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2006年8月31日

鹿ケ谷カボチャ(ウリ科カボチャ属)

ニホンカボチャの一種で、京都地方で栽培されています。カボチャは、「果柄が果実に接する部分の形」「葉形」「葉片の形」で、セイヨウカボチャ、ニホンカボチャ、ペポカボチャの3種に区別できます。鹿ケ谷は縦溝がはっきりせず、形状がヒョウタン型なので覚え易い品種です。

トウガン(ウリ科トウガン属)
古くは果実の表面に毛があることからカモウリといい、奈良時代には価格がウリのなかで最高であったともいわれます。また江戸時代にはトウガンを切売りしている様子が画かれているものもあり、よく食べられていたと思われる野菜です。果実は貯蔵性にすぐれ、半年間の保存にも耐えられます。
ヘチマ(ウリ科ヘチマ属)
黄色の大きな雌花と雄花をつけます。果実は長さ約100㎝、太さ約10㎝の円筒形で、外面に浅い縦溝があります。成熟すると果皮の繊維が発達して、スポンジ状になります。果実を水につけ、外皮や果肉を腐らせて、たわしをつくります。若い果実はキュウリに似た淡泊な味で、特に沖縄地方の食用ヘチマは繊維の発達が少なく、柔らかいです。
キクイモ(キク科ヒマワリ属)
北米原産の多年草で、茎はまっすぐで、2mにもなります。茎の下部の葉は対生、上部は互生します。花は先端に10㎝くらいの黄色の筒状、舌状花をつけます。地下茎が膨らんで塊茎をつくることからキクイモといいます。果糖製造、アルコール発酵の原料にします。繁殖力が強く、北海道には野生化したものが多いそうです。
モリアザミ(キク科アザミ属)
ゴボウアザミ、キクゴボウなどともいわれます。モリアザミの根は太く垂直に伸び、食用になります。山ゴボウ、菊ゴボウは栽培したモリアザミの根をみそ漬けにしたものです。

2006年8月24日

ハトムギ(イネ科ジュズダマ属)

ジュズダマによく似ていて変種とされます。穎果はホウロウ質の苞にくるまれますが、ジュズダマと違い指で押せは割れるほど柔らかいです。東南アジアでは、精米して常食とする所もあります。栄養価は高く、精米したものを「よくいにん」といいます。写真の黄色は雄花序です。

ヒエ(イネ科ヒエ属)
子実を食用や飼料に使います。茎が扁平で角張り、穂が鳥の足指のような形となります。ヒエの穂は開散穂型、密穂型、中間型があります。苑内で作付けしたものは九州ヒエで開散穂形です。厳しい環境に強く、山間地や飢饉の時の作物として栽培されたりします。
キビ(イネ科キビ属)
穎果はアワよりも大きく、熟すと脱落し易いです。もち種はぜんざいや、粉にしてキビ団子やちまきなどに用い、うるち種は飯や粥などにします。
アワ(イネ科アワ属)
東アジア原産の1年草で、エノコログサから進化したと言われます。穂の小さいコアワと大きいオオアワがあります。もち種は餅、だんご、酒(泡盛)などに、うるち種は飯、ぜんざい、おこしなどにします。乾燥風土に適します。
ツナソ(赤茎イチビ)(シナノキ科ツナソ属)
東アジア原産といわれます。茎がまっすぐに伸び、枝の先端付近で枝分かれします。黄色の5弁の花が葉のつけ根に咲きます。茎を切ってすぐに皮をはいだ粗麻と、生茎を1~2週間水につけ皮部をはいだ精麻があります。ジュートとも言います。
イチビ(桐麻)(アオイ科イチビ属)
インド原産といわれます。葉がキリの葉に似ています。黄色の5弁の花をつけます。茎を切り乾燥させ、水に浸して腐敗・発酵させて、表皮の下の靭皮繊維をとります。繊維はもろくジュート(ツナソ)をまぜてロープや麻袋を作ったりします。

2006年8月17日

『伝統の朝顔』

遅れていた正木系統の花が咲いてきました。その中の大輪系統の花はどこに出そうかと思うくらい咲き出しました。昨年歴博で発見された突然変異体の無弁花も咲いています。無弁花については『伝統の朝顔』ページをご覧ください。

