データベース概要

文化財材料知識データベース

A Database of materials used for Cultural Properties

公開年月:2011年3月

文化財材料知識データベースは文化財ごとに色味や色材の推定構造などの文献調査を行いデータベース化したものです。
本データベースは文化財の種類、時代、それに使用されている支持体・色材のデータの蓄積(以下、論文DB)と、色材の構造、特性、使用法などの基礎データ蓄積(以下、染料顔料DB)をもち、これらが相互リンクすることによって、より総合的系統的な検索を可能としています。
論文DBから、染料顔料DBにリンクして、その文化財に使用されている染料顔料の詳しい特性を知り、染料顔料DBから論文DBにリンクして、その染料顔料が使用されている論文を検索することができます。
なお、本データベースは、「文化財構成物質知識データベース」として、科学技術振興機構(JST)革新技術開発研究事業(「文化財測定用携帯型ラマンイメージング・顕微赤外分光装置の開発研究」、平成17-19年度)、科学技術振興機構(JST)先端計測分析技術・機器開発(プロトタイプ実証・実用化プログラム)(「文化財等複合材料評価用ラマンイメージング装置の開発」、平成21-23年度)、の交付を受けて作成したものです。


項目説明

項目名 内容
【時代】 文化財の製作された時代
【地域】 文化財が存在する地域
【文化財 (大分類)】 史跡・建造物・絵画等のくくり
【文化財 (中分類)】 古墳・宗教建築・日本画等のくくり
【文化財 (小分類)】 埴輪・漆器・絵巻等のくくり
【文化財名】 文化財の名称
【実験試料】 分析した試料について記載
【茶】 茶色色材として使用されていた物質
【赤】 赤色色材として使用されていた物質
【黄】 黄色色材として使用されていた物質
【緑】 緑色色材として使用されていた物質
【青緑】 青緑色色材として使用されていた物質
【青】 青色色材として使用されていた物質
【紫】 紫色材として使用されていた物質
【金】 金色色材として使用されていた物質
【銀】 銀色色材として使用されていた物質
【白】 白色色材として使用されていた物質
【黒】 黒色色材として使用されていた物質
【橙】 橙色色材として使用されていた物質
【灰】 灰色色材として使用されていた物質
【下地】 下地として使用されていた物質
【最表面】 最表面に使用されていた物質
【色表示なし】 色の記載はないが文化財に使用されていた物質
【備考】 備考
【著者名】 論文者名
【論文名】 論文名
【雑誌名・文献名】 論文が掲載された雑誌名・文献名
【号】 論文が掲載された雑誌・文献の号
【ページ】 論文掲載ページ
【年】 論文が発表された年
【追記・補訂】 追記・補訂
【関連論文】 関連する論文
【分析手法】 色材物資同定に使用された手法


項目名 内容
【顔料染料】 顔料か、染料かの別
【色】 色味
【色名】 色の名前
【英名】 英語での色の名前
【仏名】 フランス語での色の名前
【ドイツ語名】 ドイツ語での色の名前
【イタリア語名】 イタリア語での色の名前
【ラテン語名】 ラテン語での色の名前
【別名】 別名
【マンセル三属性(JIS規格)】 色彩を色の三属性(色相、明度、彩度)によってあらわす方法である。色相では色を5つ(R、Y、G、B、P)に分け、更に中間にYR、GY、BG、PB、RP)の5つを設けたのち、それらの色相を10で分割した計100色相で表わす。(R (赤)、YR (黄赤)、 Y (黄)、 GY (黄緑)、G (緑)、BG (青緑)、B (青)、PB (紫青)、P (紫)、RP (赤紫))明度は色の明るさを意味し、無彩色の中で最も明るい白を明度の10とし最も暗い黒を明度0とする。彩度は色の鮮やかさを意味し、色のない無彩を0として色の鮮やかさの度合いにより数字を大きくする。表記は「色相 明度/彩度」とし、例えば、色相が7PB 明度が4 彩度が10であれば、7PB 4/10と表記する。
【CMYKよる表示】 シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4種で色を表現する方法である。理論的にはこの4種ですべての色が表現できる。
【物質系統】 顔料・染料、有機物・無機物、色素の区分など
【化学式】 物質の化学組成を、元素記号で表わした式
【化学物質名】 顔料名ではない物質としての名称
【比重】 ある物の重さとそれと同体積の4℃の水の重さとの比
【屈折率】 光が二つの媒質の境界で屈折するとき、入射角の正弦と屈折角の正弦との比。両媒質中の光の速さの比に等しい。
【硬度】 かたさの程度
【おもな生産地】 顔料・染料の生産される主な国・地域
【用途】 顔料・染料の使用用途
【天然】 顔料・染料が天然のものか人工的に製作されたものか
【製造法】 顔料・染料の製造方法
【性質等】 顔料・染料がもつ性質
【西洋】 西洋で使用された例および記載された文献名など
【東洋(日本除く)】 日本を除く東洋で使用された例および記載されている文献など
【日本】 日本で使用された例および記載された文献名など
【その他】 その他地域における使用例など
【≪紀元前1世紀後半≫ウィトルウィウスVitruvius「建築の書」】 ≪紀元前1世紀後半≫ウィトルウィウスVitruvius「建築の書」に見られる記述
【≪1世紀後半≫プリニウスPlinius「博物誌」】 ≪1世紀後半≫プリニウスPlinius「博物誌」に見られる記述
【≪10世紀≫エラクリウスEraclius写本】 ≪10世紀≫エラクリウスEraclius写本に見られる記述
【≪12世紀≫テオフィルスTheophilus「さまざまな技能について」】 ≪12世紀≫テオフィルスTheophilus「さまざまな技能について」に見られる記述
【≪1400年頃≫チェンニーノ・チェンニーニCennnino cennini「芸術の書」】 ≪1400年頃≫チェンニーノ・チェンニーニCennnino cennini「芸術の書」に見られる記述
【≪16世紀後半≫パドパ写本】 ≪16世紀後半≫パドパ写本に見られる記述
【≪18世紀≫「ド・マイエルン写本」】 ≪18世紀≫「ド・マイエルン写本」に見られる記述
【≪18世紀半≫ディオニシオスDionysius「エルミニア」】 ≪18世紀半≫ディオニシオスDionysius「エルミニア」に見られる記述
【≪17世紀≫「シュトラスブルク写本」】 ≪17世紀≫「シュトラスブルク写本」に見られる記述
【≪17世紀≫「和漢三才図会」】 ≪17世紀≫「和漢三才図会」に見られる記述
【染色部分】 染料の材料として使われる部分
【染色方法】 染色の方法、媒材等
【裂からの抽出】 裂からの抽出方法
【染料の同定】 染料の同定法
【画像】 顔料・染料の画像
【X線回折スペクトル】 X線回折スペクトルの画像
【赤外分光スペクトル】 赤外分光スペクトルの画像
【ラマン分光スペクトル】 ラマン分光スペクトルの画像