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開催概要展示構成関連の催し朝顔展経過

開催概要

伝統の朝顔
開催期間2001年8月7日(火)〜9月9日(日)

写真は1999年度のものです。

奈良時代に薬用植物として日本に伝えられた朝顔は、江戸時代後期に変化朝顔という世界でも類まれな園芸植物として育まれることになりました。パフォーマンスの極致とうたわれるほど、その変化は奇抜で多様です。

第3回目となる今回は、変化が複雑でない正木系統を主に取り上げます。正木系統と言えども、大輪から車咲と咲き方も多様です。葉・花の形と色・紋様、花のもち(午後でも咲いている)、茎・蔓などにあらわれる計り知れない多様性、奥の深さを探索するとともに、現代にかなった楽しみ方を模索したいと思います。

また、本館第3展示室には、新規収集の朝顔図譜を中心とした展示品が約10点ありますので、併せてご覧いただきたいと思います。

会場 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
料金 通常料金に含む
開苑時間 9時〜16時30分 (本館開館時間と異なるのでご注意ください)
主催 国立歴史民俗博物館

展示構成

展示内容

温室2棟
  • 正木系統を主に、変化朝顔約80系統を鉢植え展示
  • 蔓が伸びず盆栽のような「木立」や蔓が垂れ下がる「枝垂れ」を含む大輪朝顔も数十系統を鉢植え展示
  • ヨーロッパやアメリカの朝顔近縁種も展示
あずまや 江戸時代以降の朝顔図譜など資料、朝顔の遺伝の仕組みをパネルで展示 
変化朝顔の展示図録や関連グッズを販売(博物館振興会)

※歴博の本館第3展示室の1コーナーで、江戸時代の「朝顔図譜」や関連資料を展示

展示解説と園芸相談

  • 展示会場の温室では、開苑から午後3時頃まで解説員が展示を解説
    (朝顔の色・形は午前中の早いうちが見頃。系統によっては午後3時頃まで開花)
  • 植物苑のギャラリー・トーク(ワタやヒョウタン、ハスなど夏の風物詩が盛りだくさん)
    毎週土・日曜日、午前10時〜/午後2時〜の2回(1回約1時間)
  • 朝顔をはじめさまざまな植物の園芸相談
    毎週水曜日、午後3時〜
  • 新刊・歴博ブックレット『朝顔を語る』お買い上げの方、1冊につき変化朝顔の種子1袋をもれなくプレゼント
  • 展示解説シートを無料で配布

くらしの植物苑観察会

第40回「変化朝顔の謎とき」:多様に変化する朝顔の遺伝の仕組み

日時 7月28日(土)午後1時30分〜
講師 仁田坂 英二(九州大学)

第41回「歴史の中のワタとその仲間」:ワタの仲間の種類と歴史

日時 8月25日(土)午後1時30分〜
講師 辻 誠一郎(歴博)

「伝統の朝顔」に関する掲載情報

『マイガーデン』No. 19 夏号 -7月発行-(マルモ出版)に「変化朝顔の世界-江戸の香り漂う艶やかな花姿」が7ページの特集で掲載されています。監修は「伝統の朝顔」展示プロジェクト代表委員の辻誠一郎。歴博が所蔵する変化朝顔の芽生え、葉、花の写真がふんだんに盛り込まれています。

『園芸通信』7月号(サカタのタネ)に、昨年の7月27日〜8月27日、オランダのラ イデン大学付属植物園で開催した(ライデン大学と歴博の共催)「日本の伝統朝顔」展の報告が掲載されています。

『ミマン』8月号(文化出版局)に特集として「江戸の変化朝顔」が4ページにわたって 掲載されています。「伝統の朝顔」に足しげく通ったプロカメラマン中村修氏の力作や歴 博所蔵資料で埋められています。

『日経サイエンス』9月号(日経サイエンス社、7月25日発売)に、「伝統の朝顔」展示プロジェクト委員の仁田坂英二氏(九州大学)の論説「変わり咲きの朝顔の歴史と遺伝学」が掲載されます。突然変異によって生み出された変わり咲き朝顔の歴史、名前の付け方、江戸後期の人々が遺伝学を身につけていたことが説かれています。歴博所蔵資料も登場します。

『歴博ブックレット 朝顔を語る』昨年8月に伝統の朝顔展示プロジェクト委員会が開催した公開討論会「朝顔を語る」の記録をまとめ、新たに朝顔解説を加えたものです。生物学からみた朝顔、江戸時代の朝顔ブーム、江戸の道楽、朝顔を作る楽しみなどからなっています。

