くらしの植物苑観察会

毎月第4土曜日(13:30 ~ )

「木とくらし 1 江戸時代の木材の利用」 
「講師:辻 誠一郎(国立歴史民俗博物館) 
6月 24日(土)第 27回くらしの植物苑観察会

伝統の朝顔1 種をまく・双葉を見分ける

  • 公開日:2000年5月24日

朝顔の季節がやってきました。種まきの季節です。といっても、ずいぶん前に種をまいた方もいるかも知れません。もう双葉が終わり、すくすく大きくなって いるものもあるかも知れません。

今年も、8月 1日~9月3日のほぼ 1ヵ月間、くらしの植物苑と本館の企画展示室で、特別企画「伝統の朝顔」を開催します。すでに本格的な準備に突入して います。くらしの植物苑では、昨年と同じように、変化朝顔を中心に、大輪朝顔も取り入れて、およそ百系統にのぼるさまざまな変化朝顔を展示します。企画展 示室では、江戸時代から近代にかけての、変化朝顔の育て方、育てた人々を物語る歴史資料を展示します。

今年は、皆さんとともに変化朝顔を育て、あるいは観察をして、パフォーマンスの極致とまで言われた、世界にほこる特異な文化を確かめ、歴史の理解を深め たいものです。

この植物苑だよりでも、「芽生えから開花まで」をテーマに、種まきから種の採取まで、変化朝顔の世界、変化朝顔とのつきあいかたを中心に、シリーズで掲 載していくことにします。

朝顔の種まきは、日中の気温が 20°以上に安定してからが安全です。それでも、気温の低い日や、冷たい露がかかる夜などは、室内に入れたり、ビニールを かぶせた方がいいでしょう。

変化朝顔の種の皮(種皮)は堅く、自力では発芽しにくいので、皮をキズつけます。これを芽切りと言って、半月状の円を描いた外側をヤスリや爪切りで、中 身が少し見える程度にキズを付けます。

深さ8㎝くらいの木箱などを準備し、肥料分が少なく水はけがよいバーミキュライトや川砂を深さ5~7㎝まで入れます。これを苗床にします。市販の培養土 でもかまいません。半月状の円を上に向けて(ヘソを下に)、約 1.5㎝の深さに種をまきます。

正木系統は 1系統あたり、5粒程度まけば十分です。出物系統では、鑑賞する出物の出現率が4分の 1のものは 10粒以上、16分の 1のものは30粒以上ま きます。

双葉が出てきたら、ここが第 1のポイント。変化が単純な正木系統は、すべて子葉がよく開きます。一方、出物系統は、よく開いたふつうの双葉をつける親木 と、萎縮したり縮れたような双葉をつけた出物に分かれます。出物系統なのに、まったく出物の双葉が出てこないこともあります。出物は別の鉢に取り上げま す。双葉がふつうの親木は半数くらい種取り用に育てますが、牡丹の変異をもっているものがあるので、花芽が着くまで育て、牡丹を見分けた上で鉢に取り上げ ます。

出物系統は、牡丹の変異をもっていれば、親木、親牡丹、一重出物、牡丹出物と、4つの花型に分離します。すべてを育ててみるのも面白いでしょう。

種取り用の親木と観賞用の出物を識別して取り上げる 苗床で双葉が出はじめたさまざまな変化朝顔 出典 「くらしの植物苑特別企画 伝統の朝顔」 ( 1999年8月3日) 国立歴史民俗博物館 編

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