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企画展示 異界万華鏡—あの世・妖怪・占い—

異界万華鏡—あの世・妖怪・占い—
 

開催要項

開催期間 平成13年7月17日(火)〜9月2日(日)
展示会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室1・2・3室
主催 国立歴史民俗博物館

〔異界万華鏡ニュース〕

「2001年夏 妖怪絵巻 インターネット展覧会」 

展示主旨

異界とは人々の生活領域の向こう側、日常の時空間の外側の世界をいいます。この見えない世界をさまざまに想像することで、日々の生活の不安を取り除き、生きていくための拠り所を得ようとしてきました。異界への想像力が生みだし育んできた文化は、豊かな裾野の広がりを形成しています。死後の世界へ向けられた不安、恐れ、あこがれなどは、仏教の普及とあいまって地域的な特色をもつ独自の他界観を形づくってきました。

死者との交流はさまざまな儀礼を通して交感され、ときには幽霊という形で語られてきました。人々は、理解を超えた恐怖体験や不可解な現象に遭遇したとき、時として妖怪変化のしわざと考えました。妖怪は口頭伝承の領域にとどまらず、絵巻や錦絵に描かれたりかわら版に取り上げられるなど新たな広がりをみせるとともに、娯楽としても享受されてきました。また、誕生以前や未来も見ることのできない時間的な異界です。人為的な手段を用いて未来やことの吉凶を予測(解釈)する占いは、古く神意を問う方法として発達し、多様な展開をへて現在に至っています。

本展示では、主に「あの世」「妖怪」「占い」を取り上げて、人々が想像してきた異界の様相を多面的に展示するとともに、人と異界との交渉の跡をたどりながら、それを必要としてきた心性と、現代の社会において異界の持つ意味を考えていきます。

展示構成

第1部:あの世とこの世

人々は実際には見ることのできないはずの死後の世界を、どのようにイメージして表現してきたのでしょうか。生者と死者との関係を提示します。

  1. 死者の行方(第1室)

    人は死後も何らかの形で存在するものと考えられてきました。仏教の普及により地獄や極楽といった明確な他界観が広まる一方で、民俗レベルにおいては現世における死者との交流の儀礼も多くみられます。展示ではこうした死の観念の多様性を提示します。

  2. 死者の描かれ方(第1室)

    死者はただ語られるだけでなく、図像化されることでよりリアリティーを獲得していきます。ただしその際には何らかの形で生者と区別して描かれます。ここでは歌舞伎役者の「死絵」と、軸物の幽霊画を通して死者の描かれ方の特徴を展示します。

  3. 怪談とその楽しみ(第1室)

    怪談と死者との関わりをモティーフにして生成されるものも多いのですが、それは口頭伝承だけの領域にとどまらず、書籍や芝居などにとりあげられて新たな文化を創造していきます。ここではさまざまなメディアによって生成される娯楽と恐怖という怪談の二面性を展示します。

第2部:妖怪変化の時空

異界に向けられた人々の想像力を、妖怪を素材にして多面的な視点から展示します。

  1. 描かれた妖怪(第1室〜2室)

    妖怪は、異様な姿と不思議な力をもった超自然的な存在と認識され、一般的には畏怖の対象として様々な姿や属性が想像されてきました。妖怪のイメージがどのように形成され人々に受け入れられてきたのか、主に江戸期の妖怪絵巻、化物図鑑、浮世絵などを通してさぐります。

    抜け首 百鬼徒然袋より ろくろ首 精霊
    どうもこうも みの毛よだつ ハヂカキ
  2. 異界を覗く(第2室)

    山中や海などで思いがけない現象に遭遇したとき、それを妖怪の仕業と受け止め、危難を逃れるためのさまざまな手段が考えだされました。とりわけ、妖怪の潜む異界を覗き見る呪術的なしぐさは各地に伝承されています。しぐさの持つ意味について体験型展示を通して考えます。

  3. 河童の世界(第2室)

    鬼や天狗などと並んで代表的な妖怪として知られる河童に焦点をあてます。起源をめぐる伝承、河童像の変遷、描かれた河童、河童の信仰と民話、呼称の地域性、見せ物としての河童、郷土玩具に登場する河童など、一つの妖怪を多面的に捉えて展示します。

  4. 事件と妖怪(第2室)

    妖怪出現を報じるかわら版や錦絵新聞をはじめ、政治的な事件を妖怪に仮託して描いた浮世絵などを取り上げて、その社会的、民俗的な背景をさぐります。

第3部:ウラを読む

安倍晴明(模型)ついに登場

安倍晴明 模型

平安時代の陰陽師安倍晴明が外道(魔物・妖怪)を退治しようとして祈る場面(泰山府君祭)を再現した模型が完成しました。企画展示「異界万華鏡」で初公開します. その他、陰陽道、安倍晴明関係の資料を数多く展示します.

