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2006年5月25日2006年5月18日2006年5月11日2006年5月1日

2006年5月25日

ハマナス (バラ科バラ属)

海岸に多い落葉低木で、関東以北、北海道に分布します。5月には赤い大きな花が咲き、8月には丸い果実も赤くなります。花からは香りを取りローズ油をつくります。果実は薬酒や、乾燥させてお茶にします。根は染料として利用したりします。

トベラ(トベラ科トベラ属)
常緑の小高木で雌雄異株。本年枝に薄いクリーム色の集散花序をつけ、香りがあります。苑内には雌雄両株があり、写真は雌株です。秋には粘着質の物質に包まれた種子を持つ裂果をつけます。沖縄では髪にトベラの枝をさして神のヤマに入ります。
クネンボ (ミカン科ミカン属)
インドシナ、タイ、華南原産の小高木で、白い花をつけます。果実は中型、独特の臭いがあります。果底は浅くへこみ、外皮が厚く食用になります。
ガマズミ(スイカズラ科ガマズミ属)
落葉低木で、放射相対の散房状また円推状の白い花をつけます。花はくさい臭いを出し虫を引き寄せます。仲間が多いので、葉柄の長さや葉の形で識別します。秋には赤い実をたくさん付け鳥がよく食べにきます。
スダジイ(ブナ科シイ属)
急に鼻が詰まった様に感じたら、スダジイの花が咲いているかも知れません。きょろきょろしてみてください。常緑の高木で苑内のスダジイはかなり立派で10mを越します。樹皮には深い割れ目が出来ています。夏の暑い日に樹の下で涼むのは大変気持ちがいいです。
ベニバナエゴノキ(エゴノキ科エゴノキ属)
雑木林や谷間にはえる低木で、下向きに花柄の長い厚みのある白い花をつけます。若い葉の裏や新枝には星状毛があり、材は粘りが強く傘の柄に使われました。エゴサポニンを含み果皮を洗濯に、また川に流して魚を捕ったりしました。苑内は園芸品種のベニバナエゴノキで、本来のエゴノキは城址公園の姥ヶ池から本館に上がる坂でみられます。
ベニコウホネ(スイレン科コウホネ属)
多年草の水草で泥の中に太い根茎をもち、沈水葉と挺水葉があります。本来は鮮黄色の花を付けます。根茎を乾燥させたものを漢方では川骨とよびます。アイヌの人が根茎を食べていた記録があります。苑内は園芸品種のベニコウホネです。

2006年5月18日

バショウ(バショウ科バショウ属)
本苑のバショウは食用にする果実(バナナ)はつけません。果実を食用にするものをミバショウといいます。地下には根茎があり、葉鞘が巻きかさなり茎のように見えます(偽茎)。バショウ属のなかでは最も耐寒性があります。写真では2列並んだ雌花と花房が見えます。芭蕉布で有名なリュウキュウイトバショウはこの偽茎から繊維をとります。
オガタマノキ(モクレン科オガタマノキ属)
苑に入り畑くらいのところから甘いバニラような芳香がします。この香りはオガタマノキからでています。西南日本に自生する常緑樹で、招霊が転じてオガタマの名になったといわれ神社などに植えられています。
ホオノキ(モクレン科モクレン属)
山地に普通に生える日本固有の落葉高木で、大きな葉は食物を盛り付けたり、味噌を包んで朴葉味噌として有名です。大きな葉に目を開けてお面を作ったりもしました。樹も柔らかく加工し易いため細工物、家具など広い用途があります。朴歯の下駄はよく知られています。
ミヤコワスレ(キク科ミヤマヨメナ属)
山野に自生するミヤマヨメナからつくられた園芸品種で花壇や切花に栽培されます。ミヤマヨメナの頭花は淡青藤色の舌状花は少ない花が枝先に1個咲きます。
ユキノシタ(ユキノシタ科ユキノシタ属)
山地谷に生える多年草で、株から赤い走出枝をのばし、先に芽をつけて根を下ろしふえていきます。花は5枚の花びらをつけ上の3枚は小さく、下の2枚は長く垂れ下がります。葉はてんぷらにしたり、腫れ物の膿だしにしたりします。
コンニャク(サトイモ科コンニャク属)
地下の球茎を食用にするために栽培される夏緑多年草で、写真のものは3年草で暗紫色の仏炎苞に包まれた肉穂花序が大きくなって1週間になります。そろそろ咲くかと毎日臭いをかいでいました。臭いがしなかったのが17日頃から臭い始めました。そろそろ咲くかも知れません。お楽しみに。
ゴボウ(キク科ゴボウ属)
長い根を食用にする日本独特の野菜で、繊維が多く整腸作用があります。千葉では成田山新勝寺の精進料理で有名な大浦ゴボウがあります。写真は葉を食用にする福井の越前白茎ゴボウの花がそろそろ咲きそうです。
伊勢なでしこ展示中
『伊勢なでしこ』を5月16日から5月28日まで展示いたします。花の状態により展示期間は変ることがあります。 ナデシコは非常に交雑し易い植物で、江戸時代には栽培されていた中から選抜淘汰が行なわれ、さまざまな花形が生まれました。花弁が下垂れするそれらは伊勢なでしこと呼ばれ、江戸時代末には花弁がよじれながら30㎝近くまで下垂する系統が誕生したといわれます。くらしの植物苑では実生選抜による伊勢なでしこを温室と東屋に展示いたします。

