くらしの植物苑観察会

毎月第4土曜日(4月はみどりの日)
13:30に苑内のあずまやに集合
15:00頃までの予定、苑内の季節の植物も観察

  • 6月28日 第63回観察会「梅雨とアジサイ」 渡邊 重吉郎(歴博)
  • 7月26日 第64回観察会「ウリの仲間」 藤下 典之(前大阪府立大学)
  • 8月23日 第65回観察会「変化アサガオの世界」仁田坂 英二(九州大学)
  • 8月12日(火)~8月31日(日) くらしの植物苑特別企画『伝統のアサガオ』展
  • 9月27日 第66回観察会「ドングリの世界」上野 祥史(歴博)

梅雨とアジサイ

  • 執筆者:渡邊 重吉郎
  • 公開日:2003年6月28日

6月の声を聞くと、各地からアジサイ祭の便りがあります。鎌倉の建長寺と円覚寺の中間にある明月院(臨済宗)は、紫陽花 (アジサイ)寺として有名ですが、昔からのものではなく、昭和26年頃から植えられたようです。他のお寺さんの所でも同年代からです。そもそも、桜、牡丹 などは、古くから花見などの花ですが、アジサイを観賞するという風習は、近年になって盛んになった現象です。アジサイは、以前、庭木としてはあまり植えま せんでした。それは、咲き始めは白で、次いで紫色となり、少しずつ色が変化し、最後には紫褐色で終わるので、一名七変化(ナナバケ)とも呼ばれたせいで す。花言葉も「移り気」「高慢」など。このように花の色が変化するのは、フラボン系の物質が変化するためですが、変化する花としない花があります。変化す る花は果実を結ばない花(植物学では不登花)です。アジサイの花には「ヒドランゲノール」という結晶物質が含まれています。これは民間薬として利用され、 花を陰干しにして貯蔵しておき、煎じて飲むと解熱剤の効能があります。また、特に葉に甘味のあるアマチャから、4月8日のお釈迦様の誕生日に用いられる甘 茶が作られます。8月頃、陰干しした葉を積み重ねて発酵させ、天日で乾燥します。茎が古いものは芽だちも悪く更新します。この茎はとても堅くなり、木釘や 楊枝に利用されます。

南房総の清澄寺の裏にある麻綿原(マメンバラ)高原には、20万株ほどが植えられいてアジサイの名所になっていますが、ここのアジサイは日本古来の本ア ジサイの海岸性ヤマアジサイかと思います。清澄山で発見されたキヨスミサワアジサイは、ヤマアジサイの1種です。麻綿原高原のアジサイは7月の上旬が見頃 です。鎌倉の明月院のものは、葉に光沢のない山林性の品種ヒメアジサイと同系です。この種類は箱根登山鉄道の沿線に植えられています。松戸の本土寺(ほん どじ)のものは、ガクアジサイ、西洋アジサイ、ヒメアジサイの混植です。いずれも本格的な植え付けは昭和30年頃からです。

アジサイの作り方

アジサイは増やすのも簡単で、特に病害虫も少なく、作りやすい植物です。最近、園芸店などに海外から数多くの品種が導入され、大型のカシワバアジサイな どが市販されています。庭などに植え込むときに、充分に間隔を取って植えてください。鉢植物は、乾燥には弱いので水やりには注意し、西日はできるだけ避け ます。