人々は、人知のおよばない領域について、占いという手段によって予測しようとしてきました。その多様なあり方について展示します。

  1. 陰陽道の展開(第2室)

    陰陽師安倍晴明をめぐる伝承を中心に、古代の日本において形成された陰陽道について、その宗教的世界観の特徴や民間社会における受容の様相を探ります。

  2. 村落社会における占い(第2室)

    占いは、農耕や漁撈など生業と深く関わって伝承されてきました。綱引きやオビシャ、粥占など、村落社会で展開されてきた占いの実態について、その多様性と民俗論理を提示します。

  3. 現代社会と占い
    生駒山の占い師の祠堂

    都市化された現代社会においても、生活の不安のなかで占いは生き続けています。現代社会で展開されている占いの諸相について、民間占い師、風水思想などを中心に展示します。また、占いにはあそびの要素も含まれます。今日の若者たちの間で行われているあそびとしての占いを提示します。

第4部:異界をあそぶ(第3室)

異界は、不安や畏怖をもたらすものとして、また、信仰の対象としてあるだけではありません。不安や恐怖を経たのちにもたらされる安堵感を味わうために、また、「こわい」という感覚それ自体を楽しむために、人は異界を想像し、体験しようとします。こうした営みもまた、人々と異界との関係のありかたのひとつである、ということを、主として、参加型・体験型の展示を通して示していきます。

主要展示予定資料

臨終行儀復元模型、熊野那智地獄極楽観心十界図、アンガマ複製、盆提灯、東海道四谷怪談錦絵、人形頭、座談会葉書、幽霊画複製(伝応挙)、百鬼夜行絵巻、百怪図鑑、大石兵六夢物語(妖怪絵巻)、土蜘蛛草紙、妖怪双六、化物の夢、河童の想像模型、河童図、亀甲、式盤模型、安倍晴明図像、鎮宅霊符、吉川家文書、家相秘伝集、羅針盤、唐尺、風水秘録、金の神・銀の神、晴明の外道調伏模型、風水模型

  

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関連の催し

異界万華鏡・関連イベント

フォーラム

第34回「異界万華鏡を語る」

日程 2001年7月20日(金)13時00分〜16時00分
場所 国立歴史民俗博物館講堂

【主旨】
企画展示「異界万華鏡−あの世・妖怪・占い−」に関連した企画として歴博フォーラムを開催します。企画展示で取り上げる異界とは、人々の生活領域、日常の時空間の外部を言います。この見えない世界に人々は想像力を働かせることで、日々の生活の不安を取り除き、生へのよりどころを獲得してきました。そして異界への想像力は、死後の世界や闇の領域、未来への展望など豊かな裾野を形成しています。
こうした異界のあり方について、具体的テーマとしては「あの世」「妖怪」「占い」を取り上げます。死後の世界に向けられた不安、恐怖、あこがれなどは仏教の普及と相まって、地域的な特色をもつ独自の他界観を形成してきました。死者との交流はさまざまな儀礼を通して交感され、ときには幽霊という形で語られてきました。また人々は理解を超えた恐怖体験や不可解な現象に遭遇したとき、時として妖怪変化のしわざと考えました。妖怪は口頭伝承の領域にとどまらず、絵巻や錦絵に描かれたり、瓦版に取り上げられるなど新たな広がりを見せるとともに、娯楽として享受されています。さらに誕生以前や未来も見ることのできない時間の異界といってよいでしょう。人為的な手段を用いて未来やことの吉凶を予測(解釈)する占いは、古く神意を問う方法として発達し、多様な展開をへて現代に至っています。
そこでフォーラムにおいては、それぞれの立場から研究を進めている発表者の報告を受けて、人々が想像してきた異界の様相の多面性を考え、異界との交流のあとをたどりながら、それを必要としてきた心性と現代社会における異界の持つ意味を検討するものです。
また今回は、発表者が事前に企画展示の見学を行い、来館者の視点から展示についての討論も行います。内容的な理解だけでなく、異界という観念世界の展示のあり方について話題とすることで、展示者と来館者の対話の場を設定し、展示の理解を深めるものでもあります。

