額田寺伽藍並条里図 (国宝)

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額田寺伽藍並条里図 (国宝)

額田寺伽藍並条里図 (国宝)
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額田寺伽藍並条里図 (復原複製)

額田寺伽藍並条里図 (復原複製)
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麻布に彩色。縦113.7センチ、横72.5センチ。 成立は8世紀後半。本図は奈良時代の荘園図で、大和国平群額田郷を本拠とした古代の豪族、 額田部氏の氏寺である額田寺の伽藍および寺領を麻布(調布)に彩色で描いたものである。 官営の東大寺とは異なる畿内の中級貴族の氏寺とその寺領の様子が描かれていることが大きな特色。 絵図には奈良盆地の北西部に位置する額田寺の伽藍を中心に佐保川と初瀬川の合流点およびその北方の額田部丘陵が描かれている。 その記載範囲は南北は約1100メートル、東西は約700メートルほどである。 記載内容の判読は、全体が褐色に退色しているため肉眼では極めて困難な状況にある。 墨書や寺の伽藍の朱線、印影などがわずかに確認できるのみである。 そのため、国立歴史民俗博物館と東京大学史料編纂所は1年半の年月をかけて共同で復原を試み、1200年前の原型や色彩を蘇らせた。 X線や顕微鏡による観察で図や文字を解読、繊維の間に残る顔料の粒を見つけだし色を再現、麻布も当時の手法で織りあげ、現地調査を加味して復原した。