データベース概要

館蔵紀州徳川家伝来楽器データベース

Collection of Japanese Musical Instruments: Heirloom of Kishu-Tokugawa Family

公開年月:2005年3月

歴博が所蔵する紀州徳川家伝来楽器コレクションは、日本を代表する古楽器コレクションとしてよく知られています。これらの資料は、主として紀州藩の第十代藩主徳川治宝(とくがわはるとみ・1770~1853)によって蒐集されたものと伝えられます。
 総数157件を数えるコレクションは、雅楽器を中心に、吹きもの(管楽器)・弾きもの(弦楽器)・打ちもの(打楽器)など各種の楽器や、楽譜その他の付属品、付属文書から構成されており、なかには在銘のものや、珍しい楽器、中国の楽器も含まれています。それぞれの楽器は、修理の手が加えられ、華麗な装飾を施した袋や収納箱に収められて、大切に保管されていたことがわかります。治宝がどのようにしてそれらの楽器を入手し、各々の楽器にはどのような由緒があったかなどの情報を、付属の文書からうかがうことができることも貴重です。
本データベースは、平成15年度に刊行された『国立歴史民俗博物館資料図録3 紀州徳川家伝来楽器コレクション』に基づいて、本コレクションのすべての楽器と付属品・付属文書の情報を提供し、図版の閲覧を可能としたものです。すべての付属文書の翻刻も掲載しています。
 日本における楽器史は、境界領域の分野としてまだまだ研究の途上にあります。本データベースが、楽器史や音楽史のみならず、美術工芸史、文化史研究の基礎資料として寄与することを願ってやみません。

The National Museum of Japanese History owns one of the best collections of traditional Japanese musical instruments in Japan, which was originally collected by Tokugawa Harutomi (1770-1852), the 10th generation lord of the Kishu-Tokugawa family.
The greater part of this collection consists of musical instruments of various kinds used for Gagaku (traditional court music and dance), including wind, string and percussion. It also contains imported instruments, curious instruments, scores and other articles related to Japanese traditional music. It is possible to tell from the beautiful silk covers or elaborately decorated boxes attached to the instruments that they cherished and treated them carefully. It is useful that documents attached to them mention the historical provenance and circumstances of acquisition.
Japanese people have regarded such instruments not only as practical tools for performing music but as symbols of their cultural life or that of their spirits. This collection is highly valued because it tells us the history of the relationship between music, objects, and human beings.
Our greatest pleasure would be that this database contributes to future research as basic data of not only the history of music or musical instruments but the history of fine arts, or the cultural history of Japan.


項目説明

項目名 内容
【資料番号】 本館での管理番号が入力されています。
なお、資料の子番号以下(H-46をのぞいた番号)は、『元紀州徳川家所蔵雅楽器目録』(昭和31年、島根県博物館建設促進委員会)の目録番号と一致しています。
【楽器種】 楽器の種類が入力されています。
検索語の入力は全角でしてください。項目一覧表示から、検索することもできます。
【資料名】 楽器名と楽器銘(楽器に付けられた名前)が漢字で入力されています。無銘の楽器は楽器名のみの表示です。
検索語の入力は全角でしてください。項目一覧表示から、検索することもできます。 例) 笙(銘「山端」)
【資料名かな】 かなで入力されています。検索語の入力は全角でしてください。

 例) しょう(めい「やまのは」)
【時代 和暦】 楽器が制作された時代を時代、元号、元号年(半角数字)などで必要に応じて入力しています。
現在の研究状況からは、おのおのの資料の時代を確定することが極めて困難です。したがって、本DBにおいては、楽器本体に記された銘などにより制作時期が明らかなもの以外は、参考として伝来による年代を示しています。

 例) 江戸時代、文化年間、文化元年、文化15年
【時代 西暦】 楽器が制作された時代を西暦年で必要に応じて入力しています。
検索語の入力は半角で行ってください。
この項目は、【時代 和暦】に具体的な年号、元号を記載したものにのみ入力されています。
【作者】 楽器の作者名がわかる場合に入力されています。
検索語の入力は全角でしてください。項目一覧表示から、検索することもできます。
この項目も、伝来を重視しているため、必ずしもその作者の真作であるとは限りません。
【銘文】 楽器本体に年号や作者名などの銘記がある場合に、その銘文を入力しています。
【銘書著者】 楽器銘の筆者がわかる場合に入力されています。
検索語の入力は全角でしてください。項目一覧表示から、検索することもできます。
【下絵等著者】 楽器本体や付属品の装飾の下絵などの筆者がわかる場合に入力されています。
検索語の入力は全角でしてください。項目一覧表示から、検索することもできます。
【数量】 本館での収蔵数が入力されています。
【法量縦 (cm)】 縦の法量が入力されています。
【法量横 (cm)】 横の法量が入力されています。
【法量高さ (cm)】 高さの法量が入力されています。
【法量径 (cm)】 円形の資料に関して、基本となる部分の径が入力されています。
【品質・形状および加飾】 資料の材質・形式・形態・用いられている技法・装飾などに関する情報が入力されています。
【伝来】 楽器本体の銘文や付属文書などに基づく伝来が入力されています。また、伝来の典拠を( )の中に記しています。

 例) (文書2による) 文書2によって伝来がわかる
 例) (島根目録による) 現存する付属文書からはわからないが、『元紀州徳川家所蔵雅楽器目録』(昭和31年)によって伝来がわかる
 例) (島根題箋による) 財団法人松江博物館収蔵時の題箋によって伝来がわかる
【修復歴】 過去に資料が修復された記録があったり、痕跡が認められる場合など、修理に関する情報を入力しています。
【付属品1~11】 楽器等に付属する収納箱、袋などの付属品の情報が入力されています。付属品の番号は便宜的に付けたものです。
【文書数】 おのおのの資料に付属する付属文書の数が入力されています。
【文書1~17】 楽器等に付属する文書に関する情報が入力されています。必要に応じて、文書名、文書の種類、時代、筆者などを記しています。
付属文書の番号は便宜的に付けたものです。
【備考】 現在所在不明となっている付属品や付属文書に関する情報、その他資料に関連する情報が入力されています。