コレクション名:一条兼良自筆書状

紙本墨書掛幅装  前関白一条兼良が、前権中納言・陸奥出羽按察使甘露寺親長に宛てて、二名の大乗院坊官の僧位(口宣案)を挙達し、また『源氏物語』抄物に使用する料紙の送付方を依頼した書状。兼良が子息の大乗院門跡尋尊を頼って奈良に下向したのは応仁元年八月で、本文書の署名が「覚恵」と兼良の法名になっていることから、年季は兼良が出家する文明五年以降、上洛して以後在京する文明九年十二月十七日以前(文明五~文明八の間)と推定される。「源氏物語」は或いは著名な『花鳥余情』を指すとも考えられる。