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開催概要
サザンカは日本を原産地とし、ツバキとともに冬枯れの季節に庭を彩る数少ない植物です。くらしの植物苑では、特別企画「季節の伝統植物」の一環として、2001年より冬を代表する園芸植物であるサザンカを収集し、展示してきました。これらには、「江戸サザンカ」、「肥後サザンカ」と呼ばれる独自の品種群も含まれています。
サザンカは、自生種に近い「サザンカ群」、獅子頭の実生またはその後代と考えられている「カンツバキ群」、サザンカとツバキの間で自然にできた雑種またはその後代と考えられている「ハルサザンカ群」の3グループに大別されますが、花はグループごとに10月中頃から翌年2月にかけて上記の順に咲いていきます。これらの品種は、いずれも実生の変種から選抜されたもので、こうした品種を維持・普及する方法は、日本の園芸文化の大きな特徴といえます。
くらしの植物苑では、人とサザンカの関わりを遺伝資源と文化的な資産の両面から着目し、生きた植物と歴史資料を併せて考察した成果を展示してきました。今年度の「冬の華・サザンカ」では、「近代のサザンカ」をテーマとし、石井勇義(ゆうぎ)が第二次世界大戦中に消えかかった系統を引き継ぎ、記録を残してきたことと、昭和30年代からサザンカに八重咲きが多くなってそのイメージが大きく変化した様子に焦点をあてた展示をします。
開催期間 | 2016年11月29日(火)~2017年1月29日(日) |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑 |
料金 | 個人(高校生以上) 100円 |
開苑時間 | 9時30分~16時30分 (入苑は16時まで) |
休苑日 | 毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、 年末年始 2016年12月27日(火)~2017年1月4日(水) |
主催 | 国立歴史民俗博物館 |
展示構成
2000年に当苑へ寄贈された品種に、その後新たに収集したものを加え、栽培・育種したサザンカ(サザンカ群70品種、カンツバキ群43品種、ハルサザンカ群32品種)を鉢植えにより、苑内の東屋周辺、ハウスで展示する。一部、常設スペースでの地植えもあります。
また、今回のテーマである「近代のサザンカ」については、石井勇義(ゆうぎ)が第二次世界大戦中に消えかかった系統を生産者とともに引き継ぎ、記録を残すことで明治以前と戦後をつなぐ役割を果たしたことと、昭和30年代からサザンカにツバキの遺伝子が混ざって八重咲きになったことで、それまでの秋咲きから冬咲きに移行し、イメージを大きく変化させたことを紹介する解説パネルを作成し、東屋で展示します。
●出展品種 計145品種
●出展鉢数 約300鉢
サザンカ群
秋から冬にかけて、一重〜二重の花を咲かせます。大輪花も多く、また、「江戸サザンカ」の代表的なものも、この品種群のなかまです。生態、形態的には、サザンカの自生種に近いグループで、樹形も自生種に似て、多くは立性です。
カンツバキ群
中部地方に古木が多い「獅子頭」(関東地方では「寒椿」と呼ばれます)がもとになってつくられたもので、真冬に八重や獅子咲などの華やかな花を咲かせます。樹形は立ち上がらずに横張性のものが多く、枝葉が密生して、仕立てやすいものが多いようです。
ハルサザンカ群
サザンカとヤブツバキの自然交雑により生まれたと考えられています。その名前が示すように、開花の時期が遅く、初冬から春にかけて、一重や八重、千重咲まで、多様な花を咲かせます。樹形も、立性から横張性までさまざまです。
関連の催し
サザンカの有償頒布のご案内
日時 | 10月22日(土)・11月26日(土) 9:30~13:30 |
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場所 | くらしの植物苑 |
価格 | 1ポット(3.5号)・・・1,030円 ※樹高20㎝程度 |
くらしの植物苑観察会 第205回観察会「江戸の花とさくらそう」
日時 | 12月17日(土) 13時30分~ |
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場所 | くらしの植物苑 |
講師 | 箱田 直紀(恵泉女学園大学名誉教授) |
備考 | 事前申し込み不要、要入苑料 |
関連図録等
『季節の伝統植物』 800円
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