くらしの植物苑観察会

毎月第4土曜日(4月はみどりの日)
13:30に苑内のあずまやに集合
15:30頃までの予定、苑内の季節の植物も観察

  • 12月25日 第81回観察会「冬至とクリスマス」 安室知(歴博)
  • 1月22日 第82回観察会「木とくらし」 山田昌久(東京都立大) 
  • 2月26日 第83回観察会「ウメとモモ」 上野祥史(歴博)

正月の植物-マツ- (「冬至とクリスマス」改め)

  • 執筆者:安室 知
  • 公開日:2004年12月21日

多くの日本人にとって、正月というのは、1年の始まりとして、何とはなしに改まった気分にさせてくれるときです。そうした 新年を迎えるに当たって、12月には、家の大掃除 をしたり、年の市に買い物に行ったり、またお節料理を作ったりと、何となくそわそわとした気分にさせられます。

そんな師走に用意するのがマツです。かつては一家の主人が自ら山へ入ってマツを切ってきました。それは松迎え(まつむかえ)などと呼ばれ、12月の重要 な年中行事となっていました。今でも、門松を飾る家は多いですが、それは本来は年末に迎えてきたマツで作りました。ただし、12月29日は9(苦)がつく ということで、その日だけは松迎えをしませんでした。

門松の起源については、いろいろな説がありますが、歳神の依代(よりしろ)という説が有力です。そうして1年に一度家に訪れる歳神は本来はその家の先祖 の霊つまり祖霊であるというのが、近代民俗学の創始者柳田国男の考えです。そうなると、面白いことに気が付きます。日本人は1年のうち1月と7月の2度に わたり祖霊を迎えて祀っていたことになります。それが正月と盆です。そうした盆と正月を中心に日本の年中行事は1年を2分して類似した行事が配置されてい るとされます。

そうした門松や鏡餅を目印にして歳神がやってくるとされます。しかし、面白いことに、日本には正月に松を飾ってはいけないとか、松を切ってきてはいけな いと伝承する地域や家・一族がけっこうあります。正月に餅をついたり食べたり供えたりしてはいけないとする餅なし正月の伝承と似ています。世界的に見れ ば、狭い日本ですが、正月のマツについてはさまざまな伝承が存在していたといえます。 

長野市篠ノ井長谷越道祖神祭