開催要項
北の島の縄文人―海を越えた文化交流―
2000年7月4日〜8月27日
趣旨
北海道の礼文島は縄文文化の北の果てでした。その礼文島に暮らした縄文人は、アシカやトドを狩猟して暮らしていましたが、礼文島で高度な工芸技術によって貝玉などの貝の装飾品も作っていました。しかもその貝玉を自分たちで使うだけではなく、北海道各地へ供給していました。今から約3500年前のことです。この事実は近年の船泊遺跡の発掘調査で明らかになりました。また、同じ頃、船泊遺跡と同じ船泊湾に面する浜中2遺跡でも発掘調査が行われました。
今回の展示では、発掘成果を基礎として礼文島の縄文人の貝玉製作と交換活動を中心にして、礼文島を舞台とした様々な人々の活動を描くことを目的としています。なお、展示期間が夏休みであることから、小・中学生を対象とした分かりやすい展示を行っております。
第1室は「礼文島の発掘体験」の部屋で、北の島・礼文島の自然や動物を紹介し、そして遺跡発掘の再現を通して、縄文時代の様子を復元します。第2室は「縄文博士の考古研究室」の部屋で、発掘の成果を掘り下げて考えるコーナーです。縄文博士が出す問題に何問答えられるか。入り口でクイズラリーの用紙を配布し、全問回答すると、縄文博士の認定証がもらえます。また、小学生を対象に開催期間中3回(7/22、8/6、8/19)に貝玉の製作実習を行います。
展示構成
- プロローグ(企画第1室)
- 北海道を中心とした文化変遷の概要。
- 日本列島をとりまく縄文時代から古代までの歴史変遷(特に、中国の動向)対馬暖流の北上航路など。
- 北海道礼文町浜中2遺跡を利用した人々の変遷(企画第二室)
- 縄文時代の浜中2遺跡での活用
- 海獣狩猟の様子
- 船泊遺跡での生活
- 貝製平玉生産
- 平玉を大量に伴って埋葬された人骨数体の展示
- 貝玉の制作方法
- 中国・ロシア・北海道の貝製平玉の分布
- 続縄文時代の浜中2遺跡
- アワビ捕りキャンプの様子
- 海人の活動の様子
- 長崎壱岐カラカミ遺跡・原の辻遺跡・大浜遺跡などの漁撈具とアワビとイヌの骨の展示
- 北海道北部の続縄文土器の展示
- 北海道南部から青森県までのクマ型土製品・石製品・土器口縁の展示
- オホーツク文化期の礼文島の遺跡
- クマ儀礼の状況
- 中、近世の礼文島の生活
- 場所、請負制度とアイヌ
- 現代アイヌの生活
- アイヌ文化期のクマ送り
- 縄文時代の浜中2遺跡での活用
- エピローグ(企画第二室)
主な展示資料
- 浜中2遺跡出土資料(本館所蔵)
- 船泊遺跡遺跡出土品・人骨(礼文町所蔵)
- 北海道出土の縄文土器・クマ型土製品(北海道埋蔵文化財センター所蔵)
- 虹別シュワンコタンのクマ頭蓋骨(本館保存中)
- 長崎県の弥生遺跡出土品(長崎県教育委員会所蔵)
図録のご案内
「北の島の縄文人図録」 |
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