コレクション名:穂井田忠友書状

穂井田忠友(1792~1847)は国学者であったが、奈良奉行所に仕えていた天保7年(1837)正倉院開封が行われ、彼は宝物ならびに古文書の整理調査を担当指揮した。この書状は伴信友に充てられたものであるが、国学者として古代史の実証的研究に努めていた信友が忠友に依頼して正倉院文書についての種々の教示を求めていたことに対する返書の一つである。ここに見える「皇后宮職/天平九年四月六日/天平廿年八月廿四日/天平廿年十月八日」とは正集第四十四巻に収められている皇后宮職牒三通のことである。