くらしの植物苑くらしの植物苑

くらしの植物苑だよりくらしの植物苑だより

No.13 1999年 4月20日

◆くらしの植物苑観察会◆
4月は29日の「みどりの日」
5月以降は毎月第4土曜日
13:30 ~ 15:30

いま開花しているもの・数日中に開花するもの

樹木            草本
ボタン    シャクナゲ  サクラソウ(原種)
ミツバアケビ ボケ     シラン
タブノキ   コナラ    エビネ
クスノキ   クヌギ   (園芸種)
クロモジ   アオキ    ビオラ
ゲッケイジュ ヤマモモ   パンジー
ミズメ    ハナズオウ

★花を観る

 春から初夏にかけて、くらしの植物苑は一年でもっともはなやかな季節です。

 雄しべと雌しべの集まりを花びらでつつんだもの。これをわたしたちは花といって います。種子をつくるための生殖がここで行われるわけですから、植物にとってとて も大切な部分です。花をつける植物を被子植物 (ひししょくぶつ)と呼んでいます。 さまざまな大きさの、さまざまな色の花が進化の過程でつくり出されてきました。 また、江戸時代以降では、キク (菊) やアサガオ (朝顔) のように、人の知恵と工夫 によって、みごとな形や色をした花がつくり出されてきたものもあります。

 ボタンの花はいまがまっさかりです。花の大きさ、かたち、色をめでて古くから栽 培され、たくさんの変わりだねがつくられてきました。ボタンは、まさに花が人をひ きつけてきた植物といえるでしょう。ボタンの花の中央にはたくさんの黄色の雄しべ があり、その中に雌しべが隠れています。これらを下から支え、抱き込むようにたく さんの大きな花びらが車輪状についています。このような花はキンポウゲの仲間とよ く似ています。どのような花もこのような構造が見られるわけではありません。被子 植物の中では特異なもので、ひじょうに原始的な構造だと考えられています。

 華やかさこそありませんが、コナラやクヌギ、それにミズメという植物にも、よく 目立つ立派な花が咲いています。コナラやクヌギはコナラ属という仲間に属していま す。いま、長さ5㎝から10㎝の尾っぽのようなものがたくさん枝から垂れ下がってい ますが、これが雄花です。正確には、たくさんの雄花が集まった雄の花序です。目を 凝らして見てください。たくさんの雄しべをもった花がいっぱい、じゅずつなぎにな っているのがよく分かります。雄花があれば雌花もあるはずです。まだ小さくて目立 ちませんが、先が少し赤くて、裂けたようになっている雌花が見つかるはずです。こ の雌花が大きくなって、ドングリができるのです。ミズメは植物苑の東の隅にありま す。これも尾っぽのような雄の花序を枝の先端から垂れ下げています。このような雄 の花序を尾状花序 (びじょうかじょ)と言っています。これも被子植物の中ではひじ ょうに原始的なものだと考えられています。

 コナラのように同じ株に雄花と雌花が別々に咲くもの、ボタンのように同じ花に雄 しべも雌しべもあるものがあります。また、ヤマモモのように、雄花を咲かせる雄株 と雌花を咲かせる雌株が別のものもあります。

 次から次へと咲き誇るさまざまな花を、ちょっと違った視点から見てみませんか。