さて私たちの共通点は?

  • 執筆者:小川清子(くらしの植物苑ボランティア)
  • 公開日:2005年10月22日

カラマツとコウヤマキ、2種の針葉樹についてご紹介したいとおもいます。それぞれの葉をとくと観察して下さい。ひとかたまりになっている様は、可愛らしささえ感じられます。しかし、この葉が密集しているのは、なんと枝先なのです。短い枝に束生しているのです。

まず、カラマツから。カラマツはマツ科に属し、雌雄同株の落葉高木。長枝(長い枝)と短枝(短い枝)を持ち、新しい枝は長枝となります。短枝と長枝の葉型が少しちがいますので、見比べてみてください。以前、長野県富士見町で、黄金色に輝く黄葉の森に出会ったことがあります。針葉樹のイメージから常緑と思っていたので、感慨ひとしお、まだ自然の樹木に対して、勉強不足の日々でした。新緑のやわらかな芽吹きもよいものです。気候がずいぶん秋らしくなりましたので、くらしの植物苑のカラマツにも目をむけてみてください。

次にコウヤマキ。以前はスギ科に分類されておりましたが、今はコウヤマキ科コウヤマキ属と独立した、日本固有の樹木です。雌雄同株の常緑高木。現在くらしの植物苑に植栽されているものは、2個のマツボックリ(球果)をつけています。マツボックリというのもおかしいですが、マツでもスギでもない、1属1種の世界に誇れる種の存続のおおもとが樹の上部にありますので、見つけてみてください。和名は、紀州(和歌山県)高野山に由来。

香りがよく、水に強いなど有用価値があることから木曽五木の1つに数えられています。これらの特性を利用して、木棺や風呂桶、船などに利用されました。以前はよく使われていた樹木ですが、気候の変化でしょうか、現在では限られたところにしか見ることができません。短枝にビッシリ葉がついており、葉は一枚に見えますが、まん中がくぼんでおり、本来はマツ葉のように二葉ある葉が合着したものです。裏面にはくぼんだ白色の気孔線も見えます。

そんな訳でこれら2種の共通点は、短い枝に密集して葉が着くことでした。私たちは、ボランティアとして昨年まで行われていた体験教室に携わり、小・中学生の方々と一緒に楽しく新知識を得ることができました。ですから、多くのお子さん方に来苑していただき、自然にふれてほしいのです。地球は、樹木や草などの植物から恩恵を受けています。ドングリを拾い、カラマツの黄葉を見上げ、青い空を見つめてほしいのです。

コウヤマキ
(コウヤマキ科コウヤマキ属) 
Sciadopitys verticillata

カラマツ
(マツ科カラマツ属) 
Larix kaempferi

※ いずれも葉が輪生しているように見えるが、よくみると短い枝からでているのがわかる