コレクション名:大和物語(古活字版)

元和年間頃刊行された十二行本系統の一本である。版心記は上巻第一丁に「上 一」とあるのみで、他には版心記は見られない。本文中、上巻第十三丁裏面の末行と、第十四丁表面初行の各21字は重複しており、製版時の錯誤によるものである。 下巻末尾は「しもゆきのふるやのなかにひとりねのうつふしそめのあさのけさなり」の次に「となむありける」の七字をもって結んでいるが、元和年間刊十二行本中にはこの七字の有無の二種がある。各巻本文中の末尾の朱書奥書から「鶴の屋本」との対校によるものであろう。