2006年5月11日

ダヴィディアの木(ハンカチーフの木)(オオギリ科ダヴィディア属)
5月の連休から色付きはじめた苞が真白になり、その名のとおりまるでハンカチーフを振っているようです。今年はたくさんの花をつけてくれました。苑中央の藤棚の横にあります。
オオタサクラ
いつ咲くかと何年も苑に見にこられた方が多かったかと思います。硬いつぼみの2つが開いてきています。1ヶ月前と比べて見てください。
シャクナゲ (ツツジ科ツツジ属)
シャクナゲは豪華な花をつけることから園芸品種も多く、本苑にあるものはアズマシャクナゲ系統の園芸品種と考えらます。花だけでなく、シャクナゲの対岸にある台湾シャクナゲと樹形を比べるのも植物苑の楽しみのひとつです。(残念ながら台湾シャクナゲの花は終わっています。)
オドリコソウ (シソ科オドリコソウ属)
半日陰に群生する多年草で、茎は四角形、花は虫が止まりやすいような唇形の花を輪生します。和名は立ち上がった花の姿を、笠を被った踊子の姿に見立てたというのもうなずける花です。苑内には同じオドリコソウ属のホトケノザ、ヒメオドリコソウなどもみられます。

2006年5月1日

ダヴィディアの木(ハンカチーフの木)(オオギリ科ダヴィディア属)
中国山岳地帯に成育する木で、新芽が伸びてから梢に2枚の大きい白い苞のある花が咲きます。いま咲き始めてきました。まだ薄い緑色ですがだんだん白くなっていきます。その様子がハンカチを振っているようでハンカチーフの木とも呼ばれます。プラントハンターとしても活躍したフランスの宣教師のダビットを記念してダヴィディア属がつくられました。
ヤマモモ (ヤマモモ科ヤマモモ属)
ヤマモモの雌株の雌花序です。雄花序は目立ちますが雌株は果実がついてから気が付くことが多いです。苑内には7本のヤマモモがありますが、そのうち雌株は2本です。雄花に比べ雌花は小さいく赤い色をしています。6月には球形の赤い果実が実り、果実はそのままでも美味しいです。
トチノキ (トチノキ科トチノ属)
円錐形の花序がだいぶ大きくなりなした。今年は低い枝に花序が付いているのでゆっくりと見ていただけると思います。冬芽はねばねばしていて鳥に食べられないようにしています。植物の戦略です。種子はアク抜きをして食用にします。縄文時代の4大デンプンの一つで,トチノミのあく抜きの加工場跡が関東以北で見つかっています。
オニグルミ (クルミ科クルミ属)
前年枝に大きい雄の尾状花序が垂れ下がり、その上に新枝の先に濃赤色の小さい雌花序が付きます。花柱は2裂し赤く見えるのは柱頭です。葉痕は隆起し維管束は大きく3つに分けられサルの顔にみえて楽しいです。まだ葉がそんなに繁っていないのでじっくりと見ることが出来ます。