研究活動一覧
科学研究費補助金による研究![]()
2010年度科学研究費補助金:
陰陽道の歴史民俗学的研究
研究成果公開促進費(学術図書)
陰陽道の歴史民俗学的研究
研究期間:2010年度
| 研究代表者 | 小池 淳一 (本館・研究部) |
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研究目的
本書の刊行の目的は、民俗学の視座から陰陽道の位相を解明し、陰陽道研究の前進を図ることにある。陰陽道は修験道とならぶ、日本で成立した独自の宗教的知識体系であるが、明治における陰陽道の廃止に伴い、その組織は崩壊し、史資料は散逸した。しかし、陰陽道の影響は生活の至る所に残されており、断片化・俗信化している。本書は、その様相と系譜を解明するために各地に残る伝承や史資料を広く検討し、庶民生活における陰陽道の展開と浸透について、民俗事象との関わりを視座として論じた。本書の第一部では近世に成立した陰陽道書の内容と系譜、さらに民俗的受容の様相を「東方朔」「大雑書」を中心に取り上げ、東北、南島の民俗文化を基点に解明した。第二部では陰陽道の知識が今日伝えられている民俗事象の形成とどのように関わっているのかについて検討を行った。宗教者の呼称、民俗芸能の由来譚、民俗芸能の詞章、昔話、暦注、民俗信仰等にみられる陰陽道の要素と展開について、具体的に検討し、実態を明らかにしている。結論として、近世以降の庶民生活における陰陽道は、必ずしも宗教者の活動によって広められたわけではなく、板行された陰陽道書や暦書などに記載された知識が長期にわたってさまざまな契機を通じて流入し、民俗の形成に関わってきたことが解明されたといえよう。また、方法論的にはこうした作業を通じて、宗教者という視点を相対化し、書物の民俗文化における位相を意識するという視座を得て、その有効性を確認することができた。
































