サクラの仲間

  • 執筆者:秋山 忍(国立科学博物館)
  • 公開日:2005年3月28日

日本でいうサクラ属( Prunus 広義のサクラ属とする)には、スモモ、モモ、ウメ、アンズ、リンボク、ウワミズザクラなどが分類される。その全種数は200以上といわれる。サクラの仲間が属するバラ科にはいろいろなタイプの果実があり、その中で核と呼ばれる内果皮の堅牢化による果実構築を発達させたのがサクラの仲間である。

サクラの仲間は、果実のかたちや芽型などの特徴により、6つの属に分類される。スモモ属( Prunus )、サクラ属( Cerasus )、モモ属( Amygdalus )、アンズ属( Armenica )、ウワミズザクラ属( Padus )、バクチノキ属( Laurocerasus )である。

スモモ属( Prunus )
果実には柄があり、縦方向に一ヶ所浅い溝があり、表面は無毛である。核は扁平で、表面にはしわがあるが、窪みはない。スモモやセイヨウスモモなどがある。
モモ属( Amygdalus )
果実には短い柄があり、縦方向の浅い溝は顕著であり、表面にはふつう毛が密生する。核は扁平で、表面には不規則な窪みがあり、さらに窪みが連続して溝のようになることもある。日本に自生する種はないが、モモは古くから日本でも栽培されている。
アンズ属( Armenica )
果実にはほとんど柄がなく、縦方向に浅い溝があり、表面には毛が密生する。核は扁平で、スモモのようにしわがある。アンズやウメが含まれる。
ウワミズザクラ属( Padus )
サクラ属の果実に似るが、たくさんの花(果実)が総状花序につく。果実は短い柄があるが、縦方向の浅い溝はなく、表面は無毛である。核にはしわや窪みはない。日本には、ウワミズザクラ、イヌザクラ、シウリザクラ、エゾノウワミズザクラが自生する。
バクチノキ属( Laurocerasus )
ウワミズザクラ属と同様にたくさんの花(果実)が総状花序につく。果実は開花の翌年に熟し、表面は無毛である。核は扁平で、表面は滑らかであるが、脈理が目立つ。日本には、バクチノキとリンボクが自生する。
サクラ属( Cerasus )
果実には柄がある。ただし、ユスラウメの仲間(ユスラウメ亜属)は、果実の柄は短く、表面に毛が密生する。核はわずかに扁平な楕円形で、表面にはしわや凹凸があるものがある。