伝統の朝顔「伝統の朝顔」詳細はこちら

南部金甜瓜(ウリ科)
縞の入るマクワウリで生食ができます。東北地方で主に作られ、栽培にも強い豊産種です。
小姫瓜(ウリ科)
白い球形のヒメウリで、新潟(新津市)ではお盆の飾りに、小姫瓜、ホウズキ、ジュウロクササゲ、ヒメリンゴなどそれぞれ1種類をまとめて紐でくくり、上から吊るしてお供えにします。
黄香瓜(ウリ科)
中国で栽培されていた黄色のマクワウリで、元大阪府立大学の藤下典之先生によって採取されたものです。
金俵甜瓜(ウリ科)
黄マクワの愛称で、最近までよく食べられていた品種です。俵形のマクワウリで収穫量も多いです。
小越瓜(ウリ科)
台湾で栽培されていた漬物用のウリです。濃い色の斑や縞が入る品種で、元大阪府立大学の藤下典之先生によって採取されたものです。
モモルディカメロン(ウリ科)
モモルディカメロンは、水分が少なく、粉質で、慌てて食すると喉をつめるということで別名ババゴロシといいます。いまでは八丈島、長崎の福江島くらいしか栽培されていません。種子は大きいです。上記の藤下先生がこのウリを見つけるまでの経緯は図録『海をわたった華花』に詳しくでています。

2006年8月10日

植物苑入り口『伝統の朝顔』展看板
「伝統の朝顔」展が8日にオープンしました。当日は朝早くから開苑を待つ行列ができました。小雨が降っていたにもかかわらず、内覧会には多くの方に来て頂きました。またアサガオ苗の有償頌布は盛況のうちに終了いたしました。
東屋の展示風景
中央の東屋には朝顔の解説パネルや、植物苑での収穫物を展示しています
朝顔の展示風景
植物苑入り口に、よしず張りの展示場を作りました。大輪朝顔を主に展示しています。
大輪:黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪“団十郎”
茶色の大輪朝顔で団十郎と呼ばれています。渋い茶色のアサガオで人気があります。
大輪:松島鍬形葉咲分大輪
花は青と白に染め分けし、葉も黄葉の中に緑色の点や斑が入る、 松島と呼ばれるアサガオです。
無弁花
2005年に歴博で発見された、花器官の全て「がく」になった無弁花牡丹のアサガオです。

2006年8月3日

トロロアオイ(アオイ科トロロアオイ属)
中国原産の多年草で、和紙の糊原料や観賞用に栽培されます。直径10センチほどの黄色の大きな花をつけます。秋に根を収穫し、打ち砕いて水につけたものを和紙を漉く糊として用います。

ポップコーン(イネ科トウモロコシ属)
写真上は雄花で、茎の先端で咲きます。下は雌花でヒゲと言っている部分は花柱です。この種は爆裂種ともいい、粒の大部分が硬く、中央部に水分を含んだ軟質部があり、加熱すると急に膨らんで粒がはせます。トウモロコシは粒の形態や胚乳の質によって8変種に区分されます。私たちがよく食べるのは、胚乳に糖を多く含む甘味種の未熟果実です。
ウド(ウコギ科タラノキ属)
夏緑の多年草で成育はよく、横に広がる性質があります。花は散状花で、一斉に咲くことは無く、写真の様に色の違いで花の咲く順番がわかります。
つるくびヒョウタン(ウリ科ユウガオ属)
果実の上半分がツルのくびのように細くなる果実をつけるヒョウタンです。下半分の膨らんだ部分を半分に切ってヒシャクに用いたりします。
小ダルマヒョウタン(ウリ科ユウガオ属)
中央のくびれがほとんどないダルマ型のヒョウタンです。半裁して水汲みや容器にします。
千成ヒョウタン(ウリ科ユウガオ属)
日本で栽培されるヒョウタンで、最も典型的な中央のくびれた形をし、栽培もし易く着果数の多い豊産種です。
岡部マリヒョウタン(ウリ科ユウガオ属)
ガーナ産のヒョウタンで、正球形のヒョウタンです。
変化アサガオ系統番号448牡丹出物

変化アサガオの出物系統、管弁獅子咲牡丹の花です。8月8日から9月3日まで,特別企画『伝統の朝顔』展を開催いたします。詳しくは「伝統の朝顔」紹介ページを御覧ください。

伝統の朝顔詳細はこちら