研究活動一覧

科学研究費補助金による研究

2011年度科学研究費補助金:
旧石器・縄文時代の環境文化史研究

研究成果公開促進費(学術図書)

旧石器・縄文時代の環境文化史研究
研究期間:2011年度

研究代表者 工藤雄一郎 (本館・研究部)

研究目的

日本列島で人類が生活するようになったのは、今から4万年前より新しい時期である。この間,日本列島に住んでいた人々は、どのような環境で暮らし、どのような生活をおくっていたのか。先史時代、特に旧石器時代から縄文時代における人類活動の変遷を、環境史との関係のなかで明らかにすることは、考古学における極めて重要な課題の一つである。

環境変動と人類活動との相関関係に関する問題を解明していくためには、通常考古学者が扱う石器や土器、遺構などの考古資料だけでは不十分である。これまで別々に議論されてきた古環境およびその変遷に関する情報と、考古学的資料から導き出された過去の人類活動に関する情報とを総合的に検討し、可能な限り両者を対比することで、当該期における人類活動の変遷について議論していくことが望ましい。

そこで本書では、「日本列島における先史時代の人類が自然環境とどのように関係してきたのか」を検討するための、時間的枠組みを作り上げること第1の目的とした。本書では、対象とする時期を大きく二つに分けている。一つは、後期更新世(最終氷期)に位置付らけれる年代域であり、考古学的には旧石器時代から縄文時代草創期までを主な対象とした。数値年代では、主に4万年前から1万1千年前までが含まれる。もうひとつは、完新世(後氷期)に位置づけられる年代域であり、考古学的には縄文時代早期から晩期までを含む。この2つの時期について、環境史と考古編年との時間的対応関係について、14C年代とその較正年代という考古遺跡、古環境データの双方に共通のタイムスケールを用いることで整理した。