朝顔展経過

9月5日 外国の朝顔

会場入口付近にある大鉢仕立ての朝顔は外国からきた朝顔で、朝顔と同じヒルガオ科の仲間です。人気外来種「ヘブンリーブルー」や「フライングソーサー」は、総称してソライロアサガオといい、毛のない丸葉でひとつの茎に3〜5のつぼみをつけます。ヨーロッパで園芸化されたため西洋朝顔といわれています。毛のある丸葉はマルバアサガオの仲間で熱帯アメリカが原産ですが、低温でも結実するために古くからアメリカやヨーロッパで栽培されていました。これに対して日本の朝顔と全く同じで鮮紅色の花をつける「スカーレットオハラ」は、日本からアメリカへ渡ったものが改良されて逆輸入されたものです。このほかに夕方から開花するヨルガオ、葉が5裂するゴヨウアサガオ、北アメリカ原産の帰化植物マメアサガオ、ルコウソウに近縁の黄色花もあります。このほか宿根の「オーシャンブルー」は、日本でも沖縄や八丈島などで自生がみられるノアサガオの仲間です。

ソライロアサガオ「フライングソーサー」

マルバアサガオ

ヨルガオ

ゴヨウアサガオ

ルコウソウ

外国産ノアサガオ「オーシャンブルー」

   

8月29日 変化朝顔(出物系統)

出物系統は変化朝顔の中でも複雑な変異が現れたもので、葉や花びらが細くなる「柳」、葉や花がさらに糸のように細くなる「糸柳」、葉が抱え込んで花びらが細い筒になり風鈴のようにぶらさがる「獅子」、葉や花が切れ込みをもち、さらに花は花筒が折り返して台咲になり、台の上から花弁が噴上げて鳥甲のようになる「車咲牡丹」など、とても朝顔とは思えないような葉や花が系統により一定の割合で出現します。これらは劣性といわれる出にくい性質が現れたもので、雄しべや雌しべが花びらに変化、あるいは退化してしまっているためタネをつけることができません。そのため出物の形質を隠し持つ、兄弟株の親木と呼ばれる普通の丸咲から採種し、子葉で選別を行っていました。メンデルが遺伝の法則を発表する以前から、江戸の人たちが経験的とはいえこのように出物系統を維持していたことは驚くべきことです。

柳系統605 親木

柳系統605 親牡丹

柳系統605 一重出物

柳系統605 牡丹出物

獅子系統415 親木

獅子系統415 親牡丹

獅子系統415 一重出物

 

8月22日 変化朝顔(正木系統)

917 青斑入蜻蛉葉枝垂淡桃地くすみ桃車絞丸咲

正木系統は変化朝顔の中でも比較的単純な変異が現れるもので、すべての株に種子ができるものをさします。曜の数が増える「州浜」、植物体全体が詰まって葉も茎も硬くなる「渦」、全体が乱れる「乱菊」、成長点が線状に形成されるために茎が帯状になる「帯化(石化)」、葉や花が五つに切れ込む「立田」などがあります。最近ガーデニングに取り入れられはじめた「木立」というつるのあまり伸びないもの、「枝垂」というつるが垂れる性質のものもあります。


356 青鍬形葉木立藤色星咲

508 青渦蜻蛉立田葉淡青切咲

731 青桔梗渦葉紫覆輪桔梗咲八重

851 青渦葉鮮紅色丸咲

8月15日 大輪朝顔

朝顔は明治20年代に第3次ブームが訪れます。品種改良にも近代科学の技術が取り入れられるようになり、大輪咲きも作られるようになりました。花の好みは大正時代に入ると大輪咲が主流となってきます。現在よく栽培されている朝顔の多くがこの州浜変異と蜻蛉葉変異、肌脱ぎと呼ばれる上部の葉脈が裸出した変異を併せもつ大輪朝顔です。本葉は州浜葉と蜻蛉葉の複合した蝉葉で、斑の入るものは子葉の時から斑が入っているのがわかります。花は野生型の曜が5つなのに対して、6-9に増加した大輪花を咲かせます。

青斑入蝉葉茶覆輪丸咲大輪(ほととぎす)

黄斑入蝉葉茶吹雪丸咲大輪(神楽)

731 青桔梗渦葉紫覆輪桔梗咲八重

これ以前の準備状況はこちら