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2006年3月29日

カツラ(カツラ科カツラ属)
山地の谷に多く生える雌雄異株の落葉樹です。赤い冬芽の中から花びらもガクもない、それぞれ多数の雄しべと雌しべだけの花を葉にさきがけて咲かせはじめました。写真上は雌株で、赤いひげのような雌しべを3~5本つけています。写真下は雄株で、若い雄しべが多数見えています。黄葉した葉は甘い香りを放ち、これから抹香をつくるため、別名をコウノキともいいます。材は建材や彫刻に利用されます。
ヒサカキ(ツバキ科ヒサカキ属)
枝にびっしりとついたつぼみが冬を越して開花し、近くを通ると、沢庵とも都市ガスとも、むしろ悪臭ともおもえる香りが漂っています。岩手県以南の暖地の林下に生える雌雄異株の常緑樹で写真上は雌花、下は雄花です。関東地方ではサカキの代用としてヒサカキを神事に用いるところが多くあります。ヒサカキは葉に鋸歯があり、サカキには鋸歯がないことで区別できます
ワラビ(コバノイシカグマ科ワラビ属)
山地の日なたに群生するシダ植物です。ゼンマイとならぶ山菜の代表格で、古くから葉が開く前に摘み取り食用にしています。根茎からデンプンをとり、餅をつくりますが、粘着力が強いので糊としても用いられました。デンプンをとった後の繊維や葉の茎は、水に強く弾力に富むことから縄やホウキに加工されます。
ゼンマイ(ゼンマイ科ゼンマイ属)
地から山地にかけての林下に生えるシダ植物で、展開しない葉は綿毛に被われます。山菜としてはこの状態のときに摘み取って加工し保存食としますが、じつは葉には胞子葉と栄養葉があり、食用に利用するのは栄養葉の茎の部分です。写真は胞子葉で、栄養葉より先にでてきます。食用だけでなく、綿毛を糸に織込んだ布は防寒・防水性に富み、古くから人々に利用されてきました。

2006年3月22日

アンズ(バラ科アンズ属)
初夏に果実をつけるウメと同じアンズ属の果樹です。中国原産の東洋系統と地中海地方原産のヨーロッパ系統の2種にわけられ、日本ではおもに長野県地方で栽培されています。多くの品種があり、花の色は淡紅から濃紅色まで様々です。日本では甘酸っぱい果肉を利用することがほとんどですが、種子(核)のなかの仁「杏仁」は咳止めや去痰薬、菓子の香りづけにも利用されています。
ハチジョウキブシ(キブシ科キブシ属)
キブシと比べると全体にがっしりしています。ハチジョウキブシはキブシの変種で、東北以南の海岸付近に多く見られる雌雄異株の落葉樹です。どちらも葉に先がけて薄黄色の花を咲かせ、林に彩りを添えます。写真は雄株で、花序の上部の花では、雄しべから花粉がでているのがわかります。雌株は、雌しべしかありません。すぐ脇に雌株もありますので、比べてみてください。
ヒメサザンカ(ツバキ科ツバキ属)
リュウキュウツバキともいわれ、琉球列島の固有種として知られる常緑高木です。ヒメの名がつくように、サザンカよりもひとまわり以上も小さな花をつけ、果実に1種子しかできないことが大きな特徴です。香りが強く、ニオイツバキ作出のための親木としても注目されています。本来は白色の花を咲かせますが、写真は桃色の花を咲かせる品種のひとつです。
シュンラン(ラン科シュンラン属)
暖帯の林床に生える常緑の多年草で、名のごとく春先によい香りのする花をつけるランです。淡い黄緑色の花は唇弁に紅紫色の斑点があることからホクロともいいます。花はそのままあるいは塩漬けにして添え物、またお茶にもすることがあります。花が美しいので古くから観賞用に栽培されますが、最近は乱採によって減少しています。

2006年3月15日

ヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属)
本州以南の海岸に多い常緑樹で、暖かくなるにつれて咲いてきます。ツバキには観賞用の品種が多くありますが、野生種を区別してとくにヤブツバキとよんでいます。種子から採る椿油は、食用や整髪料として、また灰は焼物の釉薬や染物の媒染剤として利用します。植物苑では、屋久島や沖縄などに分布するヤクシマツバキや、花の白いシロバナヤブツバキもみることができます。
ウメ(バラ科アンズ属)
遠くからでもよい香りが漂って、ウメが咲いていることを教えてくれます。中国原産で奈良時代には渡来したことが知られています。ウメの花形とまるいつぼみ、特徴のある枝ぶりは、古くから愛され、美術工芸のモチーフとして登場したり文学にも登場しています。花だけでなく果実も珍重され、烏梅(うばい)といってウメの果実を煮詰めたり燻製にしたりしたものを薬として用いるほか、紅の媒染にも使われました。
フッキソウ(ツゲ科フッキソウ属)
林床に生え、枝が地面を這ってひろがるため、草のようにみえますが、常緑の亜低木です。先端部が立ち上がり花をつけます。ひとつの花穂の、上のほうに雄花、下のほうに雌花がつきますが、いずれも花びらはありません。常緑で春先に花をつけるため、復帰草とおもわれがちですが、正しくは「富貴草」で、葉が茂るさまを繁栄にたとえています。
サンシュユ(ミズキ科ミズキ属)
中国から朝鮮半島に分布し、江戸時代に薬用植物として渡来しました。黄色の花を包んでいる4枚の茶色い総苞片は、同じ仲間のハナミズキの白く花びらに見える部分にあたりますが、サンシュユの総苞片は大きくなりません。サンシュユは別名をハルコガネバナともいい、ちょっと離れてみると、枝が黄金色に光り輝いているようです。マンサクとともに春を告げる樹木のひとつに数えられています。

