企画展示
過去の企画展示
国立歴史民俗博物館 「科学技術が拓く新しい歴史学」
趣旨
人びとの過去の営みをいろいろな観点から調べるのが歴史学ですが、科学技術はさまざまな形でその進歩に貢献しています。見えない地下の遺跡の探査、歴史資料の構造や材質の調査、さらに分子・原子・同位体のレベルでの調査が行われています。こうした自然科学を取り入れた研究から、大昔の年代や、過去の自然環境・生活・社会の様子、さまざまな品物の生産・流通、人の交流などの貴重な情報が得らています。
またコンピュータやIT技術などの科学技術は、得られた知識をよりビジュアルに復元し研究者や一般の人々の理解を深める手段として、さらに大量の歴史情報を利用しやすい形で提供する手段として使われています。
21世紀にはこれまで想像すらできなかった新しい方法が、いろいろな歴史研究の場面で登場するでしょう。国立歴史民俗博物館が取り組んでいる、科学技術を活用した研究の一端を4つのテーマで紹介します。
最先端の年代測定
三内丸山遺跡の原風景
縄文人はどのような集落に住み、どのような景色を眺めながら生活していたのでしょうか?発掘調査で見つかる柱の穴や炉の跡は当時の生活を知る重要な手掛かりですが、それだけでは専門家にとっても当時の景観を想像するのは困難です。考古学調査の結果にそって、遺跡の上に家を建て、道をめぐらし、周囲の山に木を生やすことができれば縄文時代の暮らしをありありと追体験できます。この展示では3次元のコンピュータグラフィックスを用い、約5900年前から4200年前に至る青森県三内丸山遺跡の景観の変遷を、見るものの視点を移動して眺めることができるようにしています。
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| 三内丸山遺跡(縄文時代中期)の復元図。 住居群から6本柱を望む。 |
三内丸山遺跡周辺の遺跡分布と交通路復元 |
赤外線で古代文字を読む
赤外線をあてると、古代の木簡や漆紙文書(漆容器のフタに再利用された古文書)から、ほとんど目に見えない文字があざやかに浮かびあがることがあり、肉眼では得られない新しい情報が得られます。最近、木簡の文字から奈良・平安時代にすでに約20の多品種の稲が管理栽培された実態が浮かび上がってきました。さらに遺跡に残る炭化米に残存したDNAの解析が進めば日本における稲の品種の系譜が明らかになると期待されます。展示では赤外線による文字の発見を体験するコーナーを設けています。
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| 漆紙文書 | 漆紙文書(赤外線テレビ写真) |
超拡大!江戸図屏風
「江戸図屏風」は、江戸時代に作られた屏風です。幅役3.8m、高さ約1.8mの六つおりの屏風が二つでひと組になってい ます。 これを六曲一双の屏風といいます。 いつ誰がなんのためにつくったか、研究者の間でもいろいろ意見が分かれていますが、屏風に描かれた絵は、江戸幕府の三代将軍である徳川家光がどこでどんな ことをしたかということをあらわしているといわれています。 歴博では、みなさんに江戸屏風をより楽しく、より詳しく見ていただくため、江戸図屏風に描かれた絵をすべてコンピューターにとりこみ、屏風のどの場所でも 選んで大きくしてみることができるようにしました。 見たい場所や、絵の大きさを簡単に選ぶことができます。 また、研究のために撮影した屏風のX線写真の画像を、もとの画像と並べて見ることができるようにしました。 ふつうでは見ることのできない絵の裏側の世界もぜひ楽しんで下さい。
(「歴博ギャラリー」のページで、屏風全体と各部分の写真を見ることができます。)




































