

  • 30. 現代の大工道具(ゼットソーなど)
  • 31. 大工道具の編成パネル (現代と明治期の大工道具編成を比較)

関連の催し

国際フオーラム「オランダへわたった大工道具」

開催日時 2000年9月2日(土)午前10:00〜午後4:30
場所 国立歴史民俗博物館・講堂
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

長崎・出島のオランダ商館員ブロムホフ・フィッセル・シーボルトの3人が江戸時代後期に日本で収集した大工道具がライデン国立民族学博物館に残されています。

この大工道具は、その作成年代がたしかに江戸時代までさかのぼる大工道具が日本国内にほとんど残されていないなかで、それ自体が極めて大きな価値をもちま す。しかも、この展示では国内に残されたそのわずかな大工道具類との比較をも行うことで、オランダに渡った大工道具の位置付けも行うことができるはずです。

また、このような収集品はいずれも画帳とセットになっており、画帳とあわせて考察すること、収集の意図を考慮することなどによって、とくに19世紀の日蘭 交流が有した歴史的意味を解明しうると考えます。

さらに、商館長(商館員)らが日蘭交流のなかで果たした歴史的役割、画帳を作成した川原慶賀の工房が果たした役割などにも目を向けることで、新たな論点を 提示することができます。

そのうえ、現在の大工道具生産のあり方にも目を向けることで、現在的視点も加味して考えたいと思います。
以上のような展示の趣旨をより深くより広く理解してもらうために、国際フォーラムを計画しました。
上述した展示の概要に沿って報告と、パネルディスカッションを行います。

日程

時間 内容
10:00~10:10 フォーラム開催の主旨説明 濱島正士(本館情報資料研究部)
10:10~10:50 「大工道具の日本化」 佐原 真(本館館長)
10:50~11:30 「オランダに渡った大工道具」の持つ歴史的意味 西 和夫(神奈川大学)
11:40~13:00 昼食 展示場見学
13:00~13:40 「川原慶賀論-道具を描く-」(仮題) マテイ・フォラー(ライデン国立民族学博物館)
13:40~14:20 「大工道具は語る」(仮題) 渡辺晶(竹中大工道具館)
14:20~15:00 「オランダ商館員の江戸登り」(仮題) 横山伊徳(東京大学資料編纂所)
15:20~17:00 シンポジウム 司会 朝岡康二(本館民俗研究部)

大工道具を使ってみよう

大工道具を見るだけではなく、実際に手で触れ使って見る体験コーナー。 「夏休みこども企画大工道具を使ってみよう」

開催日 8月12日(土)・20日(日)10:00-16:00
内容 一日15組(親子で一組)無料 場所中庭 鳥の巣箱作成。

詳しくは「2000年 夏のイベント」ページをご覧ください。

2000年 夏のイベント

関連図書の公開

本展示に関係する書籍を一般図書室で公開。

図録のご案内

「北の島の縄文人図録」イメージ画像

「オランダへわたった大工道具」
展示解説図録 カラー図版32頁、論文48頁程度

図録及び販売物についてのお問い合わせ
財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話:043-486-8011(9時30分から17時00分まで) / E-mail:shop@rekishin.or.jp

開催関連機関一覧

  • ライデン国立民族学博物館(Steenstraat I,postbus212, 2300 AELeiden, The Netherlands)
  • 竹中大工道具館(神戸市中央区中山手通4-18-25 TEL:078-242-0216)
  • 三島町郷土資料館(新潟県三島郡大字上岩井 TEL:0258-42-2222)
  • 三条市歴史民俗産業資料館(新潟県三条市本町3-1-4 TEL:0256-33-4446)
  • 与板町歴史民俗資料館(新潟県三島郡与板町大字与板字中島乙4356 TEL:0258-72-2021)
  • 中長鋸製版(新潟県三島郡三島町大字吉崎65 TEL:0258-42-2657)
  • 財団法人黒船館(新潟県柏崎市青海川181 TEL:0257-21-1188)