くらしの植物苑観察会

毎月第4土曜日13:30 ~ 15:30

いま開花しているもの・数日中に開花するもの

樹木 草本
サンザシ シラン
ウンシュウミカン ユキノシタ
ユズ  クネンボ シャクヤク
イイギリ オオバギボウシ
ガマズミ アカバナジョチュウギク
ホオノキ パンジー
トベラ  

城山を観る

  • 公開日:1999年5月19日

年末から年始、例年になく暖かい冬のたよりがとどきます。雪が降るべきところに雨ばかりで、日本海側の多雪に適応した植物たちも、きっと驚いていること でしょう。

くらしの植物苑や歴博本館は、平らな段丘面の上に位置しており、佐倉城址公園の 中にあります。台地の上には佐倉城以来、さまざまな構造物が立ち並んでいましたが、 台地と低地の境目の斜面や城内の堀の斜面には、うっそうとした大木が森をつくって います。築城のとき、あるいはそれ以前からも、人の手によって植生はずいぶん作り 替えられてきたと考えられますが、現在ではよく保存されていて、市民のいこいの場 になっています。

春先には、真っ白な花をつけたコブシがひときわ目立ちます。このあたりの台地斜 面では、よく見かける光景です。4月、ムクノキやケヤキ, エノキに、近づいてみな いと分からないほどの花が着きはじめると、クスノキやスダジイなど常緑の広葉樹に も若葉が目立ちはじめます。そして今、スダジイの花が満開を過ぎようとしています。 風下を歩いていると、あるいは木立の下を歩いていると、プーンと独特の匂いが漂っ てきます。異様な独特の強い匂い、けっして香り豊かなとは表現できないこの臭い、 それは満開のスダジイの花が放っているのです。

こずえに何かしら白い紙屑のようなものが群がっているのに出会うことがあります。 幹や小枝をよくみると、しっかりとした蔓(つる)がからまっているのに気づきます。 地表にクチナシの花をずいぶん小型にしたような可憐な花が落ちています。ほのかに 芳香が漂ってきます。これがキョウチクトウの仲間で、テイカカズラです。この花が 集中して落下しているところにしばしば出くわします。そのとき上を見てください。 きっと、ずいぶん高いところに無数の白花の大群を見つけることでしょう。

白い花と言えば、今、くらしの植物苑の中にもミカンの仲間がいくつか花を咲かせ ています。北の青森ではリンゴの花が満開を過ぎたようですが、暖かい関東では、ク ネンボなどミカンの仲間の一群が芳香を放って白さを競い合っています。

ミカンの仲間には、共通の特徴があります。葉を透かして見てください。光を通す 点が多数散りばめられているはずです。これは油点といって、この中に独特の油がつ まっているのです。サンショウもミカンの仲間です。おすましにサンショウの葉を浮 かせますが、その前に、手のひらでパンとたたくでしょう。あれは、葉の中の油点を つぶして、芳香を放つ油を出すためなのです。葉が変化したとされるミカンの皮をむ くとき、手にたくさんの油が飛び出てきますね。こんなところにもミカンの仲間の特 徴があるのです。