コレクション名:天工開物(和刻本)

『天工開物』は明末(崇禎10年)に江西省の宋應星が著した産業技術書で、内容は三巻十八部門に及ぶ。現在明版の「天工開物」が静嘉堂(六冊本)、水戸彰考館旧蔵(三巻本)の二本がある。本資料は明和八年大坂の書林菅生堂から刊行された「天工開物」で、木村蒹葭堂本に備前の江田益英が校訂を加え、訓点・送り仮名を施し、都賀庭鐘が序文を認める。まさに日本で最初に書林から出版された和刻本の「天工開物」であり、以後広く一般に普及した。