2006年3月8日

ニオイミツマタ(ミツマタ科ミツマタ属)
枝分かれがどの部分も3つになることからミツマタ(三叉)といいます。ミツマタは中国原産で日本には江戸時代に渡来し、製紙原料として用いられ、現在でもその丈夫なことから紙幣の原料とされています。葉にさきがけて咲く、白い絹毛におおわれた花は黄色ですが、すべてガクで花びらはありません。写真のニオイミツマタは全体にがっしりとした園芸品種です。
マユミ(ニシキギ科ニシキギ属)
温帯、暖帯の山地に普通に生える低木。緻密でよくしなる材で弓をつくったことから「真弓」といわれています。暖かくなって新芽が芽吹きました。芽のまわりにあるつぶ状のものはつぼみです。あと1ヶ月もすると、長く柄が伸び、この先に花をつけます。花は白緑色で目立ちませんが、雌しべが短いタイプの株と雌しべが長いタイプの株の2種類があります。もう少し伸びた新芽を山菜として利用します。
トサミズキ(マンサク科トサミズキ属)
高知県の蛇紋岩や石灰岩地などに自生し、春まだ浅い頃、葉に先立って葯の赤い小さな花を房状に7~8個つけます。写真では先端の花の葯から黄色い花粉がでてきています。よく似ているものに花序の花数が少なく、葯の色が黄色のヒュウガミズキがあります。いずれも観賞用として好まれ、庭木や生け花に利用されています。どちらもミズキという名がついていますがマンサクの仲間です。
ギョウジャニンニク(ユリ科ネギ属)
新葉が、蛇腹に折りたたんで出てきました。さわってみるとネギ属特有の臭気があります。近畿以北の山野の湿ったところに生え、別名をアイヌネギとかギョウジャビルなどといい、古くから山菜として用いられてきました。最近では注目される野菜として栽培、加工もされています。救荒植物としても知られ、江戸時代以降の文献にたびたび登場します。

2006年3月1日

アケビ(アケビ科アケビ属)
今年で寄贈4年目となるシーボルツ・チルドレンのひとつアケビが芽吹き、新葉と小さなつぼみがのぞいています。雌雄同株で、花序の先端に雄花、基部側に雌花がつきます。写真は雄花のつぼみでしょうか。花期は通常4月中・下旬ごろで、いずれも花びらはなくガク片が花びらの様にみえます。山地に生え日本を代表する落葉つる植物のひとつで、若芽や果実を食用とするほか、つるで道具を作ります。
シロバナヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属)
本州以南の海岸に多い常緑樹で、サザンカが寒くなると咲きはじめるのに対し、ツバキは暖かくなるにつれて咲いてきます。ツバキには観賞用の品種が多くあり、野生種を区別してとくにヤブツバキとよんでいます。写真はその白花です。ツバキの種子から採れる椿油は、食用や整髪料として、また、灰を焼物の釉薬や染物の媒染剤として利用します。
アサザ(ミツガシワ科アサザ属)
先週までなにもなかった水面がにぎわってきました。つんつんと飛び出ているのは若葉です。葉は日増しに大きくなり水面に浮かぶようになります。花は黄色く、朝咲いて午後にはしぼんでしまう一日花です。若い葉は食用にでき、花蓴采(はなじゅんさい)ともよばれます。池や沼に生える多年生の水草ですが、近年ではとても少なくなり、環境指標生物となっています。
コハコベ(ナデシコ科ハコベ属)
春の七草に登場するハコベは、かつては救荒作物として重要な食料とされてきました。薬用としても用いられている有用な植物ですが、畑や路傍の雑草として知られるほうが多いようです。写真はコハコベで、ハコベに比べて全体が少し小さく、茎が赤紫色を帯びています。両者は区別せずにハコベとよばれています。いずれも5弁花ですが、花びらの先が2つに深裂するため10弁に見えます。苑内にはコハコベが多いようです。