【開催内容】

時間 内容
13:00〜13:10 開会挨拶 佐原 真(館長)
13:10〜13:30 趣旨説明 常光 徹(実行責任者)
13:30〜13:50 基本報告1 京極 夏彦
13:50〜14:10 基本報告2 小松 和彦
14:10〜14:25 休  憩
14:25〜15:50 討論

質疑応答

京極 夏彦
小松 和彦
司会:常光 徹
15:50〜16:00 閉会挨拶

【お申し込み方法】
フォーラム聴講希望者は、往復葉書に「第34回歴博フォーラム参加希望」と明記のうえ、
住所・氏名(返信用にも記入)・年齢・電話番号を記して下記までお申し込み下さい。
(定員を超えた場合は抽選。)
参加は無料です。

【お申し込み先】
〒285-8502 千葉県佐倉市城内町117 国立歴史民俗博物館 展示課展示広報係
Tel:043-486-0123(代)  Fax:043-486-4211

【締め切り】

☆2001年7月1日(日)必着

歴博講演会
第211回「「おに」の来ない鬼門-風水とはなにか-」
日程 2001年7月14日
講師 鈴木一馨(財団法人東方研究会)
備考 講演会詳細
第212回「死人に口あり-民俗宗教における死者との対話-」
日程 2001年8月11日
講師 池上良正(駒澤大学)
備考 講演会詳細
歴博探検(小学校高学年向けの講座)
第2期 異界万華鏡
日程 7月14日(土)、8月11日(土)、9月8日(土)の全3回
備考 歴博探検詳細
ギャラリートーク

本館の展示担当者による展示解説

日程 7月27日(金)、8月1日(水)・17日(金)・24日(金)
時間 14:00〜
場所 本館企画展示室
演奏と講演
「異界をきく -音の想像力-」
日程 7月28日(土) 13:30〜15:30
場所 歴博講堂
講師 鳥越けい子(聖心女子大学助教授)、
梅屋巴(邦楽演奏家)、
内田順子(本館民俗研究部)
備考 自由参加
おばけの音:体験講座〜聴こう、語ろう、創ろう異界の音
日程 7月29日(日) 
第1回…10:00〜12:00
第2回…13:30〜15:30
場所 本館ガイダンスルーム
講師 鳥越けい子(聖心女子大学助教授)、
梅屋巴(邦楽演奏家)、
内田順子(本館民俗研究部)
対象 年齢不問 各20名(定員を超えた場合は抽選)
申し込み 往復はがきに「おばけの音体験講座・第○回希望」と明記のうえ、住所・氏名(返信用にも)・年齢・電話番号を記載し、不思議な存在を感じるような音を体験したり、夢を見たことのある方は、その体験についても簡単にお書き添えのうえ、展示課展示広報係までお申し込み下さい。
締め切り 2001年7月1日(日)の消印まで有効
あなたの作品で、「2001年夏 妖怪絵巻」をつくろう

応募作品インターネット展覧会

歴博 怪談落語会
日程 8月18日(土) 13:30〜15:30
場所 歴博講堂
出演 三遊亭栄楽
司会 横山泰子(法政大学助教授)
備考 自由参加
異界万華鏡おはなし会
日程 7/21(土)、22(日)、28(土)、29(日)
8/4(土)、5(日)、11(土)、12(日)、18(土)、19(日)、25(土)、26(日)
時間 第1回…11:00〜11:30
第2回…14:00〜14:30
場所 本館企画展示室 第3室「第4部 異界を遊ぶ」
内容 不思議な話、怖い話を中心に、語りや絵本の読み聞かせ、紙芝居の上演を行います。
協力 民話の集い・佐倉おはなしの会・佐倉かたりべの会・佐倉文庫連絡会・おはなしきゃらばん

*関連イベントについての詳細は展示課展示広報係にお問い合わせください

*〒285-8502 佐倉市城内町117 国立歴史民俗博物館(TEL043-486-6488)