くらしの植物苑観察会

毎月第4土曜日(13:30 ~ )
4月の観察会は29日(みどりの日)、無料開苑

伝統の植物4 ◆斑入り植物

  • 公開日:2001年3月21日

今から約200年位前、徳川時代は園芸の盛んな時代で、身分の上下を問わず、植物の収集、栽培を楽しんでいました。当然の傾向として、新規なもの、珍奇 なものが追い求められていました。各人は珍品の所有を自慢にしていたようです。特に斑入り植物は珍奇植物の中心的存在となっていました。当時これらの「変 珍木」を扱っていた植木屋、繁亭金太こと増田金太郎もこの道では筆頭にあげなければならない人物の一人です。

金太はもう一人の特筆な人物、旗本の水野忠暁とともに当時の奇品、錦葉植物の世界では中心的存在でした。金太の意志によって、まず、文政10年 (1827)に『草木奇品家雅見』(そうもくきひんかがみ)が刊行されました。この書は、天・地・人巻が発刊され、逐次分冊の形で発行されましたが、全巻 刊行は果せず、何かの理由によって3冊で未完のまま終わっています。掲載植物は513種で、大半は斑入り植物で各奇品の条に愛好家90名の植物にまつわる エピソードなどを記しています。その後、文政12年(1829)には水野忠暁により『草木錦葉集』(そうもくきんようしゅう)が発刊され、当時存在した錦 葉植物の膨大な目録の記載があり、図としては1031品種掲載されています。前編3巻、後編4巻で、これも未完で終わっています。