歴博講演会
2013年 開催終了の歴博講演会
第351回 「人と動物の考古学」
| 講師 | 西本 豊弘 (当館考古研究系) |
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| 日程 | 2013年3月9日 |
| 開催主旨 | 日本人と動物との関係は、旧石器時代から現代まで様々です。その中で、食料とされた動物の変遷を中心に考えてみます。さらにペットの問題も触れてみたいと思います。 旧石器時代と縄文時代は、野生の動物を食料としていました。縄文時代では主にシカとイノシシを狩猟していたことが分かっています。弥生時代になると米などの生産により食料は安定し人口も増加します。この時代にはブタが飼育されて食肉を補うとともに、イヌを食べる習慣も稲作とともに導入されました。古代になると仏教の影響で家畜の肉を食用とすることが禁じられ、ブタの飼育がなくなり、ウマやウシは労役用となり、ウマやウシの肉が食用とされなくなりました。中世以降、魚類や野生の鳥類・哺乳類が食肉とされますが、江戸時代の庶民の食卓には獣の肉が並ぶことは少なくなりました。鎖国の影響もあり、江戸時代の庶民は人口が増加しなくなり、また身長も日本歴史の中で最も低くなりました。 このような歴史の中で、イヌは縄文時代から狩猟用に飼育され、弥生時代以降は食用ともされました。ネコは弥生時代に渡来しペットとされました。中世まではネコはヒモでつながれて飼育されましたが、イヌは放し飼いであり、現代日本のイヌとネコの飼い方とは異なっていました。 |
第350回 「出土漆に見る日本の歴史」
| 講師 | 永嶋 正春 (当館情報資料研究系) |
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| 日程 | 2013年2月9日 |
| 開催主旨 | 12,600年前、日本列島に生きる人々はすでに漆を使っていたものと考えられます。以降、今日に至るまで、漆の技術と漆の文化は列島内に連綿と生き続けてきたのです。一つの素材に過ぎない漆ですが、その時代その時代に人がどのように漆と関わっていたのかがわかれば、12,600年にわたる日本の歴史、その一面が見えてきます。そのためにはまず、漆関係資料を丹念に調べることが必要です。古い時代であれば、出土考古資料が大きな意味を持ってきます。それらが持つ情報を引き出すことで、その時代の人々が持ち得た技術の内容を知り、生活文化のあり方を考え、さらには歴史世界へと想像を広げるのです。 |
第349回 「日本建築史の再構築」
| 講師 | 玉井 哲雄 (当館情報資料研究系) |
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| 日程 | 2013年1月12日 |
| 開催主旨 | 日本建築史は、寺院・神社などの古い建築を調査して文化財としてのランク付けを行い、指定して管理し、さらに修理・保存するための方法・技術を研究するための学問として明治以来受け継がれてきました。したがって実際に建っている建物が研究の対象です。しかし現実に残されている建物は日本列島内に建てられた建物のごく一部にしか過ぎません。しかも残された建物は階層的にも、地域的にも大きな偏りがあります。広く人間と建築との関係を考えようとするなら、失われた建物もふくめたより広い視野からの建築のあり方を考える必要があります。そのためには絵画に描かれた建築、考古学発掘によってあきらかになる建築、さらに日本列島と密接な関係にあった朝鮮半島や中国大陸の建築を研究対象に組み込んだ広い視野からの日本建築史の全体像が必要とされます。日本建築史の再構築ということになります。この作業を進めることによって広く人間社会の歴史を再構築することにもなると思います。 |




























